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03月03日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2021-03-03
    03月03日-一般質問-04号


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    最終取得日: 2023-06-14
    令和 3年  2月定例会 本会議令和3年3月3日(水曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 県政に対する一般質問本日の会議に付した案件 日程第1 県政に対する一般質問(笠原義宗君、樋口秀敏君、中村康司君、斎京四郎君、中川隆一君、小山大志君)   ――――――――☆――――――――出席議員(53名)          河原井 拓 也 君  小 山 大 志 君  中 川 隆 一 君  高 見 美 加 君          保 坂 裕 一 君  与 口 善 之 君  桜 庭 節 子 君  斎 京 四 郎 君          中 村 康 司 君  松 原 良 道 君  笠 原 義 宗 君  高 橋 直 揮 君          宮 崎 悦 男 君  青 柳 正 司 君  横 尾 幸 秀 君  皆 川 雄 二 君          小 林 一 大 君  冨 樫 一 成 君  楡 井 辰 雄 君  小 島   隆 君          佐 藤   純 君  桜 井 甚 一 君  岩 村 良 一 君  沢 野   修 君          尾 身 孝 昭 君  柄 沢 正 三 君  小 野 峯 生 君  帆 苅 謙 治 君          渡 辺 惇 夫 君  石 井   修 君  星 野 伊佐夫 君  樋 口 秀 敏 君          小 島   晋 君  池 田 千賀子 君  高 倉   栄 君  上 杉 知 之 君          大 渕   健 君  長 部   登 君  小 山 芳 元 君  小 泉   勝 君          杉 井   旬 君  重 川 隆 広 君  秋 山 三枝子 君  片 野   猛 君          市 村 浩 二 君  安 沢 峰 子 君  遠 藤 玲 子 君  青 木 太一郎 君          佐 藤 浩 雄 君  小 島 義 徳 君  佐 藤 久 雄 君  渡 辺 和 光 君          飯 野   晋 君議員以外の出席者  知事           花角 英世 君  副知事          佐久間 豊 君  副知事          米澤 朋通 君  知事政策局長       小岩 徹郎 君  総務管理部長       笠鳥 公一 君  県民生活・環境部長    村山 雅彦 君  防災局長         熊倉  健 君  福祉保健部長       松本 晴樹 君  産業労働部長       橋本 一浩 君  観光局長         佐野 哲郎 君  農林水産部長       山田 治之 君  農地部長         緒方 和之 君  土木部長         金子 法泰 君  交通政策局長       田中 昌直 君  会計管理者兼出納局長   本間由美子 君  病院局長         藤山 育郎 君  企業局長         桑原 勝史 君  教育長          稲荷 善之 君  人事委員会事務局長    川上 克也 君  警察本部長        山本 有一 君  労働委員会事務局長    綱島 知子 君  監査委員事務局長     山田富美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時開議 ○議長(桜井甚一君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 県政に対する一般質問 ○議長(桜井甚一君) 日程第1、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、笠原義宗君の発言を許します。笠原義宗君。   〔笠原義宗君登壇〕(拍手) ◆笠原義宗君 おはようございます。自由民主党の笠原義宗でございます。順次質問させていただきます。 令和3年度当初予算は、国の予算編成に合わせて、2月補正予算と一体で15か月予算として1兆4,651億円が計上され、大幅の増額となりました。 新型コロナウイルス感染症関連やワクチン接種体制、国土強靱化5か年加速化対策による増加が主ですが、実負担を上げず、行財政改革行動計画においては35億円の収支改善に取り組む予算を削り出した苦労が見える予算と受け止めております。 無駄を省き、県行政をスリム化するとともに、人口増施策や成長産業の強化、企業誘致など税収を高めることや、魅力ある県土づくりが重要であると考えております。 新型コロナウイルス感染症によって県民の命、大切な文化、魅力ある飲食や宿泊施設など継続させる取組が重要であると考えますが、まず新型コロナウイルス感染症関連について質問をさせていただきたいと思います。 本県は、新型コロナウイルス感染拡大対策の目安として注意報、警報、さらなる警報を位置づけ、対策を講じています。昨年12月から警報が発令されており、県民への要請として、県外の人との接触を減らすことなどとしていますが、事業者への要請はしていない状況であります。 また、6府県の緊急事態宣言が28日をもって解除され、県独自の緊急事態宣言の解除も進んでいます。 本県は、医療現場が逼迫していないのにもかかわらず、県の警報が出ているため、経済活動が過度に自粛されていると考えますが、どの程度県経済にマイナスを与えているのか伺うとともに、基準や対策は専門家会議や県内の感染状況を踏まえ、柔軟に見直すとも示されているため、今後の状況に応じて基準を緩和することも必要だと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、イベント開催などのガイドラインについて伺います。 昨年、本県のイベントやお祭りが、新型コロナウイルス感染症の影響で少なくとも239件中止となったとの報道がありました。今年こそはと開催に向けて動いている地域もあります。私の地元の白根大凧合戦も、今年は何とか開催をしようということで、日程の短縮や感染症ガイドラインを考え、準備を進めているところであります。 スポーツやコンサートなど特定の会場で開催されるイベントは、入場者を制限すれば感染リスクを減らすことができますが、屋外の祭りなど不特定多数の人が出入りするものは対策が難しくなります。 規模の縮小や飲食の提供をなくすことなど様々な対策が考えられ、国等のガイドラインでは基準が曖昧であるため、主催者が中止するかどうかの判断の目安となるように、県として、より具体的なガイドラインを示すべきと考えますが、所見を伺うとともに、お祭りやイベント等の主催者が開催を判断し、感染防止対策を講じてもなお感染が拡大した場合、主催者の責任は問われないと考えますが、知事の所見を伺います。 本県の新型コロナウイルス感染拡大は一定程度に収まっており、医療体制の逼迫までは至っていない状況であると承知しています。しかしいつ感染拡大が爆発的に増えるか分からないため、その準備体制を整えていくことも重要であると考えます。 本県では、病床数がステージ3の指標の一つとする使用率25%以上に一時的になったことを受け、医療機関が受け入れられる病床数を、これまで456床でありましたが、先週555床まで増床したとのことです。 また、宿泊施設222室、これまでの1日の最大入院者数136人と数字が示されていますが、医療の人的な対応や、病院の割り振りなど課題も多くあると考えられますが、その所見について伺います。 自宅療養者について伺います。 全国で新型コロナウイルス感染拡大初期は、指定感染症の2類相当として扱われているので、基本的に入院が主でしたが、多数を占める無症状や軽症者であれば、ホテルなどの宿泊療養施設の利用が認められ、自治体は宿泊療養施設の利用を優先してきたものの、感染拡大第3波で宿泊施設確保が追いつかなくなり、全国で自宅療養者が急増いたしました。 中には自宅療養中に死亡する残念な事例がありましたが、我が県では宿泊療養施設に受け入れることができますが、子供や家族の事情で自宅療養せざるを得ない方や、家族全員が濃厚接触者になれば、無理に隔離をせず、自宅療養でよいのではないかと考えます。 保健所は、連絡先リストを作り、それぞれの健康状態を毎日一、二回電話やスマートフォンで確認し、発熱、せき、息苦しさから異変を察知し、入院に切り替えることや、治療や服薬情報を確認し、薬や食事の配達を手配することもあると伺います。 なるべく個々の家庭環境を配慮した上で、自宅療養も柔軟に対応すべきと考えますが、所見を伺います。 経済支援について伺います。 新型コロナウイルス感染症拡大により、全国では10都府県が緊急事態宣言の対象地域となり、飲食店に対する20時までの営業時短要請やテレワークによる出勤者削減、不要不急の外出自粛などが一部の府県で既に解除されていますが、3月7日まで要請されています。 現在は感染拡大も減少傾向になっておりますが、本県でも警報が発令され、他県との往来を控えることや飲食を控えることなど、飲食を中心に経済活動の自粛による影響が出ています。 緊急事態宣言を発出している地域では、飲食店で時短営業に協力をするお店には1日6万円の支援金などの補償がありますが、本県にはありません。飲食店の経営者からは、緊急事態宣言を出して補償してもらったほうがいいという声も多数あります。 令和3年度予算で、事業継続支援金1社20万円の予算計上もありますが、県民の自粛影響が大きいため、20万円では足りないのではないかと考えますが、飲食店の事業継続に向けた県の対応方針について伺います。 次に、融資制度について伺います。 コロナ融資支援策として、政府系金融機関や民間金融機関による実質無利子・無担保融資が整備され、この支援の効果もあり、法人向け貸出残高は40兆円に上り、ここ20年における最大の伸び率であると言われています。 今後も企業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けることが想定され、緩和策も打ち出されていますが、特別貸出しはもともと健全であった個人事業主や法人を助けるための支援制度で、返済能力の高い方にお金を貸したいという考えの融資であり、新型コロナウイルスが流行する前から業績が悪い企業や経営立て直し途中の事業者などには、融資を受けられない企業もあります。 企業の自然淘汰は必然なことだと考えますが、新型コロナウイルスの影響を受け、とどめを刺されるような形で不幸な廃業は減らすべきだというふうに考えます。 また、再チャレンジする環境づくりも重要であると考えます。様々な問題を抱えている企業であっても、新型コロナウイルス感染収束後に返済できる計画がある企業には、たとえ条件変更や原則融資を受けられない代位弁済履行中であっても、融資を受けられるように施策を変える必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 テレワークについて伺います。 新型コロナウイルス感染症により、テレワークによる働き方が推奨されていますが、中には家で仕事がしにくい環境などが原因で、仕事を辞めてしまう人が多くいると聞いており、個々の働き方の難しさが露呈しています。 無理にテレワークを進めることは、かえって働き方の自由を阻害することになると考えますが、知事の所見を伺うとともに、今後の県の取組方針について伺います。 次に、農業施策について伺います。 農業は、農作物を作ると同時に、売る出口戦略をつくることが農家所得を高めることにつながると考えます。 本県産米については、全国一の産出額であり、輸出計画量が9年連続で全国1位となるなど、県内外の企業が販売に力を入れ、実績も上げています。 一方、園芸品目の生産額を上げていき、園芸振興基本戦略で定めた目標を達成するためにも、出口のマーケティングに力を入れるべきだと考えます。そのためには、米のように園芸農産物を販売する企業を育てていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、雪害について伺います。 今年は、豪雪に見舞われ、県民の生活に大きな影響を与えました。また、除雪費がかさみ、県財政への影響もあったと承知をしております。 農業面においても豪雪によるハウス破損被害が多数出ており、また桃やリンゴ、梨など果樹の枝折れ被害、近年にない被害状況が雪解けとともに明らかになってきています。 昨年からの新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けた農業従事者もおり、私の地元の若手の農家は切り花の作付をやめ、別の仕事に切り替えた人もいます。農林水産省の次期作支援も二転三転し、さらにこの豪雪を受け、農業をやめてしまう人が増えないようにすることが重要であると考えます。 この雪害支援においては国の支援策が示され、ハウス再建には、国から最大3割、県から1割、市町村から1割が上乗せされる制度となっており、さらに農業共済を合わせると農家負担が少なく、また修繕費用の資材費補助もあり、現場に即した対応を評価いたします。 これから春の農作業に間に合うように、早急に復旧の後押しをすることが、離農抑制対策につながると考えますが、知事の所見を伺います。 収入保険についてです。 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた農業従事者支援策として、昨年、収入保険加入加速化事業を進めてきましたが、さらに今年、強風や豪雪の被害など自然の影響を受け、所得が下がることがあるので、多くの方に収入保険に加入してもらう必要があると考えます。 私の地元の農家からも、やはり収入保険に入ったほうがいいというふうに考えが変わったと多く聞くようになりました。 収入保険は農業を営む上で重要なものであるため、昨年の加速化事業の効果を伺うとともに、今後の取組について伺います。 次に、園芸のマーケティングについてです。 令和3年度予算に、新潟食の魅力産地イメージ向上事業として、枝豆、ルレクチエを牽引役として首都圏での本県の食の魅力を発信する事業があります。本県の内向きなプロモーションを外に向けることは重要なことであり、ルレクチエを県内のお歳暮用に使うだけでなく、首都圏に向けたインターネット販売や店頭に並べることが重要であると考えます。 知事が東京の百貨店でPRしている姿を本県のニュースで流すよりも、花角知事が小池東京都知事を訪問し、首都圏で放送されるほうが首都圏での新潟県の食のPRにつながると考えますが、本県のルレクチエ、枝豆の首都圏認知度はどの程度なのかを伺うとともに、どのようにマーケティングを進めていくのか伺います。 オンライン販売強化について伺います。 新型コロナウイルス感染拡大により、非接触型のオンライン販売が増加をしています。従来の卸売市場流通が減少し、産直農産品が増えているとともに、道の駅に併設された直売所など、加工食品メーカーが提携する契約農場も増加しているとのことであります。 今後は、卸売市場流通と産直農産品による競争が始まるとも言われており、産直農産品は小売や外食チェーン、加工食品メーカーなどにより取り決められた価格となるため、相場の影響を受けず、販売価格を安定化させるメリットがあります。 また、鮮度の高さや市場に流通しない珍しい食材の提供に加え、農薬や化学肥料を使用しないオーガニック需要も増えており、今後の増加が見込まれています。 令和3年度も新型コロナウイルス感染症の影響を受けることが想定されるため、オンライン販売を中心とした県産農産品の販売額増加につなげる施策を強化すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 全国では、果樹から毎年大量に発生する剪定枝の処理に苦慮している現状があります。私も議会で何度か剪定枝について質問させていただき、答弁もいただいておりますが、全体としては課題解決に至っていない状況であります。 全国では様々な取組が進んでおり、リンゴの産地として有名な青森県は、津軽バイオマスエナジー平川発電所設置により、地元で雇用したスタッフが燃料チップの製造と発電所の運転管理に当たり、間伐材を含めた加工や運搬、発電所に隣接するビニールハウスではミニトマトも生産し、バイオマス発電を中核に80人以上の雇用を生み出しているとのことです。 千葉県においても剪定枝の堆肥化が限界となり、梨の生産が盛んな県内から年間1万トン以上の剪定枝がバイオマス発電所に持ち込まれていることや、本県三条市においても同様の取組がされております。 最初は剪定枝をチップ化し、堆肥にし処理をしていましたが、限界となり、バイオマス発電所の誘致が成功し、現在は剪定枝の9割が燃料として納められています。 新潟東港で全国一のバイオマス発電所建設予定の企業もあることを考えれば、今後果樹の剪定枝を県内広域から集め、チップ化し、バイオマス発電所に燃料として納めることは、剪定枝の処理につながり、CO2削減の観点からも地球温暖化対策になると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、県政の諸課題について伺います。 先般、行財政改革行動計画の取組状況が示されました。前年度と比較して35億円の収支改善に至ったことを評価いたします。 しかし、令和6年度に40億円の臨時的給与削減が終了し、またさらに20億円から30億円程度の収支改善が必要との見通しが示されていることから、さらに70億円程度の削減を想定しなければならない計算となります。 行政サービスの縮小を抑えながら県独自の改革が求められますが、特に人件費の削減、病院事業の一般会計からの繰り出し、県出資法人の縮小・統廃合など、さらに切り詰める余地があると考えます。 今後、令和13年度に向けて、さらなる収支改善に向けて準備を始める必要があると考えますが、令和13年度に向けた知事の所見を伺います。 本県の出資法人についてです。 令和3年度の行財政改革行動計画の取組の一つに、県出資法人の見直しによって3億5,000万円が削減されたことを評価いたします。職員の臨時的給与削減、補助金の削減など、県民に痛みを伴う改革をしていく中で、県出資法人の見直しは県民から見れば必然であると考えます。 しかし、公でしかできない佐渡汽船や鉄道事業など、地域のインフラを守ることは重要であるため、忘れてはなりません。 52ある出資法人の中で環日本海経済研究所、ERINAですけれども、見直しは本県の経済の寄与度が薄いことや、毎年1億円以上の補助金支出があることを考えれば、見直すことは重要であると考えます。 また、県が点検評価の対象としている出資法人への年間27億円の補助金を削減することは、本県の財政を立て直す上で重要なことであり、今後さらなる削減が求められますが、どの程度削減が見込まれるかを伺います。 また、行財政改革の取組で組織の見直し等により220人の定員削減を行い、時間外勤務の縮減と併せて令和3年度の人件費で8億円削減としていますが、今後さらに定員を削減していく方針なのか、知事の所見を伺います。 成長産業について伺います。 国は、産業の成長戦略として自動車や航空機産業、次世代エネルギーに力を入れてきましたが、菅政権が掲げる2050年カーボンニュートラルへの挑戦を経済と環境の好循環につなげることとし、水素産業や電気自動車、DX、家庭・オフィス関連産業などを幅広く成長産業にするべく、予算や規制改革、国際連携などあらゆる政策を盛り込んだ実行計画を示しています。 本県も遅れることなく、原発に頼らないグリーンエネルギー関連産業の創出など、本県産業の大きな柱をつくっていく必要があると考えます。 本県の令和3年度予算については、DXや水素拠点化推進協議会の開催など、早期に着手していることは評価いたしますが、大手企業の脱炭素関連への大型投資が加速しているとも報道されています。 本県から、積極的に投資検討している企業に情報を提供するなど、県内企業の脱炭素化効果が高い生産設備の投資促進や、大手企業の誘致を積極的に進めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 成長産業の一つに位置づけられる医療機器の産業推進が重要と考えますが、このたびの新型コロナウイルス感染症の影響を受けた際に、マスクやガウンなどの医療備品が不足したことや、新型コロナウイルスのワクチンの開発が国際的にも遅れていることなど、課題が露呈しています。 このような状況を踏まえ、改めて医療機器産業を本県の成長産業と定め、ものづくりが盛んな本県の強みを生かし、医療機器産業への参入促進や、世界シェアの大きいアメリカやドイツなど、外国医療メーカーを含めた企業誘致を進めることが本県産業の振興につながると考えますが、知事の所見を伺います。 全国で様々な企業がワクチン開発やPCR検査機器など、新型コロナウイルス感染症に関連する開発を進めているところです。大阪では、大阪府、大阪市、大阪大学、大阪府立大学、病院機構などで進める新型コロナウイルス予防ワクチン開発が進んでおり、既に臨床試験が開始され、今後、2022年までに500人を目標とした臨床試験が進むと報道されています。 我が国では、海外メーカーからワクチンを購入することとなっていますが、国産ワクチン開発は、今後の感染症を見据えた上で重要な取組であると考えます。 燕市のツインバード工業においては、ファイザーのワクチンの超冷温での保管が必要とされ、評価が高まっているなど、日本の危機的な感染症対策に貢献する企業を増やし、今後も新型コロナウイルスなどの感染症対策に貢献する企業を支援することが重要と考えますが、知事の所見を伺います。 経済的に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、景気が停滞をしておりますが、投資先である上場企業に資金が流れていることや、年金機構など機関投資家が社会や環境に配慮しているESG投資を増やし、株価形成にも影響を及ぼす兆しが出ていることなど、アイデア次第で資金が集まりやすい状況になってきていると報道されています。 本県には39の上場企業がありますが、近年ではスノーピークが目新しく、全国ではベンチャー企業の上場も増えている中、本県は後れを取っているのではないかと考えます。 また、上場企業は利益率、平均年収も高いことから考えますと、本県に上場企業を増やしていくことは、県民所得を高めることにつながると考えます。 今後、成長産業やベンチャー企業の上場に向けて、県としても支援すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 国では、新型コロナウイルス感染症により、オンライン診療が時限的措置として認められ、診察から薬剤の受け取りまでをオンラインで完結させる仕組みを構築するとされています。 今後、オンライン診療は安全性と信頼性をベースに、初診も含め原則解禁と示されていますが、現場では対面診療を行わないことによる疾患の見逃しや、重症化のリスクなどの課題もあると指摘されています。 しかし、本県の医師不足状況や過疎地域などを抱える本県にとって、メリットも大きいことを考えれば、積極的に進めるべきと考えます。 本県では「ヘルスケアICT立県」実現プロジェクトを進めていますが、県内でのオンライン診療を後押しするため、初診や月に1度の対面診療などの指針を、県で示す検討会を立ち上げてみてはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。 オンライン診療は全体の6割が東京、大阪、愛知など、大都市圏で多いと言われ、保険適用ではありますが、全ての症状、病気でオンライン診療を受けるのは難しく、現在、糖尿病、高血圧などの生活習慣病が主になっていることや、なりすましや初診に対する課題もあります。 ICT化や服薬配達、セカンドオピニオンなどのメリットも多数あり、規制緩和により今後成長する産業とも言われています。 全国では多数のベンチャー企業がシステムや機器の開発に取り組んでいます。本県にオンライン診療ベンチャー検討会議のようなものをつくり、興味ある企業を全国に周知し、また医療従事者、IT企業、法律家など関係者を集め、システムや機器の開発を後押しするような新潟県発の取組をいち早く進めるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、コスト削減についてですが、行財政改革行動計画に基づき、令和5年度までの収入支出の均衡や基金の確保を目標とし、年間160億円の収支改革が必要とされています。 DXを駆使して業務の効率化を進めていくことにより、一般事務経費削減が図られるのではないかと考えます。 令和3年度予算に公文書管理システム開発費として1億円が計上されていますが、どの程度コスト削減につながるのか伺うとともに、県庁の内部管理経費については、例えば総務事務センター予算4億円が計上されております。さらなるシステム強化と外部委託によりコスト削減が可能ではないかと考えますが、一般事務経費削減に資する今後の取組について所見を伺います。 マイナンバーカードについてです。 総務省が公表した2月1日現在のマイナンバーカードの取得状況によりますと、本県は19%と高知県の17.9%に次いで全国2番目に低い状況であり、全国平均25.2%を上回っているのは出雲崎町、湯沢町、刈羽村、粟島浦村の4町村にすぎません。 本県で取得が進まない現状や要因について認識を伺うとともに、県としても市町村に対し土日の交付を働きかけるなど、積極的に対応すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、本人確認についてですが、政府は子育て支援や介護保険など、市町村が窓口となる住民向け行政サービスについて、全自治体でマイナンバーカードによるオンライン申請を可能にすると示されており、利便性向上を急いでいますが、押印の廃止などIT化に向けた取組も進んでいます。 しかし、様々な行政手続の中には、本人確認をしっかりとしなければ不正などにつながる場合もあると考えます。現在は、運転免許証や保険証などで本人確認をしていると承知していますが、IT化の推進により、マイナンバーカードを活用することも手法の一つであると考えます。 県でも行政手続オンライン化に取り組むとし、新年度予算案に盛り込まれていますが、本県の行政手続の本人確認について、今後どのように行っていく方針なのか伺います。 河川改修について伺います。 国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策は、近年の豪雨災害を考えれば重要な予算であると考えます。特に河川においては、毎年全国各地で水害被害が発生しており、昨年も信濃川流域における被害が起こり、大河津分水路の拡幅工事は早期に進めることが重要であると考えます。 広大な県土の本県においては、1級河川総延長は全国第3位であり、県が管理しているのは4,922キロであります。河川改修率はいまだ約50%にとどまっており、なるべく早い整備の完成に近づけることが求められています。 河川工事は大きな予算が必要とされますが、県民の命と暮らしを守る上で欠かせない予算となっています。今後、信濃川、阿賀野川を中心に支流の整備も進めていくと聞いていますが、令和3年度の河川予算に対する知事の所見を伺います。 また、中ノ口川の流量を管理する中ノ口川水門の操作規則における分派量については、現状の480トンから400トンに下げることが求められています。この分派量の見直しには、信濃川本川と支川の工事が終わるまで下げられないと聞いていますが、現在の進捗と操作規則の見直し時期について所見を伺い、質問を終わります。大変どうもありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 笠原議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、警報発令の県経済への影響等についてでありますが、昨年の警報発令に伴う影響について、現段階で定量的に把握することは困難でありますけれども、飲み会、食事会を控える動き等により、飲食業を中心に年末年始の需要を喪失したほか、一部の製造業などにおいても首都圏等との往来が控えられたことにより、営業活動に支障が出るなど、幅広い産業に影響が及んでいると認識しています。 県の警報発令に当たっては、県民が適切な行動を取れるよう、より丁寧な説明に努めるとともに、警報等の基準の在り方については、現在の第3波の感染状況が落ち着いた後に、専門家の意見を伺って検討してまいります。 次に、屋外のイベントや祭りなどの開催判断等についてでありますけれども、議員御指摘のとおり、不特定多数の人が出入りするイベントでは感染防止対策が難しく、感染者発生時の接触者等の追跡も困難であることから、国のガイドラインでは、参加者の把握が困難なものについては中止を含めて開催を慎重に検討するとの基準が示されており、県において、国以上に具体的なガイドラインを示すことは困難であると考えています。 なお、主催者の責任に関し、仮定に基づき一般論として県から言及することはできませんけれども、新型コロナウイルス感染症は、感染防止対策を講じたとしても完全に感染を防止するのは困難な場合もあるため、イベント等の開催に当たっては慎重な判断が必要になるものと考えております。 次に、飲食店の事業継続に向けた県の対応方針についてでありますが、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、本県においても、昨年の警報発令に伴う外出自粛等により、飲食業は忘年会、新年会等の需要を喪失し、特に厳しい状況に置かれていると思います。 このため、県といたしましては、飲食事業者の事業継続に向けた支援金の支給や新たなチャレンジへの支援などについて本議会にお諮りしたところであり、飲食事業者への支援については、3月中を目途に受付を開始できるよう、準備を進めているところです。 次に、新たな融資に対する弾力的な対応についてでありますが、県信用保証協会によりますと、代位弁済による債務を返済中の事業者に対しては、原則として保証を行っていないものの、金融機関や中小企業再生支援協議会等が支援した事業者については、新たな融資が受けられるよう保証を行っていると聞いています。 県といたしましては、厳しい経営状況に置かれた事業者を下支えするため、協会に対して事業者の実情に応じた弾力的な対応を要請してきたところですが、一方で、事業者の経営状況や返済能力を踏まえた個別の保証の諾否については、高い専門性を要するほか、公的機関としての透明性、公平性の確保の観点から協会が判断していくものと考えています。 次に、テレワークに対する所見と県の取組方針についてでありますけれども、テレワークは、新型コロナウイルス感染症対策や、仕事と育児・介護の両立など働き方改革の観点からは有効である一方、従業員からは、コミュニケーションが取りにくい、作業環境が整っておらず仕事に集中しづらい、労働時間の管理が難しいなどの課題も指摘されているところであります。 このため、単にテレワークを推進すること自体を目的とするのではなく、適切な労務管理の下、労働者が安心して働くことができる形での良質なテレワークを普及促進していく必要があると考えています。 県といたしましては、優良事例の周知や、それぞれの企業の状況に応じた丁寧な支援を行うことで、適切な労務管理の下での良質なテレワークの普及に取り組んでまいります。 次に、農業施策についてお答えいたします。 まず、園芸農産物の販売企業育成についてでありますが、農産物の販売は、JAや卸売市場を通じた流通ルートのほか、直売所や通販サイト等、販路がますます多様化する中で、地元の状況を熟知した販売企業の育成は、意義のある取組であると考えています。 このため、起業・創業を目指す方や県内の販売企業に対して、関係部局間で連携を図りながら、広く起業に関連する事業や販売支援に関する事業を紹介し、活用を促すなど、販売企業の育成を支援してまいります。 次に、強風や豪雪で被害を受けた農業者への支援についてでありますが、この冬は度重なる強風や豪雪により、本県農業に大きな被害が発生したことから、農業者の生産意欲が低下しないよう、来県された野上農林水産大臣に支援策の早期実施を要望し、農林水産省からは被災施設などの再建等に対して、速やかに支援策を講じていただいたところです。 また、県といたしましても、相談窓口の設置や低利資金の創設に加え、国の支援策と併せ、農業用ハウスの再建等を支援するための予算を今定例会にお諮りすることとしております。 被災された農業者の皆様が、国や県の支援策を最大限活用し、今回の雪害を乗り越え、意欲を持って経営を再開・継続できるよう、春作業の開始に向け、スピード感を持って農業者をサポートしてまいりたいと考えております。 次に、園芸品目の首都圏での認知度及び産地イメージ向上の推進についてでありますが、県産枝豆及びルレクチエの認知度はそれぞれ2割から3割程度であり、近年上昇傾向にあるものの、他県産ブランド品目と比較し、まだ大きな差があると考えております。 一方、品質や食味のよさでは、首都圏をはじめ流通事業者等から高い評価を得ております。このため、高い評価の根底にある栽培管理などの技術力や、安全・安心につながる生産者への信頼などを、本県の他の優れた農産品についても認知していただけるよう、首都圏等でのプロモーションに当たっては、枝豆、ルレクチエの個別品目だけではなく、新潟の食の魅力全体を発信できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、オンライン販売を中心とした県産農産物の販売強化についてでありますが、議員御指摘のとおり、オンラインによる農産物販売は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた新しい生活様式として定着する中、県内外の消費者に生産者のこだわりや農産物の魅力を直接伝え、新潟産品のファン獲得にも寄与するなど、効果的な販売ルートであると考えております。 このため、県といたしましては、外部専門家によるオンライン販売に関するセミナー開催や、オンライン販売事業者等とのマッチングの場の提供などを通じて、生産者の多様な販路の確保に向けた取組を支援してまいりたいと考えております。 次に、果樹剪定枝のバイオマス発電利用についてでありますが、議員御指摘のとおり、果樹剪定枝をバイオマス発電の燃料に活用することは、本県が目指す脱炭素社会の構築にもつながる、時代に即した取組であると考えます。 一方で、こうした取組を有効に実現するためには、関係事業者の採算性の確保が図られる、持続可能な事業計画が必要であると考えております。 このような課題も踏まえながら、県といたしましては、取組を志向する事業者からの相談に対応してまいります。 また、循環型農業の観点から、剪定枝を炭化して土壌に還元する取組なども推進してまいりたいと考えています。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、今後のさらなる収支改善についてでありますが、令和13年度の公債費の実負担額のピークに向けて、まずは県としてこれまでの取組に加え、早期に議員御指摘のとおり行財政改革行動計画で定めた歳出歳入改革の各項目のさらなる見直しを進め、令和5年度までの行動計画の期間内を一つの目途として取り組んでまいりたいと考えています。 また、新型コロナウイルスの影響等により大幅な税収減が見込まれており、制約の多い地方財政制度の中で、地方がそれぞれの地域の実情を踏まえた必要な施策を展開していくためには、地方交付税制度がその本来の機能である財源保障の役割を果たすことが不可欠であることから、今後もしっかりと地方一般財源総額の確保・充実がなされるよう国に働きかけてまいります。 次に、今後の定員削減についてでありますが、定員管理に当たっては、業務量に応じた人員配置により、適正化を図っていくことが重要であると考えています。 令和3年度につきましては、組織の統廃合等により定員を削減する一方で、新型コロナウイルス感染症への対応や児童相談所の体制強化など、新たな行政需要に的確に対応するための人員を確保することとしております。 今後も、行財政改革行動計画にも掲げたとおり、簡素で効率的な行政体制の構築を図るため、組織体制の見直しを行っていくほか、業務の廃止、外部委託や民営化の推進、ICTの活用など、業務の効率化・スリム化を積極的に進めながら、適正な定員管理に努めてまいります。 次に、脱炭素による県内産業の活性化についてでありますが、議員御指摘のとおり、加速する脱炭素化の動きを取り込んで、県内産業の活性化につなげていくことが重要であると考えています。 県といたしましては、再生可能・次世代エネルギー関連産業の振興を図るため、県内企業による再生可能エネルギーや、水素関連産業への参入支援を進めるとともに、脱炭素に向けた設備導入等を支援する新たな制度融資を創設することとしております。 さらに、脱炭素化関連の企業を誘致することで、県内企業との取引の促進にもつながることから、今後、国のグリーン成長戦略が進められる中、関連する企業の誘致に積極的に取り組んでまいります。 次に、医療機器産業の振興についてでありますが、県では、総合計画において医療機器産業を成長産業と位置づけ、医療現場と県内企業とのマッチングによる医工連携を促進するとともに、専門家派遣や試作開発支援等を行っているところです。 今回の新型コロナウイルス感染拡大を契機に、医療備品等の国内調達の重要性がさらに高まっており、国内外の社会情勢や市場の動向等も踏まえながら、引き続き県内企業の医療機器産業への参入をしっかりと後押ししてまいります。 また、県では、これまでも国内外の医療メーカーに誘致を働きかけてまいりましたが、医療分野は今後、市場拡大が期待され、誘致企業と県内企業との取引などを通じて本県産業の振興につながると考えられることから、より一層誘致に積極的に取り組んでまいります。 次に、感染症対策製品の開発を行う企業への支援についてでありますが、県内企業においても、新型コロナウイルスのワクチン輸送製品や感染検査キット、新しい生活様式に対応した新商品など、独自の技術を生かした開発が数多く進められているものと承知しています。 こうした中、県では、県内企業が取り組む防護衣料等の試作開発を支援するとともに、今年度末までに、製品開発に必要な検査機器等を工業技術総合研究所に整備する予定としております。 新年度におきましても、感染防止等、医療現場の多様なニーズを踏まえた付加価値の高い製品開発を支援するなど、感染症対策に資する県内企業の取組を後押ししてまいりたいと考えております。 次に、株式の上場に向けた支援についてでありますが、株式の上場は、資金調達力や信用力を高めるなど企業価値の向上につながる一方で、経営の自由度の低下や事務負担の発生など懸念もあるため、各企業が経営戦略の中で判断すべきものと考えています。 県といたしましては、NICOとも連携しながら、ベンチャー企業等の成長に応じた経営課題の解決を図るとともに、意欲ある企業の挑戦や成長分野への進出を支援することで、県経済の発展に貢献する企業の輩出に取り組んでまいります。 また、株式の上場を具体的に希望する企業には、その支援過程において、NICOに加え、金融機関やベンチャーキャピタルなどとも連携しながら、上場に向けた後押しを行ってまいります。 次に、オンライン診療に係る指針の検討についてでありますが、現在、国において、時限的・特例的に認められている初診からのオンライン診療の恒久化が検討されており、本年6月を目途に取りまとめが行われ、秋にはオンライン診療の適切な実施に関する指針が改正される予定であると承知しております。 この検討の中で、議員御指摘の対面診療の必要性等に関して、安全性・信頼性を確保する観点から議論が行われていると聞いております。 県といたしましては、国における検討結果を踏まえ、県医師会等と連携・協力しながら、医療機関からオンライン診療に積極的に取り組んでもらえるよう、普及に向けた取組を進めてまいりたいと考えています。 次に、オンライン診療に関するシステム等の開発支援についてでありますが、今回の新型コロナウイルス感染拡大により、非接触による受診が可能となるオンライン診療への企業の関心が高まっています。 県では今年度、5Gを活用して周産期医療を支援するオンライン診療のシステム開発に、県内企業と医療機関が共同で取り組む実証事業を支援するとともに、県内企業と医療機関とのマッチング等にも取り組んでおります。 今後も引き続き、オンライン診療を含め、医療分野における新たなビジネスの創出に向けたチャレンジを支援してまいりたいと考えております。 次に、本県におけるマイナンバーカードの取得状況と対応についてでありますが、本県における取得率は、国のマイナポイント事業等を背景に伸びてきているところですけれども、議員御指摘のとおり、全国との比較の中では、依然として低い状況にあります。 カードの取得率向上には、住民への働きかけやカードを申請しやすい環境づくりが重要であると認識しておりますが、本県では、他県との比較で、そのような取組が弱かったのではないかと考えています。 このため、県といたしましては、多くの県民の皆様にカードを取得していただけるよう、議員御指摘の土日の交付や、出張申請受付などの取得促進に向けた取組を、市町村と一体となって、より一層積極的に行ってまいります。 次に、河川改修予算についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県の河川改修率はいまだ約54%であり、近年の豪雨災害が激甚化・頻発化していることを踏まえ、県民の安全と安心を守るためには、今後も河川改修を着実に進めていくことが重要と考えています。 令和3年度予算編成においては、国の5か年加速化対策など地方財政措置の手厚い有利な財源の活用により将来への負担を抑制しつつ、必要な事業量を確保したところであります。 県といたしましては、今後も着実な河川改修率の向上により県民の安全と安心の確保に努めてまいります。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) 1点お答え申し上げます。 行政手続の本人確認についてでありますが、行政手続のオンライン化に当たっては、県民等の利便性向上の観点から、本人確認を要する手続もオンラインで対応できる手法を確保する必要があると認識しております。 その際、オンライン化される各行政手続の内容や個人情報の取扱いの有無などに応じ、本人確認の必要性やどの程度の信頼性を担保するかも異なるものと考えられます。このため、行政手続オンライン化構想の策定に際しては、議員御提案のように、マイナンバーカードの活用も含め、手続の特性や利用者の利便性にも配慮しつつ、それぞれの手続に見合った本人確認が行えるようしっかり検討してまいります。   〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕 ◎総務管理部長(笠鳥公一君) 2点についてお答えをいたします。 県出資法人に対する補助金の見直しについてでありますが、出資法人の見直しにおいては、設立当初の目的が既に達成されている法人や、自主性・自立性を高めていくべき法人などについて、県の関与を縮小するなど、社会情勢の変化に応じた適切な対応となるよう、見直しを進めているところです。 また、出資法人に対する補助金についても、毎年度の予算編成において、事業の必要性や効果を検証し、見直しを行ってきており、今後も、法人を取り巻く様々な状況変化を踏まえ、あらかじめ削減目標額を定めることなく、適切な補助となるよう、着実に見直しを行ってまいりたいと考えております。 次に、デジタル・トランスフォーメーションの導入によるコスト削減についてでありますが、公文書管理システムにつきましては、文書の作成・取得から起案、決裁、保存等を電子的に処理することにより、作業時間の短縮やペーパーレス化を図るものであり、導入効果を高めるために、財務会計システムとの連動や、より高い操作性の確保など、職員にとって利用しやすいシステムを構築することとしております。 本システムの導入により、将来的には、文書事務のほぼ全てについて電子的に処理することを目指しておりますが、他県の電子決裁率の状況を踏まえ、仮に導入5年後の電子決裁率を50%とした場合、文書事務に要する人件費や、コピー用紙等の消耗品購入経費の削減により、5年間で約3億6,000万円の削減が可能と見込んでおります。 また、その他の県庁の内部管理事務につきましても、引き続き、ICTやAI・RPA等のデジタル・トランスフォーメーションの導入など、コスト削減に資する取組を推進し、業務の効率化に努めてまいります。 なお、議員より例示のございました総務事務センターでは、これまでも全庁的な総務事務の集中化のためのシステムの導入や業務の外部委託などを行い、業務の効率化とコスト削減を図ってきたところでありますが、引き続きシステムの改善などによりコストの削減に努めてまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大時の対応についてでありますが、これまでも、国の推計に基づくピーク時の患者数を上回る病床数等を確保してきたところであり、感染者を受け入れる病院の調整については、医療調整本部内の患者受入調整センターにおいて大きな支障なく実施できているところです。 議員御指摘の感染が爆発的に拡大した場合の病床確保につきましては、首都圏における第3波の感染状況を踏まえ、高齢者施設などでクラスターが同時に複数発生した際は、現在の想定を超える患者数を受け入れる必要があることに加え、速やかに寝たきりの高齢者を受け入れる病床も確保していく必要があることから、今般、受入れ病床を456床から555床に増床して医療提供体制の強化を図ったところです。 次に、自宅療養についてでありますが、本県においては、患者の年齢や重症度等にかかわらず、原則として、入院または宿泊療養施設で療養することとしておりますが、医師が入院の必要がないと症状等から総合的に判断した患者については自宅療養を行っているところです。 県といたしましては、議員御指摘のとおり、自宅療養も含め患者の療養が安心して行えるよう、引き続き取り組んでまいります。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 収入保険加入加速化事業についてでありますが、県では、新型コロナウイルスの影響下においても、農業者が安定的な収入を確保できるよう、収入保険加入加速化事業を活用し、県農業共済組合連合会など関係機関と連携して、販売先との取引停止や価格下落等による損失も補填できる収入保険への加入を推進してまいりました。 この結果、本事業実施前の昨年9月末時点では847件であった加入者数が、本事業の活用により約1,000件増加しており、事業の効果が現れていると受け止めております。 新型コロナウイルスの影響が継続し、農産物の販売の先行きが不透明な中、今冬の暴風雪などの気象災害が頻発していることからも、県といたしましては、引き続き関係機関と連携し、加入者のさらなる増加につなげてまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 中ノ口川水門の操作規則の見直しについてでありますが、議員御指摘のとおり、操作規則による分派量の見直しには、信濃川とその支川の整備が必要となります。 県管理の支川については、平成30年度に加茂川の整備が完了しており、来年度には下条川も完了する見込みとなっております。 また、分派量の見直しに必要な信濃川の水位低減のための河川改修については、国において戸石地区、横場新田地区等の河道掘削が進められております。 今後、これら整備の進捗状況を踏まえながら、段階的な分派量低減に向けて国と調整してまいります。 ○議長(桜井甚一君) 笠原義宗君の質問は終わりました。 次に、樋口秀敏君の発言を許します。樋口秀敏君。   〔樋口秀敏君登壇〕(拍手) ◆樋口秀敏君 未来にいがたの樋口秀敏です。通告に従い、順次質問いたします。 初めに、地域振興局体制の見直しについて伺います。 まず、地域振興局体制を見直すに当たり、県の職場がどのような職場であるべきと考えられるのか、知事の考えを伺いたいと思います。 今回のコロナ禍で医療・保健体制の脆弱性が明らかとなりました。感染者の多い首都圏などでは、医療体制が逼迫し、自宅療養中に亡くなる人がいました。 また、年末年始の豪雪で、公共交通機関を安全に運行するだけの体制が失われていることにも気づかされました。鉄道各社は、安全のためと、早々に計画運休を決定しました。1970年代までは、国鉄が止まるのは春闘のストライキのときぐらいでした。なぜこのような社会になってしまったのでしょうか。 1980年代の中曽根政権以降、自由民主党政権の下で進められた新自由主義政策によってつくられてきたと言っても過言ではないと思います。1987年の国鉄分割民営化に象徴される三公社五現業の民営化、行政改革による人減らしなどによるものです。 1986年に施行された労働者派遣法は、対象業務を拡大し、2004年には製造業も対象とした結果、現在では非正規労働者が2,000万人を超え、全労働者の4割を占めるまでになりました。新自由主義政策により、雇用においても効率が最優先されてきた結果です。 今回のコロナ禍は、人を大切にしない雇用、社会から人を大切にする雇用、社会へと変わるチャンスだと思います。 知事は、効率優先の雇用をどのように評価し、今後の働き方はどのようにあるべきと考えるのか、所見を伺います。 地方公共団体においても人員削減や各種合理化が進められてきました。2005年度からの5年間に進められた集中改革プランによる定員適正化や民間委託などにより、職員数は大幅に減少しました。 総務省の調査によれば、地方公共団体の職員総数は、2020年4月1日時点で、ピークだった1994年の328万人から52万人も少ない276万人にまで減少しました。一方、臨時・非常勤職員は増加し、2016年4月1日現在で64万人に上っています。 新潟県においても、2000年以降だけでも知事部局で2,051人、27%の人員が削減されてきました。住んでよし、訪れてよしの新潟県とするためにも、全国に先駆けて人とその労働を大切にする自治体として、効率優先の人事政策から人員増へと転換すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。 2019年9月の総務文教委員会の要望意見に対する処理状況報告では、地域振興局は災害時における現場での迅速な対応を含め、県民に身近なところで県の行政サービスを担う地域機関であり、地域のニーズに応えられるよう組織体制の在り方について検討していくとされています。 見直し案を見た職員からは、管轄区域が広がり、地域特性に応じた事業が実施できなくなる、県民から行政窓口が遠くなるなどの意見が聞こえてきています。 見直し案の地域振興局体制は、危機管理を含めた地域ニーズに応えられる体制となっていると考えるのか、認識を伺います。 12月定例会において、知事は提案理由説明の中で、地域振興局体制の見直しに関して、市町村合併が大きく進展し、市町村の規模・能力が拡大したと述べています。 県内の市町村は、2001年からの合併でその数は112から30となり、面積としての規模は拡大しましたが、その一方で職員数は前述のとおり大幅に減少しました。 知事は合併により市町村の能力がどのように拡大したと認識しているか伺います。 地域振興局の職員からは、最低限の人員配置で感染症をはじめとする危機管理を担う組織体制としての不十分さを感じる、災害や今回の新型コロナウイルスのような突発事態への対応能力がなくなっているなど、災害対応をはじめとする県民サービスの提供に足りる人員体制となっているのかを危惧する声も聞かれます。 今後、地域振興局体制の見直しを進めていく上で、職員の意見を聞き、その意見を踏まえ、人員体制を改善していく考えはあるのか、お伺いをいたします。 地域振興局体制の見直しは、市町村の業務にも大きく影響いたします。見直しに当たり、市町村や関係団体の意見を聞いてきたと承知していますが、どのような意見があり、どのように調整が行われてきたのか。その結果、市町村等は了解をしているのか、お伺いをいたします。 先日、新型コロナウイルス感染症対策に取り組む県の保健所をニュースで取り上げていました。体制整備が大きな課題と報じていましたが、インタビューに応じた職員は、職員が不足しているからとすぐに増やすのはなかなか難しい、県財政が厳しいものがあると認識している、工夫できるところは工夫して、早めに網をかけて地域の感染拡大を防止すると答えていました。職員を増やしてほしいと思いながらも言えなかったのではないかと思いながら聞いておりました。 こうした中、政府は感染症対応を専門で担当する保健師を2022年度までに900人増員して、現在の1.5倍に当たる2,700人にするとしています。県民の感染を防止するとともに、職員の負担を軽減するためにも、一日も早い増員が求められますが、県は地域振興局体制を見直す中で、具体的にどのように増員していく考えか、お伺いをいたします。 次に、柏崎刈羽原子力発電所について伺います。 柏崎刈羽原子力発電所の中央制御室に東京電力の職員が不正に入室した問題について、報道によれば、桜井柏崎市長は適格性の審査のやり直しを訴えたとされていることに加え、県技術委員会の中島座長は本質的な安全文化に関わるところだとしています。 今後、技術委員会で原子力規制委員会による適格性の判断について確認するとしていますが、県民の信頼を得るためにも、原子力規制委員会に改めて適格性の判断を知事から求めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 2月12日の県技術委員会で、委員からセキュリティーを盾に情報公開しないことが多々あると指摘がありました。県民の信頼を得、安全を確保するためにも情報公開は最も重要であり、核物質防護に関する秘密保持義務が法律で定められているとしても、不正入室の事実の概要を立地自治体に報告するよう東京電力に求めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、今後のセキュリティーと情報公開の在り方について、改めて東京電力との間でルール化を図るべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 県は、1月26日に積雪時の原発事故を想定した避難訓練を実施しました。地元紙では、大雪の中で事故が起きたら逃げられない、雪と強風で陸、海、空どこからも逃げられないと報じられています。 県議会では、積雪時の避難のためにも道路整備を進めるべきとの発言もありましたが、年末年始の豪雪により高速道路で度々立ち往生が発生し、整備をした道路でも避難は困難であることが実証されたと考えます。 今回の避難訓練と豪雪を受け、大雪時の避難にはどのような備えが必要と考えるのか、知事の所見をお伺いいたします。 中央制御室への不正入室に始まり、完了していたはずの工事が未了だったことなど、東京電力の不祥事が次々と県民の知るところとなり、原発の再稼働に反対の人だけでなく、容認する人たちからも疑念の声が上がっています。 知事も県民の意思を確認するプロセスが必要としており、一般質問の答弁でも、検証結果は広く県民の皆さんと情報共有するとともに、県民の皆さんの評価をいただき、納得いただけるか見極めると述べています。 知事が再稼働の是非を判断する前に、広く県民の声を聴く機会を設けるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、県立病院についてお伺いいたします。 昨年11月に第1回新潟県地域医療構想調整会議が開催をされ、年度内に医療体制の全体構想を取りまとめ、2021年度には二次医療圏ごとの地域医療構想調整会議で個別の病院の再編・統合などの検討を行うこととされたと報道されています。 12月定例会の一般質問への答弁で、基礎自治体等で行われている議論の内容も含めて議論すると答弁がありましたが、私の住む南魚沼市では昨年末に医療対策推進本部を立ち上げ、市が意思決定をしていく中で、南魚沼市における持続可能な医療体制の構築を図るとしています。 基礎自治体や各医療機関がおのおの体制整備を図れば、地域医療構想調整の実現が難しくなります。県がリーダーシップを取って調整を進めるべきと考えますが、今後の県及び各圏域における議論をどのように進めていくのか、具体のスケジュールをお伺いいたします。 新潟県地域医療構想にある基幹的な病院に救急・急性期などの機能を集約し、周辺病院がそのサポートに当たる今後の方向性は、6年前、魚沼地域で行われた医療再編と同じ考え方に立つものと認識をしています。 再編から6年がたち、基幹病院と周辺病院の連携がうまく機能している部分がある反面、南魚沼市において医療体制の再構築が議論をされている実態もあります。 地域医療構想の実現に向けては、魚沼地域における医療再編の検証・総括は不可欠と考えますが、県はその成果と課題をどのように総括してきたのか、お伺いいたします。 2023年度の開院を目指す県央基幹病院は、その機能や規模が魚沼基幹病院と類似をしております。こうしたことから、本議会においても運営主体の是非や、事業計画どおりに看護師を採用できず、病棟がフルオープンできていないことなどが度々議論されてきました。 加えて、超過勤務手当の未払いがあったとして労働基準監督署から是正勧告を受けるなど、教訓とすべきこともありました。 開院から6年を経過した魚沼基幹病院の運営状況は、今後決定される県央基幹病院の診療機能や運営方針に生かされるべきと考えますが、県は魚沼基幹病院の運営状況をどのように検証・総括し、その結果を県央基幹病院にどのように生かしていく考えか伺います。 県央基幹病院は公設民営で、その運営主体は今春決定するとされています。今朝の地元紙でも報道されていましたが、今後の手続の進め方とスケジュールについてお伺いをいたします。 東北自動車道酒田線から山形県立中央病院への退出をはじめ、高速道路から救急病院への救急車退出路が設置されている箇所が複数あります。 県央基幹病院の水害対策が県議会でも議論されてきたところですが、建設位置は北陸自動車道のすぐ脇で、救急車退出路の設置も比較的容易ではないかと考えられます。実現をすれば、病院周辺が冠水した場合でも、2階の救急出入口に救急車が乗り入れることができます。 北陸自動車道三条燕インターチェンジからの高架など、救急車退出路の設置を検討すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 魚沼基幹病院の改定事業計画の見直しについて、企業会計決算審査特別委員会において、知事は、令和2年度の経営収支の実績等を踏まえ、3年後に当たる令和3年3月を目途に適切に検証が開始されるよう指導していくと答弁をされました。現時点での検証についてお伺いをいたします。 魚沼基幹病院が労働基準監督署から是正勧告を受けた件について、知事は12月定例会で、年度内には一定の検証を終わらせるよう作業していると述べております。 事案の発生は開院直後からで、関わってきた病院のトップは既に退職し、病院を運営する魚沼地域医療推進機構の理事でもある県の職員や基幹病院整備室長も交代をしています。 新年度からは基幹病院整備室を含む福祉保健部の体制も再編されるとのことですが、責任の所在を明確にするためにも、現行体制の年度内に確実に検証を終えるべきと考えますが、作業の見通しについてお伺いをいたします。 地元紙の報道では、県立病院事業は県財政を圧迫する要因の一つとなっている、依然として県立病院事業を支えるためにかかる県本体の負担は重いと報じられています。 問題にされているのは一般会計からの繰出金で、2021年度当初予算案では今年度より13億円増の182億円を計上とあります。しかし、実際は国の基準に沿った繰り出しには毎年その5割ほどが交付税措置をされています。このことが報道されていないため、県立病院事業が、実際以上に県財政に悪影響を与えているように県民には伝わっているのではないでしょうか。 病院事業会計を所管する病院局長として、こうした報道をどのように受け止めているのか、お伺いをいたします。 また、県民に誤解を与えない情報提供に努めるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、スキー観光について伺います。 昨日も地元のスキー場の民宿街に行ってきたのですが、新型コロナウイルス感染症のため、本シーズンの営業はお休みをしますという貼り紙のある施設が複数ございました。非常に厳しい状況です。そうした中、観光振興を含めて伺いたいと思います。 スキー場は冬季のみの営業の事業所が多いため、前年比の売上げ減少を要件とする支援措置は申請期限が限られる上、昨シーズンが少雪だったことから、要件に該当しない事業者も存在をいたします。 2月15日で申請が締め切られた家賃支援給付金は、昨年5月から12月までの売上高が、前年同月比で50%または30%以上減少した場合に給付の対象となります。しかし、冬期間のみ営業しているスキー場などでは、対象期間中に売上げがあるのは12月だけの上、一昨年の12月は少雪で売上げが少なかったことから、給付対象となるほどに売上高が減少していません。 こうした事業者を救済するためには、家賃支援給付金や持続化給付金について、制度を見直した上での再開を国に働きかけるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 また、スキー観光は本県における重要な地域資源でもあります。国の支援が受けられない場合には、本県独自の支援策を講ずるべきと考えますが、併せて県の対応を伺います。 県の三密対策支援金は、昨年7月末を申請期限として、感染症防止対策のための衛生設備導入等に支援を行ってまいりました。スキー場やホテルなど冬季観光の営業においても感染防止策が必要とされていることから、12月定例会の産業経済委員会でも取り上げさせてもらいましたが、既に支援金を受けて整備をしているところもあるとして認めてはもらえませんでした。 しかし、1月にスキー場に伺いますと、感染対策はしっかりやっているが、検温に時間がかかり、密になりかねない、一度に多人数を検温できるサーモグラフィーが購入できるといいというお話を聞いたところです。しかし、利用客が減少する中で新たな衛生設備の導入に踏み切れないとも話をされていました。 このような事業者もいることから、観光客に安心して施設を利用してもらうためにも、三密対策支援金の再度の事業化を検討すべきと考えますが、県の対応方針についてお伺いいたします。 南魚沼地域のスキー客は、関東圏からが8割を占めています。湯沢町の過去7シーズンの目的別観光客数調べを確認したところ、少雪だった昨シーズンを除き、毎年200万人以上のスキー客が訪れています。このうち関東圏からの客は、昨シーズンは69%と低めですが、それ以前は75%から83%となっています。 ところが、今シーズンは年末を前にGo To キャンペーンが一時停止され、1月の連休を前に緊急事態宣言の再発令が発表されるなど、そのタイミングも悪く、団体客のほとんどがキャンセルとなりました。その後の宣言延長でさらにキャンセルが増え、スキー観光に携わる事業者は厳しい経営が続いています。 関東圏からの客の減少を補えるよう、県内及び比較的感染が落ち着いている近隣県の住民を対象とした観光誘客の取組や、緊急事態宣言解除後に向けた誘客活動を、昨年実施した県民宿泊割引キャンペーンの総括も生かして検討すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 南魚沼地域のスキー場には、県外の高校などから修学旅行や研修旅行で多数の学校が訪れています。補正予算に教育旅行誘致促進事業が盛り込まれたところですが、新型コロナウイルスの感染収束後には、以前より多くの学校から県内スキー場を利用してもらえるよう、交通の利便性など地域の特色を生かした誘致活動をさらに強化すべきと考えます。 南魚沼は、新幹線駅や高速道路のインターチェンジを降りたところにすぐ街が広がり、スキー場までも数分から数十分で行くことができます。この利便性に、来てみて初めて気づく学校もあるとスキー場関係者の方からもお伺いをしました。 交通アクセスのよさも含めて積極的に誘致活動を行うべきと考えますが、県の方針をお伺いいたします。 次に、農業政策について伺います。 この冬の強風や豪雪で農業用施設にも大きな被害が生じ、南魚沼でもJAの育苗ハウスをはじめ、多くの被害がありました。県では1月23日に農林水産大臣に緊急要望を行ったと承知しているところですが、豪雪地帯においては施設の整備や維持管理への負担から、施設園芸の導入をちゅうちょする農家も多いため、これまでも支援の拡大を求めてきたところです。 今回の豪雪が足かせとなることなく、豪雪地帯においても施設園芸の導入が円滑に進むよう、県として十分な支援を行うべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 園芸作物の振興に関して、12月定例会の連合委員会で、私のマンパワーを含めた県のやる気を見せてほしいという質問に、指摘も踏まえ、産地ごとに指導体制の強化を図っていくと知事は答弁をされました。 園芸振興基本戦略では、指導体制の強化について、県の普及指導員だけではなく、JAの営農指導員やベテラン園芸農家などと連携して指導に当たることとされていますが、JAも合併が進んで区域が広がった一方、人が減り、以前のように細かな指導ができないと聞いております。 普及指導員の増員を含めた県の指導体制強化が必要と考えますが、来年度の指導体制をどのように強化していくのか、お伺いをいたします。 新潟県は、2021年産主食用米の生産目標を、2020年の生産実績59万5,400トンから12.7%、7万5,400トン減となる52万トンと設定いたしました。地元紙の報道でも、コシヒカリよりも非主食用米を作るほうが収入が上がる試算も出ているとして、県は手厚い支援で非主食用米への転換を促しているとされています。 しかし、県版マンスリーレポートによれば、2020年産の一般コシヒカリの契約・販売数量が2019年産米を下回る中、魚沼産コシヒカリは令和元年産米と同程度か上回っております。 低下してきているとはいえ、販売価格が高く、堅調に売れている魚沼コシヒカリの生産地において、どのように主食用米からの転換を図っていく考えか、お伺いをいたします。 最後に、その他県政の諸課題について伺います。 新型コロナウイルスのワクチンについては、その確保等々が連日報道されているところです。その有効性などについても県のホームページで周知をしているところですが、高齢者などインターネット環境にない人も多くおりまして、こうした人たちからは、ワクチンは安全なのか、いつになったら接種を受けられるのかといった話をよく伺います。 こうした人たちにも正しい知識が的確に伝わるよう、接種の時期や手続など、いろいろな方法で周知を行うべきと考えますが、どのように行う考えか、お伺いをいたします。 また、ワクチン接種に向けた準備の現状と、今後の対象者ごとの接種スケジュールをお伺いいたします。 新型コロナウイルスワクチンの接種は、新潟県においても2月17日から、医療従事者等から開始をされているところです。厚生労働省は、ワクチンの接種は強制ではなく、同意がある場合に限るとしていることから、強制しないことはもちろんですが、接種を受けないことにより、医療従事者が不利益な取扱いを受けることがあってはならないと考えます。県の見解をお伺いいたします。 最後に、今冬の雪による死傷者は、2月16日現在で340人と過去最多に迫るペースとなっています。県では、雪による被害を防止するため、克雪すまいづくり支援事業を拡充し、屋根雪下ろし時の転落事故防止のための命綱固定アンカーを住宅に設置する費用を支援する市町村に対して補助することとしました。 支援の拡充を歓迎しますが、対象となる制度を有している市町村は、魚沼市と十日町市の2市にとどまると聞いており、事業の効果は限定的と思われます。雪下ろしが必要な全ての自治体に支援事業が広がるよう働きかけるなど、広範囲に支援が及ぶよう取り組むべきと考えます。 このことに対する見解をお伺いし、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 樋口議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、これまでの雇用政策の評価と今後の働き方についてでありますけれども、平成6年以降、非正規雇用労働者の数は緩やかに増加し、全労働者の約4割を占めています。減少してきているものの、やむを得ず非正規雇用となっている方も一定程度いるのは事実ですが、一方で、その内訳を見ますと、パート・アルバイトの割合が高く、65歳以上の割合が高まるなど、ライフスタイルに合わせて働き方の多様化が進んできた面があるものと考えています。 国においては、こうした変化を捉え、労働者保護の観点も踏まえながら、多様な働き方に即した各種の法制度を整備するとともに、正規雇用労働者とパートや派遣労働者等の不合理な待遇差の解消も含め、働き方改革が進められているものと受け止めています。 県といたしましても、誰もがライフスタイルに応じた働き方を選択でき、その意欲や能力を十分に発揮し、活躍できる環境の実現が重要と考えており、引き続き、国と連携しながら、やむを得ず非正規雇用となっている方々の正規雇用に向けた支援や働き方改革の推進に取り組んでまいります。 次に、効率優先から人員増へ転換すべきとの御意見についてでありますけれども、行政運営においては、限られた資源の中で効率的で質の高い行政サービスを提供することが重要と考えています。 そのため、県ではこれまでも、業務の外部委託や市町村への権限移譲の推進など、業務の見直しに合わせた定員の削減に取り組む一方で、福祉や防災分野などの複雑・多様化する行政課題や県民ニーズに迅速かつ的確に対応できる人員の確保に努めてきたところです。 今後とも、新たな行政需要へ的確に対応しつつ、業務の効率化に向けて不断の見直しを行いながら、業務量に応じた適正な人員配置に努めてまいります。 次に、地域振興局体制の見直しについてでありますが、このたびの地域振興局体制の見直しについては、市町村や関係団体の意見等をお聞きした上で具体案を作成したものであります。 いただいた意見等を踏まえ、広域的に調整すべき業務や高度で専門的な業務について集約を図る一方、災害対応など即応が必要な業務や県民生活に密接に関わる現地性が高い業務については、引き続き各地域振興局で担うものとしているところです。 こうした考え方の下、地域振興業務については、広域的な調整機能を強化するため、新たに地域振興監を配置することとし、自然災害等の初動対応や復旧事業等を所管する部門については、引き続き各地域振興局に配置することとしております。 次に、市町村合併による市町村の能力の拡大についてでありますが、平成27年に有識者懇談会が取りまとめた報告書などにあるとおり、合併市町においては、組織・人員の専門化が進み、課題解決に向けた行政基盤が強化されるなど、住民サービスを提供する体制の充実及び底上げが図られるとともに、合併によってインフラ整備が進んだ面もあるなど、ソフト・ハードの両面から、市町村の規模や能力が拡大したものと認識しております。 次に、柏崎刈羽原子力発電所についてお答えします。 まず、東京電力の原子力発電所を運転する適格性についてでありますが、今回の事案を受け、原子力規制委員会は、東京電力に対し、改善措置活動の計画と実施結果について報告を求め、今後追加検査を実施すると聞いており、まずは、その結果をしっかりと確認したいと考えております。 いずれにいたしましても、このような事案、事態を生じさせたことは、東京電力の管理能力について、何らかの形で改めて評価すべきことと考えております。 次に、IDカード不正使用に関する情報についてでありますが、核物質防護に関する制約があるものの、安全に関する情報は、可能な限り、地元自治体にも迅速に提供していただきたいと思います。 なお、原子力発電所のセキュリティーと情報公開の在り方については、県、柏崎市、刈羽村、東京電力の4者で締結している安全協定において、発電所の管理等の状況について積極的に情報公開を行う旨定められています。 次に、豪雪時における避難についてでありますが、豪雪時の避難については、今冬の経験を踏まえ、国、市町村、関係機関と連携をし、効率的な除雪について検討してまいりたいと考えています。 また、1月に、柏崎市において冬季の原子力災害を想定した避難訓練を実施したところであり、今後とも条件を変えながら、様々な想定で訓練を行うことによって、原子力災害時における対応力の向上を図ってまいります。 次に、柏崎刈羽原発の再稼働問題についてでありますが、原発再稼働の議論については、3つの検証の結果が示された後に始めたいと考えております。 県民の皆様には、検証結果について広く情報共有し、評価をいただきたいと考えています。 その上で、リーダーとして責任を持って、結論を県民の皆様にお示しします。 そして、その結論について、県民の皆様の意思を確認するプロセスが必要であると考えています。 次に、県立病院についてお答えします。 まず、魚沼地域における医療再編についてでありますが、魚沼基幹病院の開院により、地域に不足していた高度医療の提供が始まり、救急医療の地域完結性も高まるなどの成果が出ている一方、一部の診療科において地域の医療需要に十分に応えられていないなどの課題も残されているものと認識しています。 なお、議員御指摘のとおり、魚沼地域の当時の医療再編は、主に急性期を担う基幹病院を中心に、周辺病院との機能分担を図るという点では、現在県が検討している医療提供体制の方向性と同じ考え方に立つものと認識しています。 しかしながら、レセプトデータ等を分析しながら、医療機能ごとに将来の医療需要と病床の必要量を定めた地域医療構想の策定前に行われたものであり、また、医師の働き方改革や新型コロナウイルスをはじめとした感染症への対応など、新たな課題が生じていることから、これらを踏まえたさらなる検討が必要となっています。 そのため、県といたしましては、年度内に今後の医療提供体制の大枠の方向性を取りまとめ、次年度以降、各圏域において、将来的な人口動向や医療需要などのデータをお示ししながら、これまでの医療再編の総括も含め、具体的な議論を行ってまいりたいと考えています。 次に、魚沼基幹病院の運営状況の検証・総括を踏まえた県央基幹病院の運営方針等への活用についてでありますが、魚沼基幹病院では、当初計画において開院後3か年でフルオープンとする計画としていたところ、経験のある看護職員の不足により病棟稼働に遅れが生じたことから、県央基幹病院の開院に向けては、燕労災病院、三条総合病院のベテラン職員の確保はもとより、経験のある看護職員の確保を着実に実施していく必要があるものと認識しています。 また、魚沼基幹病院が労働基準監督署からの是正勧告を受けた際に課題となった、法令遵守や内部統制に関する反省を踏まえ、県央基幹病院の指定管理者の選定に当たっては、管理運営体制及び責任体制の確保を条件としております。 県央基幹病院の開設に当たっては、魚沼基幹病院の準備・立ち上げ時やその後の病院運営の経験を随時に生かしてまいります。 次に、スキー観光についてお答えいたします。 まず、スキー場に対する支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、スキー場を運営する索道事業者は、他の事業者と異なり、営業期間が限られることや、支給要件の基準となる前年の売上高が昨冬の少雪の影響を受けたことで、家賃支援給付金などの支給要件に該当しないケースもあると認識しております。 これまでも、全国知事会を通じて、家賃支援給付金や持続化給付金の再度の支給や要件緩和などを要請してきたところであり、引き続き機会を捉えて国に働きかけてまいります。 また、県では、スキー場や周辺施設のにぎわいを取り戻すため、昨年12月下旬からリフト券等の割引支援によるスキー需要喚起策を開始いたしました。 新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、1月9日から販売を停止しておりますが、感染状況を注視しながら、販売を再開したいと考えており、引き続きスキー需要回復に向けた取組を進めてまいります。 次に、今後の観光需要喚起策についてでありますが、昨年実施した県民向け宿泊割引キャンペーンは、観光需要の回復に向けた足がかりとして一定の効果があったものと認識しており、昨年末からの感染再拡大により再び落ち込んだ観光需要の回復にも効果が期待できるものと考えています。 県といたしましては、これまでの県民割引の実績を踏まえ、宿泊施設の直接予約を割引対象とするほか、他の割引支援との併用を可能とするなど、利用者と宿泊施設双方に、より広く恩恵が及ぶよう改善を図った上で、新たな県民宿泊割引を実施したいと考えております。 今後、感染状況を注視しながら、近隣県に誘客対象を拡大するなど、柔軟かつ機動的に本格的な観光需要の回復に向けた取組を進めてまいります。 次に、スキー場を利用した教育旅行の誘致についてでありますが、県では、これまでも県内スキー場関係者と連携しながら、県外高校のスキー教育旅行の誘致に取り組んできたところでありますが、新型コロナウイルスの影響により、全国で教育旅行の行き先変更が見込まれることから、教育旅行の誘致を強化してまいりたいと考えております。 具体的には、新たな需要の掘り起こしや、未来の新潟ファンづくりに向け、スキー場関係者を含めた県内の教育旅行関係者から成る誘致組織を立ち上げるとともに、県外校の県内宿泊料、貸切りバス利用料の補助制度を新設し、これらを活用することにより、県内関係者と一体となって、誘致に一層取り組んでまいります。 次に、農業政策についてお答えいたします。 まず、豪雪地帯での施設園芸の導入についてでありますが、園芸振興基本戦略では、耐雪型ハウスなど、通年での所得確保や就業機会の創出につながる生産基盤の導入を推進することとしており、中山間地域での耐雪型ハウス等の施設整備に対し、手厚い支援策を講じているところです。 また、この冬の強風や豪雪による被害の復旧に向け、県といたしましては、国の支援策と併せ、雪に対する強度を高めた農業用ハウスの再建等を支援する予算を今定例会にお諮りすることとしており、被災された農業者の皆様が、今回の雪害を乗り越え、安心して生産を継続できるよう、しっかり対応してまいります。 次に、魚沼地域における主食用米からの転換についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により業務用米を中心に需要が減少し、米価の下落が懸念される中、先般開催されましたJAグループの集会では、魚沼コシヒカリの1月の市中価格が令和元年産に比べ60キログラム当たり1,900円下落したとの報告があるなど、今後の販売環境は厳しい状況になると見込まれます。 このため、魚沼地域においても、トップブランドである魚沼コシヒカリに加え、非主食用米など多様な米作りを進め、農業者の所得確保に努めていくことが重要と考えています。 県といたしましては、インセンティブが拡充された国や県の支援策と併せ、産地交付金等による地域協議会での追加支援などの活用を働きかけることで、需要のある非主食用米等の生産が拡大するよう、関係機関や農業者と危機感を共有しながら取組を進めてまいります。   〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕 ◎総務管理部長(笠鳥公一君) 2点についてお答えをいたします。 地域振興局の人員体制についてでありますが、地域振興局体制の見直しに当たっては、広域的に調整すべき業務や高度で専門的な業務について集約を図る一方、災害対応など即応が必要な業務や県民生活に密接に関わる現地性が高い業務につきましては、引き続き各地域振興局で担うこととしており、危機管理対応をはじめ、所管する業務が確実に遂行できるよう、関係部局の意見を聞きながら、業務量に応じた適正な人員配置に努めてまいります。 次に、地域振興局体制の見直しに係る市町村等の意見についてでありますが、このたびの地域振興局体制の見直しにつきましては、市町村や関係団体の意見等をお聞きした上で具体案を作成し、さきの12月定例会において御審議いただいたところです。 その後、この見直し案について、改めて市町村長の皆様へ説明を行った際には、肯定的な意見も多い中で、観光振興など県のリードによる市町村の広域連携強化に期待するとの意見や、見直し後の業務執行体制について説明してほしいなどの意見があったところです。 これらの意見に加え、現在、地域振興局各部から市町村の担当部門へ実務的な説明を行っているところであり、そこで出された課題も踏まえて、今後、必要な調整を図っていくこととしております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 8点お答え申し上げます。 まず、地域振興局体制の見直しと今後の県保健所保健師の増員についてでありますが、地域振興局体制の見直しに伴う保健所の体制見直しにつきましては、地域保健医療計画の調整業務など企画調整部門を基幹保健所に集約するものであり、感染症業務は引き続き一般保健所でも実施することとしております。 また、県の保健所保健師の増員につきましては、新型コロナウイルス感染症対策において、疫学調査をはじめとした感染防止対策や医療提供体制の整備など、地域保健行政の中心的存在である保健所の役割は大きいことから、体制強化は重要と認識しており、令和3年度当初の正規職員の追加採用を行ったところです。 今般、国から保健師の増員方針とそのための地方財政措置が示されたことを踏まえ、今後さらなる増員を行うなど、体制強化を図ってまいります。 次に、地域医療構想の今後のスケジュールについてでありますが、県全体としては、現在、新潟県地域医療構想調整会議等において、救急医療等に関する病院間の役割分担の在り方や、今後、増加が見込まれる後期高齢者の入院需要への対応策などについて、医療関係者等と議論を行っているところであり、病院の機能や役割など大枠の方向性を年度内に取りまとめたいと考えております。 各圏域においては、次年度以降、取りまとめられた大枠の方向性を基に、国が地域医療構想の実現を目指している2025年を見据えながら、将来的な人口動向や医療需要などのデータをお示しし、市町村を含む関係者と具体的な議論を行ってまいりたいと考えております。 次に、県央基幹病院の運営主体決定の手続等についてでありますが、指定管理者の選定に当たっては、公募による選定を行うこととしており、現在、募集中です。今後、指定管理者審査委員会で審査を行った上で、指定管理者候補を決定し、県議会の議決を経て指定管理者を指定することとなります。 このままスケジュールに滞りがなければ、6月定例会で指定管理者を指定するための議案を提出できるものと考えております。 次に、水害時における県央基幹病院へのアクセスの確保についてでありますが、50年から100年に1度程度の降雨に対しては、病院敷地に設置する調整池や、三条・燕両市が整備する調整池をはじめとした内水対策により、地域全体で浸水被害の軽減が図られており、病院へのアクセスに支障を来すような道路冠水は生じないものと想定しております。 一方で、仮に病院周辺が冠水するような降雨の場合には、三条燕インターチェンジを含めた広域での浸水が想定され、住民は命を守るため避難が基本となり、他圏域の病院等で患者等を受け入れることになることから、県央基幹病院の建設地付近への北陸自動車道からの高架による救急車退出路の設置につきましては、必要性はないものと考えております。 災害時においても必要な医療が確保できるよう、他圏域の病院等との連携体制の構築を進めてまいります。 次に、魚沼基幹病院の改定事業計画の見直しに当たっての検証の方向性についてでありますが、平成30年3月の改定事業計画においては、病棟稼働、看護職員確保、収支見通しなどの項目について達成目標を定めるとともに、職員育成など業務改善に関する項目についても定めております。 県としましては、財団による今回の改定事業計画の見直しに当たっては、これらの達成状況を確認し、達成できていない場合には、これまでの業務プロセスなどを具体的に見直すなど、原因を詳細に分析した上で、改善の方向性を示す必要があるものと考えております。 また、新型コロナウイルス感染症拡大による経営収支への影響や、当該感染症への対応として専用病床を確保する必要性など、新たな課題を踏まえた上で、適切に見直しを行っていくべきものと認識しております。 次に、是正勧告に関する検証についてでありますが、運営財団の事務局では、関係者からのヒアリングを終了し、現在、内部統制を含めた業務執行体制に関する事実関係等の整理をしていると承知しております。 今後、これらの調査結果を取りまとめ、原因分析や再発防止策も含め、検証結果を年度内に開催される財団理事会に諮る予定としております。 次に、ワクチン接種に関する情報発信等についてでありますが、一般住民に対するワクチン接種については、接種対象者への個別の案内が送付されるほか、各戸配布される広報紙等により、市町村と協力しながら、ワクチンに関する情報を確実に発信してまいります。 また、県では1月下旬に医療調整本部内にワクチン接種グループを立ち上げて、市町村と情報交換しながら準備を進めているところです。医療従事者に対しては3月上旬から接種を開始する予定であり、一般住民に対しては4月上旬をめどに高齢者への接種体制を構築し、その後、基礎疾患を有する方等へ順次接種を進める予定としております。 次に、医療従事者等がワクチン接種を受けないことによる不利益な取扱いについてでありますが、議員御指摘のとおり、医療従事者がワクチン接種を受けないことにより、不利益な取扱いを受けることはあってはならないことだと考えております。 一方で、ワクチン接種の安全性、有効性が高いとされていることを踏まえ、医療従事者の方々から率先して接種していただけるよう、正しい情報を積極的に提供し、理解促進に努めてまいります。   〔観光局長佐野哲郎君登壇〕 ◎観光局長(佐野哲郎君) 答弁いたします。 三密対策支援金の再度の事業化についてでありますが、昨年7月に締め切りました三密対策支援金では、スキー場や宿泊施設を含め、多くの事業者から申請があり、感染症対策に向けた新たな衛生設備を整えた上で、今冬の営業に備えていただいたと認識をしております。そのため、現時点で三密対策支援金の再度の事業化までは考えておりません。 一方で、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルスの感染再拡大による緊急事態宣言などにより、首都圏からの利用の多いスキー場や宿泊施設は、利用が伸び悩んでいるものと認識をしております。 県といたしましては、スキーリフト券等の割引支援や、県民向けの宿泊割引支援などの需要喚起策を実施することで、観光関係施設などへの支援に取り組んでまいりたいと考えております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。 園芸振興に係る指導体制の強化についてでありますが、新たに園芸に取り組む農業者には、栽培技術等のノウハウが乏しいなどの課題があることから、的確な技術指導を行うことが重要であると考えております。 このため、園芸振興基本戦略においては、指導人材の育成及び指導体制の強化について、県の普及指導員だけでなくJAの営農指導員やベテラン農家などが連携し、技術やノウハウを共有し、指導に当たることとしております。 来年度、県といたしましては、高度な技術と豊富な経験を有する普及指導員を革新支援担当として増員するほか、今年度より開始したベテラン農家やJAの営農指導員などが指導する園芸参入塾を拡充するなど、産地における指導体制の強化を図ってまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 命綱固定アンカーの設置費用の支援についてでありますが、本事業は、今冬の豪雪災害を踏まえ、当初予算案に計上したものであります。 予算成立後は、特別豪雪地帯の全市町村に、命綱固定アンカーの設置費用の支援制度の創設を働きかけるなど、広範囲の高齢者世帯等に支援が及ぶ環境の整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。   〔病院局長藤山育郎君登壇〕
    ◎病院局長(藤山育郎君) お答えいたします。 病院事業会計と県財政の関係等についてでありますが、病院事業会計に係る一般会計繰入金につきましては、議員御指摘のとおり、一定の交付税措置はあるものの、本県の県立病院の数が全国で2番目に多いことから金額の規模が大きく、また、患者の減少や給与費・材料費の増加等による収支悪化の傾向などから、今後も、一般会計繰入金の増加が見込まれており、財政上の大きな課題の一つに位置づけられているものと認識しております。 議員御指摘の報道は、こうした状況を踏まえて行われたものと考えておりまして、病院局といたしましては、昨年度公表した経営改善に関する緊急的な取組を進めており、さらなる収益の向上や費用の縮減など、引き続き徹底した経営改善に取り組むことで、経常損益の黒字化及び一般会計繰入金の縮減を目指しつつ、県民に必要な医療を提供していくための持続可能な経営を確保してまいりたいと考えております。 なお、今ほど申し上げました経営改善に関する緊急的な取組において、県民の皆様に対して、一般会計繰入金や交付税の状況等についても、丁寧にお示しをしているところではありますが、議員御指摘の趣旨も踏まえまして、今後とも、できる限り分かりやすい情報提供に努めてまいりたいと考えております。   〔樋口秀敏君登壇〕 ◆樋口秀敏君 確認の意味も含めまして、3点お伺いしたいと思います。 最初の2点は、地域振興局体制の見直しについてであります。 御回答の中で、効率的な行政運営を行っていくのだと。そして、市町村との役割分担を図っていく。このことについては理解をするものであります。 その上で、今回の見直しの目的は、あくまでもそうした県民サービスの向上。それを市町村と役割分担をしながら進めていくのだということであって、主な目的が経費の削減という方向ではないのだというところを、1点確認させていただきたいと思います。 それから、2点目としまして、市町村の意見の関係でありますけれども、肯定的な意見があったというお話はあったのですが、否定的な意見はなかったのかどうかお伺いをしたいのと、あったとすれば、具体的にどういった御意見があったのか伺いたいと思います。 3点目が原子力発電所の関係でありますけれども、知事のほうからは、県民に判断を仰ぐといいますか、それは知事が判断をした後ということかと思いますが、この間言われてきたところとしては、検証結果について情報共有をして、県民の皆さんの評価を頂くのだということを言っていたので。そして納得いただけるか見極めるという話は、このことが信を問うを含めてということであれば、そうなのかもしれませんが、私は、素直に情報共有をした上で県民の皆さんから評価を頂いて、それを基に知事が判断するのかなと思っておるのです。そうだとすれば、判断の前に県民の声を聴く機会があってしかるべきではないかと思いますけれども、この辺のプロセスについて再確認をさせてください。 以上です。よろしくお願いします。   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 樋口議員の再質問にお答えしたいと思います。 地域振興局の関係は、総務管理部長からこの後お話しさせていただきますけれども、原子力発電所の関係については、先ほどお答えしたつもりですが、県民の皆様には検証結果について広く情報共有し、評価を頂きたいと考えています。その上で、リーダーとして責任を持って、結論を県民の皆様にお示しをすると。そしてその結論について、県民の皆様の意思を確認するプロセスが必要だと。このように申し上げたところでありまして、検証結果について広く情報共有する。そして県民の皆さんが評価をする。その過程の中で、当然ながら御意見を伺うということになると思います。   〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕 ◎総務管理部長(笠鳥公一君) 再質問にお答えをいたします。 まず、地域振興局体制の見直しの趣旨でございますけれども、これは従前より申し上げているとおり、知事のほうからも答弁させていただきましたが、市町村の能力が、合併後、非常に大きくなってきているというところ。それから私どもの地域振興局体制も、この体制に移りましてから10年以上経過しているということから、全体を、様々な状況、社会的な状況等も踏まえまして、最適な状況としてどうあるべきかということで議論をしているものでございまして、経費削減等ありきということで議論をしているものではございません。 それから、市町村に説明した折に、否定的な意見というのはなかったのかというお話でございました。 私の答弁でも申し上げましたけれども、見直し後の業務体制について説明してほしいという意見もあったところです。これは、一つの観点としまして、やはり見直し後の業務執行体制について、しっかり回るのかどうかというところが分からないと。そこは、否定的というわけではございませんけれども、具体的な心配事として示されたということでございますので、これらにつきましても、しっかり説明をさせていただくということも含めて、必要な調整は今後とも行ってまいりたいというふうに思っております。 ○議長(桜井甚一君) 樋口秀敏君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時8分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時10分 開議 ○副議長(佐藤純君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、中村康司君の発言を許します。中村康司君。   〔中村康司君登壇〕(拍手) ◆中村康司君 自由民主党の中村でございます。一般質問をいたします。 新型コロナウイルス感染症により、我が国はその感染拡大防止と経済の両立という難題に立ち向かっているわけですが、なかなか明確な回答が得られていないのが実情だと思います。 昨年発せられた緊急事態宣言以降、落ち込んだ景気がGo To キャンペーンで上向き基調になったと思ったところに、再びの感染拡大と厳しい状況が続いています。 国や県の支援策により持ちこたえている企業もあり、また支援策が減少するであろう終息後に、予断を許さない経営状態に陥る企業が増えるのではないかとの憂慮すべき指摘もあります。 ここに来てワクチン接種、株価も日経平均が先月30年ぶりに3万円を超えるなど、先行きに明るさも見えてきつつある状況になってきましたが、さらなる景気浮揚策に期待しているところです。 質問に入ります。 まず、本県経済及び財政状況についてです。 ようやく景気回復基調にあるかと思ったところに、首都圏を中心に緊急事態宣言が発せられ、まだまだ本格回復には至っていないのかと思ってしまいます。個人消費は持ち直しているとの経済動向も出されていますが、県内経済の現状をどう認識しているか、知事の所見を伺います。 続いて、本県財政の質問をいたします。 まず、投資的経費について。 財政が厳しい状況にもかかわらず、投資事業が昨年対比で96%、かつそれに対する実負担が90%と工夫、努力が感じられます。将来に向けて今後も投資事業を著しく減少させることはないようにすべきと考えますが、知事の所感を伺います。 続いて、豪雪に見舞われた今冬の除雪費についてですが、除雪費が昨年度と比較して大幅な伸びになり、過去最高になる可能性もあると聞きます。国費による補助はどの程度か伺うとともに、県財政への影響が顕著であれば、国への要望を重ねるべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、各市町村への国からの除雪費に関する配分は十分になされているのか、併せて伺います。 次に、新型コロナウイルス対策については地方創生臨時交付金により賄われていると認識していますが、今後もウィズコロナ、アフターコロナでさらなる予算が必要になると予想します。今後の県財政及び行財政改革行動計画への影響はほとんどないと考えてもよいのか伺います。 続いて、昨年から度々質問されていますが、この不景気の状況での県税収入についてです。 新型コロナウイルスによる不景気で県税収入が122億円の減収とのことであります。新年度予算では、地方一般財源総額実質同水準ルールにより、346億円が交付税と臨時財政対策債で賄われていますが、令和4年度以降もこのように不足分が担保されると考えてよいのか伺います。 この項の最後に、収支不足額について、令和2年度当初の105億円から新年度は70億円に改善され、歳出歳入改革の成果が見られていますが、行財政改革行動計画に対する現段階での進捗についてどのように感じているか、知事の所見を伺います。 続いて、中小企業振興策について伺います。 本県の1人当たりの県民所得は平成29年度で287万円、全国平均、隣の富山県とも330万円ほどなので、50万円の差ということになります。 富山県は近隣では所得が高い県ですが、以前本県との比較をした際、雇用者報酬はほとんど差がないのに、企業所得にかなり差があることに気づきました。つまり本県の弱みは企業所得であって、県民所得を上げるには企業所得を上げる必要があると考えます。 本県の産業構造は下請、中小零細企業が多いわけですが、今さら大企業誘致も簡単ではなく、結局、この層の利益、所得向上が県民所得向上の鍵を握ると思います。 ところで、中小零細企業の悩みは何かというと、最近よく指摘されるのは、事業承継ができない、労働力が不足しているなどです。しかし、これは枝葉の問題であって、根本的には利益が薄い、もうからないということに尽きるのではないでしょうか。 もうかっている企業なら、後を継ぐ人はいるはずです。資産が豊富なら、M&Aも相手が見つかりやすいはずです。報酬を増やすなどの待遇改善ができれば、労働力も確保しやすいはずです。もうかっていないから、廃業せざるを得ないし、後継者もなかなかいないのです。 つまり収支を改善し、利益を出す、利益率をアップすることが最も重要なことであり、企業活動の根幹でもあります。 しかしながら、現実的には困難なことも多く、経営指導に当たっている中小企業診断士の方や商工会議所経営指導員に聞き取ってみましたが、原価計算ができない、損益分岐点が分からないなどの経営者が非常に多いとのことです。そこから指導を始めようとすると大変難しいことになります。やはりまず、県が言っているやる気のある企業に対して、有効な手段で支援をして底上げを図っていくのが肝要だと思います。 また、本県に限らず、地方の中小企業の所得がアップすれば、首都圏への人口流出も少しは抑えられるはずです。もうかるのは大企業。中小企業はその下支えで苦労するという構図では、首都圏へ人口が流出するのは当然です。その観点からも、中小企業に対するより手厚い支援策を考えるべきだと思います。 質問に入ります。 本県は中小零細企業が多いと言われ、近代化、合理化が難しい職種も多いと思われます。県民所得の向上を目指すには、IT企業などの先端産業への支援だけでなく、その他の中小零細企業へも支援をしていくことが重要ではないかと考えますが、所感を伺います。 先ほども申し上げたとおり、事業承継、労働力不足など、中小零細企業にとって悩みは多様だと思いますが、根本的な問題は利益が少ないということです。利益、もうけを増やすような経営指導をしていくべきではないかと考えますが、そのような中小事業者の相談窓口として、よろず支援拠点があり、全国的に評価が高いようですが、本県での相談件数は全国平均をやや下回っている状況のようです。よい制度であり、相談件数が増えるようもっと周知すべきと考えますが、いかがか、お伺いいたします。 次に、今定例会冒頭で提案された新型コロナウイルス対応新事業チャレンジ支援事業は、同種の国事業に比べ、対象要件が緩和されているなど申請しやすく、また新規事業や新分野へのチャレンジを後押しする事業であることから、高く評価します。新型コロナウイルス対策に限らず、このような経営者を前向きにする事業を今後も検討すべきと考えますが、知事の所感を伺います。 現在は、新型コロナウイルス対策融資などで県内中小零細企業の多くがかなりの支援を受けていると思われますが、問題は新型コロナウイルス終息後ではないかと考えます。新型コロナウイルス終息後は、公的支援が当然減ると思われます。その際、現在支援によって持ちこたえている企業が廃業などに至ってしまうのではないかと危惧しています。特色ある地域の産業が衰退してしまう可能性もあります。中小零細企業経営にとっての懸念は、現在よりもコロナ後なのだと思います。 このように中小零細企業に対して、現在は新型コロナウイルス対策で融資が豊富であり、資金需要には応えられていると思います。一方で、元金の据置期間が終わる時点で非常に厳しい状況に置かれる企業もあるのではないかと予測します。そのような企業に寄り添った支援も今から検討しておく必要があると考えますが、所見を伺います。 次に、下請企業と発注者との関係はどうしても上下関係になり、下請企業は価格等交渉力が弱いです。その結果、不合理と思えるような条件で取引することもあります。それを防ぐ存在が下請法です。企業経営をしていく上で、しっかりと内容を把握しておく必要があると思います。 ところが、中小企業庁によりますと、下請事業者に対し、支払い時に下請代金を減額するなど、商慣習もあるのかもしれませんが、下請法での禁止行為がまだ行われています。下請法で禁止されているという認識がない、もしくは下請法自体を知らない事業者もいるのではないかと思います。 NICOにある、下請かけこみ寺には、年間150件ほどの相談が寄せられているとのことですが、下請事業者の多い本県にとって、この相談窓口のさらなるPRや相談体制整備が必要と考えますが、所見を伺います。 続いての項目は、今冬の豪雪による農林水産業被害及び交通障害についての質問です。 昨年末の大雪により、関越自動車道で大渋滞が発生しました。そして、今年に入って1月の豪雪は海岸平野部を中心に降り、いわゆる里雪でありました。豪雪に対して備えが薄い地域を襲ったことにより、被害や影響が大きかったのだと考えられます。私の地元、糸魚川市筒石では、船小屋が雪で倒壊するという被害も発生いたしました。 一方で、めったにない豪雪に備え、機械や人員などの除雪体制を整備することは平時では過剰となり、現実的ではなく、その兼ね合いは大変難しい判断であり、今後の豪雪に備え、今冬の状況を的確に把握し、将来に備えておく必要があると考えます。 まず、農林水産業の被害について伺います。 今冬の豪雪により、上越、糸魚川は他地域に比べ農業用ハウスの全壊率が高く、深刻な被害であります。精神的にもショックを受け、なかなか再建に踏み出せない状況の農業者もいます。 傾斜地などで面積が狭いため、ハウス間の距離が取れず、積雪にハウス上部からの落雪がかぶってしまい、雪の逃げ場がない状態で倒壊したハウスが多く、中山間地での園芸導入の厳しさを痛感している次第です。 1月23日には野上農林水産大臣の来県もあり、国は再建に向けての支援に積極的と感じますが、園芸導入を進めてきた県としても、ぜひ前向きな支援を検討いただきたいと思いますが、知事の考えを伺います。 また、被害が広域にわたり、パイプなどの部材が不足していると聞いており、水稲の育苗用ハウス再建に当たっては、春作業に間に合わない農業者もいるのではないかと危惧しています。県はこのような農業者に対し、どう支援するのか、知事の所見を伺います。 次に、豪雪による交通障害について伺います。 1月7日から本格的に降り出した雪は、9日からの3連休、連休明けの12日にかけて降り続き、上越地方では北陸自動車道、国道8号、県道、市道とも全ての道路で、除雪が間に合わない状況になってしまいました。 私は、この間、早朝から深夜まで除雪状況や道路状況を見続けながら対応に当たっていました。最もひどかったときは、僅か500メートルもない国道区間で、深夜5時間の間に10件ほどの大型のスタックが発生。救出に向かうにも国道の幅員が狭くなっていて、そこに行くまでも難儀すると、非常に苛酷な状況でありました。 このように、昨年末の関越自動車道渋滞に引き続き、1月7日からの豪雪で上越地域でも高速、国道、えちごトキめき鉄道までもがストップし、大規模な交通障害が発生しました。元来、海岸沿いで降雪量が少ない地域では、山間部に比べ除雪能力が低く設定されていることもあり、県管理道路においても通行止めなどの障害が発生したと思います。今後に向けての課題を整理すべきと思いますが、お伺いをいたします。 ところで、大型車、特にトレーラーとワンデフと言われる後輪2軸のうち1軸しか駆動しない車両は雪道に極めて弱く、特にトレーラーは勾配のある雪道で赤信号などにより止まると、次に動き出すのは非常に厄介です。スタックやいわゆるジャックナイフ現象という中折れ状態になって車線を塞いでしまうことはよくあることです。 したがって、本県を通過する長距離運行のトレーラーやワンデフ車は、できるだけ急勾配があまりなく、ストップアンドゴーもない高速道路を通るのが交通障害を起こさない大前提だと考えます。 そのような前提に対し、上越から富山県境までは、東西に通る道路は北陸自動車道と国道8号しかなく、迂回路は皆無です。そのため、北陸自動車道が止まった際、国道8号の交通量が一気に増え、渋滞し、スタックする車両が続出、除雪も不可能になってしまったと思われます。 年末の関越自動車道のトラブルもあり、高速を早めに止めることは理解をしますが、他の道路が国道1本しかない地域も同様の考えで、早めに高速を止めていいものか疑問に感じますが、これについて県の考えを伺います。 1月の豪雪の際、お隣の富山県でも除雪に手間取り、各メディアやネットで対応を批判する声が多数上がりました。あれだけの集中的な降雪は、除雪能力を上回っており、特に市街地の対応は困難を極めていたと思いますので、致し方ない状況であったと私は考えていますが、交通障害に遭遇した人の気持ちも理解はできます。 富山県では、渋滞を避けるため除雪の出動を遅らせた結果、降雪による立ち往生や渋滞が発生し、結果として除雪車が出動できなくなる事態が発生しました。 やはり早めの除雪が必要であり、通行車両が支障となるのであれば、高速だけでなく国道や県道でも通行止めの事前周知や出控え広報を行った上で、予防的通行止めを行い、集中的に除雪するなどの思い切った対策も必要ではないかと考えますが、所感を伺います。 この項の最後の質問です。除雪体制について伺います。 除雪は、国道、県道、市町村道など路線ごとに担当する除雪業者が異なっているわけです。したがって、県道や市町村道の除雪業者は、担当しない国道を走行するときは除雪しないでただ通過するのみ。県道除雪業者は市道を通過するときも決して除雪はせずに、排土板やバケットを上げて通過するのみです。 除雪を指示する行政の立場からは当然のことかもしれませんが、一般市民の中には、非常に不満に感じている人も多いようです。なぜ除雪車が通るのにそこを除雪しないのかということです。今年のように安心・安全な生活を脅かすような事態になっていれば余計にそう感ずることと思います。 そこで、非常時はそれらを一本化して、優先度の高い道路から除雪するような体制が組めないものか伺います。 次に、脱炭素に向けての取組や電力の現状についてです。 昨年10月の菅総理による2050年カーボンニュートラル宣言によって、一気に脱炭素に対して注目が集まってきました。しかし、私自身は、あくまでも現段階でではありますが、容易ではないのではないかと感じております。 業種にもよりますが、特に熱量を必要とする製鉄やセメントなどの産業にとって電力は生命線であり、そのコストも製品価格に対し非常に大きなウエートを占めております。 今冬の豪雪で電力逼迫が報道されておりましたが、現段階で逼迫するのであれば、今後の電力需要を考えたときに対応可能なのか不安になります。 そもそも、火力発電所の休廃止が声高に言われておりますが、極端過ぎないかと危惧します。再生可能エネルギーについて、現状の政府見通しで2030年度に電源構成の22%から24%との考えに対して、これを引き上げるべきとの意見もあるようですが、安定性や価格上昇を考えると、過度の期待はするべきではないと考えます。 最近の報道でも、再生可能エネルギーの導入促進による国民負担が、2019年度3.1兆円だったものが2030年度には最大で1.6倍の4.9兆円になるとの経済産業省の試算もあり、負担増に対して各家庭や産業界が受け入れられるのか、我が国の製造業が世界に伍して闘えるか、あるいはサプライチェーンの国内回帰がどうなるかなど疑問に感じます。そのような認識の下、質問をいたします。 まず、近年の電力自由化により、発電事業者以外の小売電気事業者から電力を購入している企業が増えております。それが製造コスト削減の中心的な位置づけになっている企業も多いと思いますが、最近、新電力が値上がりしていると聞きます。どういう状況で、県内企業への影響はどの程度なのか、所見を伺います。 次に、今冬は寒波のたびに電力需要の逼迫が報道されました。今後、産業、運輸、家庭部門の電化及びDXによるデータセンター向けエネルギーの増加などにより、電力需要は現状より30%から50%増加すると言われています。2050年カーボンニュートラルに向け脱炭素が叫ばれていますが、これからの電力需要に適用できるのか、所感を伺います。 世界的な脱炭素への流れにより、今後のEV車やハイブリッド車への移行は加速していくものと思われます。それ自体は理解できますが、今後のEV車両への移行について、今般のような豪雪による渋滞の際に、燃料不足で走行できない車両が発生するリスクが懸念されます。ワイヤレス給電も研究されているようですが、まだまだ実用化には時間がかかりそうです。 緊急時の充電方法が確立されていない状態での早急なEV移行は、雪国にとって不向きと考えますが、所感を伺います。 また、雪国県としてこのようなリスクを発信していくべきと考えますが、いかがでしょうか。 知事は、昨年9月定例会で、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを表明されました。県全体でそれに向けた努力が必要であり、自分たちでできることから始めなければならないと思います。 自分の身の回りを見ると、自動車のCO2も課題の一つだと思います。自動車のCO2排出量は、一般的に消費燃料、キロリットルですが、消費燃料に定数を掛けた数字で算出されます。ちなみに、ガソリン車で2.32、ディーゼルでは2.62を掛けます。この公式からすると、CO2排出量を抑えるには消費燃料の少ない、いわゆる省燃費運転が求められます。 ちなみに、プロドライバーでも運転の仕方によって燃費は大きく変わります。明確に測定したことはありませんが、同じメーカーの同じ車両、走行距離などの条件を同じとして、1割ぐらいの差が出ることもあります。少しの気配りで大きく差が出てくるのが省燃費運転です。 このように本県全体でCO2排出量削減に取り組む必要があり、我々が日常的に使用している自動車でも削減努力が必要です。アイドリングストップや急発進、急ブレーキをしないなどの省燃費運動を働きかけるなど、自動車のCO2排出削減運動を展開すべきと考えますが、いかがか伺います。 最後に、地域振興策についてです。 昨年12月定例会で宮崎議員から、平成の合併によって過疎地の人口減少に拍車がかかったのではないかという大変興味深い質問がなされました。答弁は、合併によって人口減少が進んだとは言えないという内容でありました。 実は私も同様な思いを持っておりまして、人口減少に拍車がかかっていないにしても、過疎地域の個性あるいは活力がなくなってきているのではないかと感じております。 合併前、旧市町村はどうやって地域振興を図っていくか、知恵を絞り、工夫をして、それぞれに特化した地域づくりをしていたのだと思います。しかし、合併をし、自治体の規模が大きくなってからは様子が変わってきました。地域の個性が薄まっていると感じるのです。 自治体が大きくなり、合併後の中心地域の住民が、あるいは世論と表現してもいいかもしれませんが、周辺部のまちづくりを理解することは難しいのかもしれません。旧町村時代のまちづくりの歴史や伝統が否定されてしまったようにも感じてしまいます。 このように、人口減少が避けられない状況で重要なことは、地域の活力を失わないようにすることですが、中山間地や農山漁村においては、旧町村時代の特色ある取組や活力が失われつつあり、平成の大合併の弊害と感じています。 合併に伴い、中心部に比べ周辺部の旧町村地域が置き去りにされていると感じますが、知事の所見を伺います。 次に、これらの地域の多くは人口減少が著しい過疎地域である一方、食料、水、エネルギーの生産、供給、国土保全等の多面的機能を有しているなど、持続可能な地域社会のモデルとなる可能性がある地域だと認識しています。 現在、国において、新たな過疎法の制定に向け準備が進められていると聞いていますが、県としてどのように受け止めているのか伺うとともに、状況の異なる過疎地域をどのように支援していくのか、知事の所見を伺います。 中山間地域には森林、土壌、水、生物資源など、自然によって形成された豊かな資源があり、農業・農村を持続的に発展させていくためには、これらの資源を有効に活用し、所得を確保していくことが必要と考えます。 先般公表された2020年農林業センサスでは、農家数の減少や高齢化が進んでおり、特に中山間地域はその傾向が強く、このまま人口が減少し、地域の活力が失われることを危惧しています。 こうした現状を踏まえ、持続可能な中山間地農業実現のため、どう農業・農村振興を図っていくのか、知事の所見を伺います。 続きまして、特定地域づくり事業協同組合について、安定的な雇用環境を保持するためにも人口減少地域では有効だと思います。取組に興味を示している自治体もあると聞き、島根県は積極的に県が関与しているようですが、本県としても導入を支援するなど、積極的に関与すべきと思います。所見を伺います。 最後に、大いに期待している施策について質問をいたします。 地域活性化リーディングプロジェクトです。コロナ禍の下、地方分散の流れを捉え、地域に人や企業を呼び込もうという発想ですが、単体の基礎自治体だけではなく、それより広域のエリアで行動し、強みを発揮していこうとする案には大賛成で、楽しみにしております。 この地域活性化リーディングプロジェクトについて、新年度は村上エリア、上越エリアでもプロジェクトの実施を予定しているとのことであります。広域的なエリアでの取組については、特に県のリーダーシップが重要であり、各エリアの魅力を生かした注目される施策を進めるべきと考えますが、今後の事業展開について伺いまして、私の一般質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中村議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、県内経済の現状に対する認識についてでありますが、個人消費や生産活動が持ち直しており、また、企業収益や景況感に下げ止まりの動きが見られておりますが、雇用情勢などは弱い動きとなっております。 新型コロナウイルス感染症による国内外経済の停滞が与える影響などから、県内経済は一部で依然として厳しい状況にあるなど、いまだ本格的な景気回復基調にはないものと考えております。県といたしましては、予断を持たずに今後の動向を注視してまいります。 次に、投資的経費の今後の事業量についてでありますが、近年、自然災害が頻発化・激甚化する中で、県民の生命や財産を守るために必要な防災・減災対策事業は確実に進めていく必要があると考えています。 そうした考え方に立って、今回の予算編成では、国の5か年加速化対策等の有利な財源の活用により、公債費負担適正化計画で定めた公債費の実負担額の上限の範囲内で、必要な事業量を確保したところです。 今後も、同対策の活用などにより必要な事業量の確保に努めてまいりますが、対策終了後についても、必要な事業量の確保が可能となるよう国に働きかけていく必要があると考えています。 次に、道路除雪費についてでありますが、道路除雪費は、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法、いわゆる雪寒法ですが、これにより、雪寒指定道路の除雪に係る事業費の3分の2が補助されることが規定されておりますが、例年、2分の1程度の補助にとどまっている状況であり、毎年の政府要望において、道路除雪費の国費総額確保を要望しております。 今冬の記録的大雪を受けて、県財政への影響が大きくなることから、1月中旬に国に対して緊急要望を行い、2月中旬には追加配分をいただいたところですが、法定の補助率には達していないことから、重ねて要望を行ってまいります。 また、市町村も臨時特例措置による追加配分について国に要望していることから、引き続き、市町村とも連携をして要望を行ってまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症対策の県財政等への影響についてでありますが、新型コロナウイルス感染症対策については、引き続き迅速かつ最大限に進める必要があり、国から交付される新型コロナウイルス関連交付金等を最大限活用することとしております。 また、新型コロナウイルス対策は全国的な課題でもあり、長期化も見込まれることから、必要となる財源の確保・充実について、本県単独はもとより全国知事会等を通じて引き続き要望を行ってまいります。 今後も、県財政及び行財政改革行動計画に影響が生じないよう、国の交付金や地方財政措置等を有効に活用することにより、行財政改革と感染症対応の両立を図ってまいりたいと考えています。 次に、行財政改革行動計画の進捗についてでありますが、これまでの行財政改革の取組により、令和3年度当初予算案の収支は前年度に比べ35億円改善したところであり、令和元年度と比較すると164億円の改善が図られたところです。 令和4年度以降も地方一般財源総額の実質同水準ルールにより、基本的に税収減については地方交付税等によって措置されることを前提に今回改訂した中期財政収支見通しでは、令和7年度時点において、大規模災害時に備えた財源対策的基金の残高は230億円、また、県債管理基金の公債費調整分の残高は187億円が確保される見込みであり、中長期的に安定した財政運営の実現に向けて、一定程度の進捗が図られたところです。 しかしながら、令和13年度には公債費の実負担額がさらに100億円程度増加することが見込まれることから、中長期的な視点で、引き続きさらなる歳出歳入改革に取り組んでまいります。 次に、中小企業振興策についてお答えします。 まず、中小零細企業への支援についてでありますが、地域の活力や雇用を支える中小零細企業の活性化は、地域経済の成長・発展を図る上で大変重要と考えています。 県といたしましては、新型コロナウイルスの影響により、社会経済環境が大きく変わる中、まずは、中小零細企業の事業継続を図るため、事業継続応援金の拡充など資金繰り対策の強化等を通じて、セーフティーネット対策に万全を期してまいります。 その上で、生産性の向上や新事業の展開など、それぞれの課題に応じた支援を行うことにより、中小零細企業の経営を強化し、成長を後押ししてまいります。 次に、今後の事業者支援の方向性についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、経営環境が大きく変化する中、県内企業が取り組む新規事業の立ち上げや、業種・業態の転換、ビジネスモデルの再構築を後押しするため、このたびの新型コロナウイルス対応新事業チャレンジ支援事業を実施することとしております。 議員御指摘のとおり、活力ある新潟の実現に向けて、意欲ある人や企業のチャレンジをきめ細かく支援するとともに、次々と新たな事業が立ち上がる環境づくりが重要であると考えており、県といたしましては、引き続き、こうした取組をしっかりと進めてまいります。 次に、豪雪による農林水産業被害及び交通障害についてお答えいたします。 まず、農業用ハウス再建への支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、全壊した農業用ハウスの約6割が上越、糸魚川地域に集中しており、育苗ハウスを利用した園芸作物も被災するなど、とりわけ被害が大きかったものと認識しております。 県といたしましては、相談窓口の設置や低利資金の創設に加え、国の支援策と併せ、農業用ハウスの再建等を支援するための予算を今定例会にお諮りすることとしております。 被災された農業者の皆様が、国や県の支援策を最大限活用し、意欲を持って経営を再開することで園芸導入への機運が維持されるよう、伴走型で農業者の取組をサポートしてまいりたいと考えております。 次に、水稲育苗用ハウスの再建が春作業に間に合わない農業者への支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県だけでなく被害が広域に及んだことなどから、1月下旬に農林水産大臣に要望した際、私も現地で、被災された農業者などから、ハウスの再建に必要な部材や作業を請け負う人手の不足等により、再建が春作業に間に合わないのではないかとの懸念の声を伺っております。 このような状況に対し、国からは、ハウス育苗の代替等に必要な資材の導入や、苗の融通に要する輸送費等も支援対象としていただいたところです。 また、育苗ハウスを必要としない露地プール育苗への切替えなど、これを機に低コスト生産を目指す意欲的な農業者もいると聞いており、JA等による苗の融通も含め春作業に支障が出ないよう、国の支援策を最大限活用し、状況に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。 次に、高速道路の通行止めについてでありますが、豪雪により大規模な立ち往生が発生する可能性がある場合には、ドライバーの生命・安全を最優先に、通行止めを実施することはやむを得ないものと考えております。 一方で、議員御指摘のとおり、高速道路と国道以外に迂回路がない地域における高速道路の通行止めは、県民生活や経済活動に与える影響が著しく大きくなる可能性があると認識しております。 県といたしましては、こうした観点を踏まえ、除雪体制のさらなる強化や滞留車両の発生防止などについて、しっかりと検討していただくようNEXCO東日本に要望してまいります。 次に、予防的通行止めによる集中除雪などの対策についてでありますが、県管理道路においても、異常降雪等により立ち往生車両など通行障害が発生するおそれがあると判断した場合には、通行規制を実施して除雪を行っているところです。 今後は、今冬のような異常降雪が予報された段階で県民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけ、除雪作業に支障が生じないよう、初動対応の強化に努めてまいります。 次に、非常時の道路除雪体制についてでありますが、道路除雪は、国、県、市町村がそれぞれの道路幅員等の道路環境に合わせた除雪計画を策定し、除雪作業を行っております。 今冬のような異常降雪時においては、刻々と変化する状況に合わせ、優先的に除雪すべき路線の選定など道路管理者間において情報を共有するとともに、地域内での管理者の垣根を越えた応援や、さらには地域外からの応援の実施などにより、臨機の除雪体制を取ることが重要であると考えております。 県といたしましては、こうした観点を踏まえ、今冬の異常降雪時における課題を整理し、対応を検討の上、今後の除雪体制へ反映してまいります。 次に、脱炭素に向けての取組や電力の現状についてお答えいたします。 電力需要の増加とこれに対する対応についてでありますが、国は、昨年12月に策定したグリーン成長戦略で、全ての電力需要を100%再生可能エネルギーで賄うことは困難と考えることが現実的であるため、2050年の発電量の約50%から60%を再生可能エネルギーで、残りをカーボンリサイクルと組み合わせた火力発電や水素等で賄うことを一つの目安として今後、議論を進めるとしています。 また、その実現に向けて、国では、再生可能エネルギーを最大限導入し、あわせて民間の技術開発を支援することでイノベーションを進めることとしています。 電力需要に適応できるよう、国において適切に取組が進められるものと認識しておりますが、県といたしましては、引き続き、国の動向を注視するとともに、再生可能エネルギー、次世代エネルギーの導入促進に積極的に取り組んでまいります。 次に、地域振興策についてお答えします。 まず、市町村合併後の旧町村地域に対する認識についてでありますが、平成27年に有識者懇談会が取りまとめた報告書などにあるとおり、合併市町においては、組織・人員の専門化が進み、課題解決に向けた行政基盤が強化されるなど、住民サービスを提供する体制の充実及び底上げが図られる一方、課題としては、中心地区以外は取り残されてしまうという不安の声があるものと受け止めています。 現在、合併市町においては、合併によるメリットを生かしつつ、地域全体の活性化につなげていくため様々な取組を進めているところと承知しており、県としては、そうした取組をしっかりと支援していくことが重要と考えております。 次に、新たな過疎法の下での過疎地域の支援についてでありますが、新たな過疎法の制定に向けた議論の中で、今後の過疎対策は、持続可能な地域社会の形成や、過疎地域が有する可能性の実現による発展に重点を置いて推進していくとの考え方が示されており、これを踏まえて今国会で制定される見込みの新たな過疎法は、多くが過疎地域である旧町村地域の持続的な発展に寄与するものと期待しております。 県といたしましては、新たな過疎法の下においても、過疎対策の主体である市町村と共に、それぞれ状況の異なる過疎地域の現場の声に耳を傾けながら、地域の実情に応じた施策を総合的に実施してまいります。 次に、中山間地域の農業・農村振興についてでありますが、議員御指摘のとおり、本県においても農家数の減少や高齢化に拍車がかかっており、特に生産条件が厳しい中山間地域は、その傾向が顕著に現れています。 こうした状況の中、住み続けることができる中山間地域として農業・農村が維持・発展していくためには、地域住民の主体的な参画により、長期的・現実的な目標を持った取組が継続して行われていくことが重要であると考えています。 このため、地域で営農継続や集落機能の維持に意欲的に取り組む方や、そうした方の活動をサポートする県や市町村等の人材を養成し、地域の将来プランの策定や活動の主体となる組織づくり、プランの実践の支援を全県で展開してまいります。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) 2点につきましてお答え申し上げます。 特定地域づくり事業協同組合制度の導入に向けた支援についてでありますが、本制度は、地域の担い手となる若者等の定住を促進する上で有効と考えられることから、県では、昨年の制度開始後、速やかに説明会を開催するなど、市町村に対して活用を促してまいりました。 現在、県内では粟島浦村において特定地域づくり事業協同組合の設立準備が進められているほか、10を超える市町村において設立に向けた検討が行われているところです。 本制度は、組合の設立や運営費用を市町村が助成する場合に国の手厚い財政支援がある一方、多くの関係者との調整を要し、設立手続も複雑という声もあると聞いております。 このため、県といたしましては、引き続き県中小企業団体中央会と連携し、市町村主催の勉強会での助言等を行うほか、設立に向けた手続や関係機関との調整をサポートすることにより、市町村の制度活用について積極的に働きかけてまいります。 次に、地域活性化リーディングプロジェクトについてでありますが、これまでの湯沢町・妙高市での取組に加え、新年度は、佐渡市で取組を展開するほか、議員御指摘の村上市、関川村、粟島浦村から成る村上エリア、上越市、糸魚川市、妙高市から成る上越エリアでのプロジェクト実施を予定しております。 先行地域では、県や市町村の若手職員を中心としたプロジェクトチーム等により、人と企業を呼び込むコンセプトや具体的な取組を検討した上で、事業を展開しているところです。 村上エリア、上越エリアにおいても、県がリードして地域振興局を含めた県職員と市町村職員によるプロジェクトチームを立ち上げ、市町村としっかり連携を図りながら、両エリアの持つそれぞれの強みや財産を明らかにした上で、スピード感を持って具体的な取組を検討し、民間事業者とも一体となって、人と企業を本県に呼び込むための施策を進めてまいりたいと考えております。   〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕 ◎総務管理部長(笠鳥公一君) お答えをいたします。 令和4年度以降の地方交付税等の見込みについてでありますが、制約の多い地方財政制度の中で、地方がそれぞれの地域の実情を踏まえた必要な施策を展開していくためには、地方交付税制度がその本来の機能である財源保障の役割を果たすことが不可欠であると考えております。 今後も、地方一般財源総額実質同水準ルールの取扱いを注視しつつ、しっかりと地方一般財源総額の確保・充実がなされるよう国に働きかけてまいります。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 自動車のCO2排出量削減運動についてでありますが、議員御指摘のとおり、自動車からのCO2削減は重要であることから、県では、県民生活や事業活動におけるエコドライブ運動を展開し、アイドリングストップや、車間距離にゆとりを持った、加速・減速の少ない運転など、燃費がよく、ガソリンなど燃料消費の少ない、環境に優しい運転を促進しています。 今後も、県民の皆様に対しエコドライブについて広く呼びかけ、自動車運転に伴う温室効果ガス排出量の削減に取り組んでまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 5点についてお答えいたします。 よろず支援拠点の周知等についてでありますが、よろず支援拠点は、中小企業者に対する経営支援体制の強化を目的として、各都道府県に設置されており、本県では、NICOが実施機関として国から受託しております。 拠点事業については、これまで、ホームページやSNSの活用、NICO機関誌の特集記事、地元紙への広告掲載などを通じて周知に努めているほか、出張相談会やセミナーの開催などにより相談体制の充実を図ってまいりました。 また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、非対面での相談にも対応できる窓口を設置したこともあり、近年、相談件数は増加しております。 引き続き、様々な媒体を活用しながら積極的な周知に努めるとともに、商工団体や金融機関等と一層の連携を図り、地域での出張相談の拡充に努めながら、相談件数の増加につなげてまいります。 次に、今後も厳しい状況に置かれる中小企業への支援についてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大による影響がさらに長期化した場合、業績が回復せず、融資の返済に苦慮する事業者が出てくることが懸念されます。 県といたしましては、制度融資を受けた事業者の事業継続や経営の安定化を図るため、足元で売上げ減少が続く事業者を応援金などで支援しております。また、金融機関からは個々の事業者の実情に応じた伴走支援のほか、既往債務の返済猶予等にも努めていただいております。 引き続き、県内企業の経営状況を把握し、商工団体をはじめ信用保証協会や金融機関等とも連携して、適時適切な支援を検討してまいります。 次に、下請かけこみ寺の周知等についてでありますが、下請かけこみ寺は、下請中小企業にとって、取引等に関する相談の最も身近な窓口として、国が各都道府県に設置しているもので、本県ではNICOが相談窓口となっております。 相談内容としては、代金の未払いや契約トラブルに関することが多く、そのほか下請法や建設業法に関する問合せなど多岐にわたり、相談件数は近年増加傾向にございます。 県では、これまで、ホームページやNICO機関誌、メールマガジンなどのほか、国とも連携しながら相談窓口の周知を図ってまいりました。 引き続き、様々な媒体を活用しながら積極的な周知に努めるとともに、商工団体等とより一層の連携を図り、地域での出張相談にも対応しながら、相談体制を強化してまいりたいと考えております。 次に、新電力における値上がり状況と県内企業への影響についてでありますが、議員御指摘のとおり、この冬の厳しい寒さ等で電力需給が逼迫したことにより、卸電力市場の価格が一時高騰し、市場の取引価格と連動して電気料金が変動する、市場連動型プランを提供している一部の新電力の料金が値上がりしたと承知しております。 情報が公開されていないため、どの程度の県内企業がこのプランを利用しているかは把握しておりませんが、卸電力市場の価格高騰が一時的であったこと、東北電力管内における新電力のシェアは、昨年6月時点で約14%にとどまっていること、さらに、そのうち、このプランを採用している会社は一部に限られていることなどから、値上がりの影響を受けている県内企業は限定的であると推測しております。 次に、電気自動車の普及についてでありますが、議員御指摘のとおり、電気自動車については、長時間の渋滞が発生した場合に、電力不足となるリスクがあると言われているなど、現状では、雪国に限らず、EVシフトに当たっては、幾つかの課題があるものと認識しております。 一方で、災害時に電気を供給できるなどのメリットがあり、温室効果ガスの排出の抑制による地球温暖化対策にも資することから、本県では、電気自動車の普及を促進しているところです。 県といたしましては、自動車メーカーの技術開発動向等も注視しつつ、課題を含め、電気自動車に関する情報を広く提供してまいります。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 道路除雪に関する今後の課題の整理についてでありますが、今冬の平年を大幅に上回る短時間での降雪により、県管理道路においてもスタック車両の発生や倒木、集中除雪の実施等のため、通行規制を行ったところです。 また、降雪状況に応じた応援除雪や、渋滞による除雪機械の回送の遅れ、雪捨場へのアクセス路線の優先除雪など、短時間の集中降雪時における課題を認識したところです。 県といたしましては、地域機関や関係機関等と今冬の課題を整理し、対応を検討の上、今後の除雪体制に反映してまいります。 ○副議長(佐藤純君) 中村康司君の質問は終わりました。 次に、斎京四郎君の発言を許します。斎京四郎君。   〔斎京四郎君登壇〕(拍手) ◆斎京四郎君 上越市選出、自由民主党の斎京四郎です。通告に従い、一般質問を行います。 まずもって、新型コロナウイルス感染症対策、豪雪被害対応などの渦中にあって、昼夜を問わず県民生活のために尽力している県職員の皆さんに敬意を表したいと思います。ありがとうございます。 さて、前回の一般質問で取り上げたSociety5.0の社会に向けて、行政のデジタル化やDXが今定例会でも話題となっておりますが、全ての取組がそうであるように、最後は人、すなわち人材の確保、育成が最大のポイントであることは言うまでもありません。こうした観点から、まず新潟県の人材育成をテーマに県の方針をお伺いします。 まず、今回の予算編成を見ても、人件費は財政改革のための削減があるとはいえ、総予算の16.5%と依然大きな割合を占めています。これだけの言わば投資をしている人材を生かし切り、県政の様々な課題に対応するためには、資質・能力の高い県職員の人材の確保、育成、適切な処遇が大切かと思いますが、本県における人材登用、そして育成の基本的な考え方について知事に伺います。 次に、花角知事が就任して間もなく3年がたちますが、住んでよし、訪れてよしを目指した新潟県づくりに対する様々な取組が形となってきていると思います。 こうしたことは、県庁職員の働く意欲の向上や、チャレンジスピリットを発揮しやすい環境整備が進んでいることも大きく影響していると認識していますが、知事は就任当初から県庁職員に対し、大胆な発想力と緻密な行動力を発揮することを求めてきたと承知しています。ここまでの県庁職員の仕事ぶりについて、どのように評価しているか伺います。 次に、一般社団法人日本能率協会が今年度行った新入社員意識調査によれば、1つの仕事に精通して専門性を磨きたいというスペシャリスト志向が、いろいろな業務を経験して仕事の幅を広げたいという、いわゆるゼネラリスト志向を上回って6割を超え、過去最高になっています。 民間企業とは単純に比較できないとはいえ、デジタルネーティブあるいはジェネレーションZと言われ、価値観やコミュニケーションスタイルが我々の世代とは全く違う若い世代がこの建物の中でも活躍し始めています。また、こうした世代が増加していることは、人事の制度の面でも再考が求められていると考えられます。 産労総合研究所が行った最新の調査では、人事の等級制度として、従来のゼネラリスト育成に重きを置く職能資格制度の比率が70%前後と変わらない一方、スペシャリスト的機能を生かせる役割等級制度と言われる新しい人事制度の導入率が59.7%と過去最高に高まってきています。 こうした状況下では、長きにわたり制度的には大きな変更のない職務の等級や号給に基づく給料表の在り方自体が、時代に合わなくなる可能性も否定できません。 国の法律や条例の改定など、簡単に制度変更はできないことは重々承知しておりますが、こうした若者の意識変化にいつまでも無頓着では、優秀な人材を確保することも難しくなりかねません。 本県としても、優秀な人材を確保する上でも、こうした傾向を鑑みて、スペシャリスト志向が強く、仕事上の地位よりも仕事の内容に生きがいを感じる世代の増加に、将来的に対応できるような制度の検討を始める時期ではないかと思います。 こうしたことから、行政課題が細分化し、専門性が求められている中、本県の県庁職員においても、俯瞰的な見地からマネジメントするゼネラリスト的役割と、業務内容の専門的な知識を持ち、課題に対応するスペシャリスト的人材のバランスが一層重要になってくると考えられます。 特に採用数の多い一般行政職においては、ゼネラリスト的な役割を担う人材が昇進等においても重視されているように思いますが、今後、専門性を生かしたキャリアを選択でき、専門性を適正に評価し、登用を行っていくべきとの考え方について、知事の所見を伺います。 次に、職員のスキルアップや意識改革には研修が不可欠ですが、従来の講義、座学中心の研修スタイルから対話型、課題解決型の研修が主流になりつつあります。 本県においても、職員の職能向上のため、研修制度の見直しに取り組んでいることと思いますが、県の研修制度では昨年度より政策形成研修を取り入れているようですが、従来の研修に比してどのような特徴があるのか、またこの研修の成果と今後に向けた改善課題について伺います。 さて、新潟県が行うべき人材育成は何も県職員だけではありません。住んでよし、訪れてよしの新潟県をつくるには、民間の人材育成についての支援制度を充実させることが不可欠です。こうした観点から幾つか質問します。 我が国における急速な少子高齢化の進展に的確に対応し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくためには、国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会の形成を推進することが重要であり、国ではこうした観点から、地域おこし協力隊を2002年から制度化しています。 この制度は、御承知のとおり、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に移住して、地域協力活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組であり、総務省はこの事業を令和6年度には、現在の約5,500人から8,000人に拡大する方針を示し、この目標に向けて地域おこし協力隊等の強化を行うこととしています。こうしたことからも、来年度、国ではこの制度の充実、拡充に向け、新たな取組も始まると聞いています。 現状においては、この制度に関して、本県では中山間地を中心とする、僻地と言われる地域での地域活動に活用するウエートが高いと思いますが、我が党の代表質問にもあったように、今回の豪雪被害で空き家問題が表面化したことに象徴される、中心市街地の過疎化現象も深刻で、私の住む直江津市街地でも減少の度合いは中山間地と何ら変わることはありません。 リモートワークも注目を集める中、この制度の活用においては、その人材の登用において、活動テーマに応じて専門性や技術、ノウハウを持った人材を獲得することがより一層求められているのではないでしょうか。 こうした観点から、令和3年度の総務省事業では、地域プロジェクトマネージャー制度を創設するようですが、地域づくりのブリッジ人材確保への期待は大きいと言えると思います。 また、総務省は、地域おこし協力隊インターン制度を導入するようですが、地域おこし協力隊は一定の期間が経過していることもあり、成果と課題も明確になりつつあると感じています。より有為な人材の確保に向けて地域おこし協力隊の課題をどのように捉えているのか、また今後、県としてどのような支援を行うべきか、知事の所見を伺います。 次に、こうした制度をより一層、効果のあるものとするためには、派遣する自治体が地域の事情や課題を深く理解して、適切な人材配置をすることが重要な視点と言えるでしょう。 そうした観点から見ると、現状における地域の課題を抽出し、諸活動の担い手を育成しようとすることは、新たな地域おこし協力隊制度との将来的なリンケージを図る意味で、非常に重要なリサーチとなるとも言えると思います。 こうしたことから、地域政策課が主管して、中山間地などの過疎地域の活性化として実施している、地域づくりの段階に応じた支援事業は、活動の担い手を育成する上で非常に重要な施策と考えられ、その中ではこれまで地域づくりサポートチームなるものを各地域振興局に設置し、地域に入り込んで支援等を行ってきたと承知していますが、これまでの成果について伺います。 次に、こうした制度が国の示す制度目的に示されているように、最終的には移住・定住を促進する狙いを持っているのであれば、将来的に地域の産業の担い手として活躍することが求められていることは言うまでもなく、地域おこし協力隊の隊員に限らず、課題の多い地域であってもそこに住み、活躍したいと志す人間を受け入れる地域側の産業基盤や、担い手として意欲が持てる環境の整備が必須とも言えると思います。 例えば中山間地の集落存続には、なりわいの中心となっている農林業の振興が重要であると考えますが、農林水産部では新たに、ビレッジプラン2030と称して、営農や集落機能の維持・発展に取り組む人材育成やプランの策定・実践を支援することとしています。 本事業を展開するには、知事政策局で取り組んできた地域づくりサポートチーム事業等の成果も踏まえ、関係部局がしっかりと連携して取り組んでいくことが重要であると考えますが、知事の所見を伺います。 次に、防災面での人材育成について質問します。 防災面でのソフトパワーは地域力のバロメーターでもあり、こうした地域の防災力を高める人材の育成・確保は、ある意味防災グッズよりも効果を発揮する場面もあるはずです。 県民の命と暮らしを守る一段加速した防災・減災対策において、ソフト面の支援は重要ですが、本年度県が新たに取り組んだ防災シニアリーダー養成の取組について、その成果と課題について伺うとともに、地域における防災に関わる人材育成の今後の方針について伺います。 次に、ハード面について伺います。 災害発生時には、警察、消防、状況によっては自衛隊などが活動し、またそうした面が取り上げられることも多いです。大いに感謝申し上げるところでありますが、そうした皆さんと共に災害時の最前線の安全や物資の供給を支えているのはその実、地域の中小建設業者や運輸業の皆さんであり、彼ら、彼女らこそ真の意味で地域の守り神と言えるでしょう。 しかし、その活動はあまり取り上げられることはありませんが、こうした業界の衰退は地域の防災力の弱体化に直結する問題なのです。 こうした守り神を守り、防災・減災対策を加速するには、地域の安全を守る公共事業費の拡充が最も重要と言えますが、現場は深刻な人材不足が続いている状況です。 県は、新年度予算でも建設産業人材確保・育成緊急対策事業において、若手・女性の入職・定着に向けた取組を強化しているようですが、本年度新たに取り組んだ若手・女性の連携推進の成果と課題について伺うとともに、建設産業の人材確保・育成に関する今後の方針について伺います。 次に、医療・介護体制の充実に関する人材の問題について質問します。 まず、医療体制の充実は本県喫緊の課題ですが、医師確保は当然のことながら看護職員確保も大きな問題です。しかし、実際の人材確保の現場では、民間の人材あっせん業者の介入が激しく、なかなか思うような人材確保が難しいとも聞いていますが、実態をどのように把握し、またどのような看護職員確保対策を講じていくのか、予算措置も含めて知事の所見を伺います。 次に、地域包括ケアシステム構築市町村支援事業の予算も大幅に増額されていることはもとより、その主な支援は人材育成に充てられていることからも、この事業への期待は大きいと言えます。住み慣れた地域で生活できる高齢者福祉の推進のため、地域包括ケアシステムを担う人材の育成は重要な課題ですが、当初予算においてどこに重点を置いて施策を構築したのか、知事の所見を伺います。 次に、産業振興に関する人材育成の観点から2点お伺いします。 まず、知事は新しい成長分野の育成や企業誘致に力を注いでいますが、IT産業分野こそ人材の投資、育成が重要な産業分野であると言えます。 確かに花角知事のリーダーシップの下、新潟地区や県央、長岡地区ではIT企業の集積が始まりつつありますが、上越地域はそもそもIT企業やソリューションの開発にたけた企業が少なく、なかなかコアになる企業の数に課題があるのが現状です。 そうしたことからか、今年度実施されているIT人材育成プロジェクトは、上越地域に相談会場が設置されていないなどの現実があります。しかし、今後、新しい成長分野であるIT産業の誘致を考えた場合、地域的なバランスに課題があるとも言えると思います。 本年度、民間スタートアップ拠点の設置やアフターコロナを見据えたイノベーション創出事業などに採択された上越地域にも、こうしたIT人材育成プロジェクトにチャレンジしやすい環境整備をすべきと思います。IT人材確保プロジェクト事業も含め、地域特性を踏まえたIT人材育成も必要と考えますが、所見を伺います。 次に、今年度県が実施した「消費喚起・需要拡大プロジェクト」応援事業においては、私の住む直江津駅前商店街も御支援を頂き、商店街の若者が生き生きとイベントに取り組んでおりました。コロナ禍の影響でまち全体が沈む中、大変ありがたく、また効果的な支援策だったと感謝申し上げます。 こうした中心市街地の活性化に向けて、県では商店街の若手リーダー等の育成を図ることとしていますが、どのような課題に対していかなる方法で育成を図っていくのか、これまでの取組と今後の方針について伺います。 次に、教育に関する地域連携人材育成に関する事項について質問いたします。 国は、Society5.0の社会を地域から分厚く支える人材の育成に向けた教育改革を推進するため、経済財政運営と改革の基本方針2018、あるいはまち・ひと・しごと創生基本方針2018などで高等学校が自治体、高等教育機関あるいは産業界等との協働によりコンソーシアムを結成し、地域課題の解決等の探求的な学びを実現する取組を推進するとし、従来の教育委員会の枠組みを超えた方針を示しています。 このことは、文部科学省だけではなく、国全体の動きとして地域連携教育推進の優先順位が上がってきているということを示しています。既に他県では実践が始まっていますが、この方向性を実現していくためには、本県においても教育委員会と知事部局が連携していく必要性があります。 そこでまず、教育委員会にお伺いします。 2020年からの新学習指導要領には、よりよい学校教育を通してよりよい社会をつくるの理念の実現に向けて、組織的・継続的に地域と学校が連携・協働していくことが大変重要であると示されました。 もはや地域連携は、学校施設の開放や地域人材が学校の中で活用されるといういわゆる社会教育的、生涯教育的な次元ではありません。その学びというものは、イベント的ではなく、これからの新しい学びのキーワードである、個別最適化された日常の学びの中に地域連携教育というのがあるはずです。 新学習指導要領の前文にこの理念が示されたということは、地域連携教育が今後の学校教育の一つの柱となるということであり、各学校の教育課程への指導、助言ができる義務教育課と高等学校教育課が中心となって取り組むべき課題と考えますが、新学習指導要領の趣旨に基づく地域連携の推進の方向性について、教育長の所見を伺います。 次に、この地域連携を推進する上での人材供給の問題があります。先ほど申し上げましたように、地域連携教育の推進は、今までの文部科学省、教育委員会が取り組むだけではなく、人口減少など地域課題の解決に向けて、国全体や地方公共団体も主体となって取り組むべき課題であることから、こうした連携の推進を担う人材や環境の提供については、知事部局も積極的に関与する責務があるということではないでしょうか。 学校が地域と連携・協働するということは、持続可能な地域づくりにつながるものであり、地域や地元の課題解決に関心を持つ生徒を育成することは、郷土を愛する生徒を自然な形で育成し、将来的には人口減少対策にも有効だと言われています。 まさに先日、財政課の皆さんが我々に予算案を説明したときに、本県の課題の一丁目一番地は人口減少問題の解決であるとおっしゃったことを考えれば、知事部局の総力を挙げて、地域連携教育推進に協力するのは必然的とも言えるでしょう。 例えば島根県では、地域おこし協力隊の隊員を学校現場に配属しています。地域連携コーディネーターとして地域おこし協力隊員を積極的に活用しており、また山形県の最上地方では、本県の地域振興局に当たる総合支庁が学校と連携して、新しい地域連携の取組の主体となって実践を始めています。 本県でも知事政策局が同様の取組を僅かながら始めつつありますが、教育委員会や他部局とも積極的に連携を図り、予算措置も含めて、この地域連携の教育推進の方向性を強力に推し進める必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 この項の最後に、学校現場の教員を支援するスクール・サポート・スタッフの制度について伺います。 この制度は、教員の負担軽減につながり、働き方改革、ひいては教育の質の向上に資するものであり、国の制度設計の関係で、年度末などスクール・サポート・スタッフが最も必要な時期である学校の繁忙期に、雇用の空白期間が生まれたりするなど、制度上の課題もあると聞いています。 本県では、こうした現場の声に即応して、今年度末には本県独自の判断で任用期間を調整するなど、画期的な対応がなされたようであります。まさに英断であり、現場の声に寄り添ったすばらしい対応だったと評価でき、また感謝を申し上げるところであります。 そこで、今後より一層、この制度を有効に活用するためにも、任用期間や勤務時間などに工夫が必要であることから、国への働きかけを強めるなどして改善に努めていくべきと考えますが、知事の所見を伺ってこの項を終わります。 続いて、上越地域の諸課題について何点か伺います。 最初に、保倉川放水路について、去る12月に関川流域委員会が開催され、国土交通省が示した概略ルートのうち、西側ルート案が優位との判断が示され、スピード感が大切との委員長のまとめもありました。 今後、住民説明会などが開かれるなどして進捗が図られると思いますが、プロジェクトの進捗に向け、今後、県として国と積極的な情報交換を行い、一刻も早い実現に向けた努力を重ねていただきたいと願っています。 そこで、この事業の今後の推進に向けた県の取組方針について伺います。 次に、豪雪災害に関する件について質問します。 今回の上越の豪雪被害において、県道、市道の除雪区分が問題となりました。先ほど中村議員も触れていらっしゃいましたが、ある集落からは、近くに市道除雪のロータリーがあるので、町内は車が通せるが、県道に出られないので、町内しか運転できない、町内は歩いていける、なぜ県道、市道で相互の乗り入れで除雪できないのかという声がありました。 除雪業者の担当エリアの問題、あるいは道路管理上の問題などがあることは重々理解しているところでありますが、今回のような想定外の豪雪の場合、例えば災害対策本部設置あるいは一定の積雪量を超えた場合は、特例措置としてエリア除雪に切り替えるなどの緊急事態の場合の基準づくりを、基礎自治体と協議する必要があると考えますが、所見を伺います。 次に、特別支援学校の現状と課題についてお伺いします。 県立の特別支援学校は教育水準が高く、サポート体制もよいことから、進学を希望する家庭も多いと聞いています。しかし、上越市は面積が広く、親が仕事を持っている場合には、朝の子供の受渡しの時間の関係で通学が不可能と訴える保護者もいるのも事実です。 臨時職員の配置など体制を検討し、受入れ時間を早めるなどの措置を検討すべきと考えますが、所見を伺います。 次に、地元園芸作物の地産地消について伺います。 県は、第2次食育推進計画に基づいて食育の推進を行っていますが、例えば学校給食は業者も固定化される傾向があり、費用の面からも、なかなか地元食材の利活用が進んでいない現状があると聞いています。園芸への転換を進める本県にとって販路拡大は重要であり、地元野菜など食材の地産地消を推進する上でも、学校教育への地元食材の利用促進に向けた支援の工夫が必要と考えますが、現状の認識と今後に向けた知事の所見を伺います。 次に、新交通システムの推進について伺います。 県が進めているローカル5Gネットワークの拠点構想の一環として、上越妙高駅周辺でのラボの構築事業が始動しつつありますが、このエリアは5Gの電波の中でも、サブ6という電波を使った屋外型の実証実験が可能となるのが特徴です。 私も環境整備に汗をかいているつもりですが、オープンエアでの実証実験などが可能となるスペースや実験エリアの設置が鍵となることは間違いありません。 したがって、自動運転などは屋外型の実証実験の対象としては誠に適したテーマと言えるわけで、こうしたことが可能となる環境づくりは、県の推進する事業の成否を握っているとも言えるでしょう。 例えば自動運転バスは、過疎地や観光地などでの有力な公共交通手段の一つとして積極的に推進すべきであると考えますが、県内では過去に山古志地区で実証実験が行われたと聞いています。 そこで、自動運転実証の県内の動向について伺います。 また、地域の足の確保は本県の大きな課題であり、市町村や民間事業者だけで取組を進めることは難しい面もあることから、県が民間事業者と連携しながら、県内各地に起業を支援するスタートアップ拠点の整備を進めたように、県内各地で自動運転の実証実験が行われるよう、県がリーダーシップを発揮し、市町村や民間事業者に働きかけて取組を進めることを強く期待していますが、知事の所見を伺います。 次に、佐渡汽船の経営問題について、影を落としている小木-直江津航路の問題について質問します。 さきの9月定例会で、検討する組織の設置や協議の場への協力体制について尽力する旨の答弁を頂いたところでありますが、この趣旨に基づき、先般、上越市議会、佐渡市議会の主立った議員と学習会をそれぞれ行い、活性化のために議員連盟を発足させるべく活動を始めたところであります。 残念ながら上越市は、来年度予算で支援を当面見送るとの判断をしたようでありますが、小木-直江津航路はその在り方についてあらゆる角度から検討し、存続に向けて知恵を絞るべきと考えております。この航路の存続に向けた知事の決意について伺います。 最後に、観光推進の観点から質問します。 えちごトキめき鉄道の鳥塚亮社長は、就任以来、「駅をにぎやかにする」をモットーに、先般、国の事業を活用してSLのデゴイチの動態展示を始め、様々な斬新的な取組をしているところでありますが、県としても、えちごトキめき鉄道の最大の株主として、交流人口の増加あるいは起爆剤として、地元自治体と協力してこうした構想の後押しを積極的に行うべきと考えますが、知事の所見を伺って、私の一般質問を終わります。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 斎京議員の一般質問にお答えします。 まず初めに、本県における人材登用や育成の基本的な考え方についてでありますけれども、本県が直面する様々な課題に的確に対応するためには、目的意識を持って課題を認識し、主体的に考え、行動できる人材を育成するとともに、そうした人材を積極的に登用することが重要であると考えています。 このため、県では、人材育成基本方針を定め、高度化・専門化する行政ニーズに対応できる知識や、政策立案能力等を習得する研修を実施するとともに、成果を上げた職員が報われる適正な人事評価と、これを基礎とした適材適所の任用などにより、人材の登用・育成に取り組んでいるところです。 今後とも、質の高い行政サービスを提供できるよう、資質・能力の高い職員の登用・育成に努めてまいります。 次に、職員の仕事ぶりに対する評価についてでありますが、議員御指摘のとおり、職員に対しては、発想は大胆に、実行は緻密に、失敗を恐れずにチャレンジするという姿勢で仕事に臨むよう、機会を捉えて伝えてまいりました。 これまでに、例えば、若手職員の政策提案において、主体的で前向きなアイデアが提案されており、今議会お諮りしている当初予算案の編成に当たっても、財政状況が厳しい中、職員から様々な発案があったところです。 また、このたびの新型コロナウイルスへの対応においても、先を見た迅速な行動が取られていると考えており、少しずつではありますが、望ましい方向に変わってきているのではないかと考えています。 今後も、引き続き、こうした姿勢で仕事に取り組んでもらいたいと考えております。 次に、職員のキャリア選択と登用についてでありますが、高度化・複雑化する行政ニーズに的確に対応していくためには、幅広い視野や多様な業務経験を基礎にしつつ、専門的な知識・経験を有する職員を育成し、登用していくことが必要と考えています。 このため、職員の専門的なキャリア選択が可能となるよう公募制人事を実施するとともに、異動サイクルの長期化や、経験を有する職員の再配置などに配慮した人事異動により、専門性を有する職員の育成・登用に取り組んでいるところです。 今後とも、様々な行政課題に的確に対応できるよう、適材適所の人事配置に努めてまいります。 次に、地域おこし協力隊の人材確保等への支援についてでありますが、本県においては、度重なる地震でのボランティアの受入れ経験が生かされ、制度開始当初から市町村で積極的に導入が進められてきたことにより、隊員数や定住率は全国上位にあります。 一方、近年は、全国的な担い手不足により、県内市町村においても、必要数を確保できていない状況にあり、また、地域の受入れ体制が整わない状態で導入され、存分に活動できずにいるケースも、県主催の研修等を通じて把握されているところです。 県といたしましては、隊員を通じた魅力的な活動情報の発信など、隊員のネットワークを生かした効果的な人材確保に取り組むほか、隊員と市町村・地域との意見交換の実施や、現役隊員と隊員OB・OGとの関係づくりを支援するとともに、議員御指摘のインターン制度の活用を促すなど、地域の受入れ体制の整備に取り組んでまいります。 次に、中山間地域の維持・発展についてでありますが、議員御指摘のとおり、中山間地域のなりわいの中心となっている農林業の維持・発展は、地域の持続可能性に直結することから、地域を維持していくためにも農業・農村振興にしっかりと取り組んでいくことが必要です。 このため、ビレッジプラン2030では、営農継続や集落機能の維持に意欲的に取り組む方などの養成に加え、将来プランの策定や活動の主体となる組織づくり、プランの実践の支援を全県で展開することとしております。 県といたしましては、中山間地域の基幹産業である農林水産業の振興を担う農林水産部が中心となり、関係部局はもとより、市町村、関係機関としっかり連携をし、中山間地域の振興を推進してまいりたいと考えております。 次に、看護職員確保対策についてでありますが、看護職員の総数は年々増加しているものの、地域偏在の解消が課題と認識しており、新年度においては、看護職員が不足している地域の市町村と連携をし、修学資金の貸与を行い、偏在解消に向けた取組を強化してまいります。 あわせて、高度化・専門化する医療等のニーズに対応するため、専門性の高い看護職員の育成を強化し、看護の質の向上を図るとともに、県内でキャリアアップできる環境を拡充してまいります。 県といたしましては、引き続き必要な予算を確保した上で、様々な取組を組み合わせ、看護職員の確保・定着に全力で取り組んでまいります。 なお、看護職員確保の実態については、福祉保健部長からお答えいたします。 次に、地域包括ケアシステムを担う人材の育成についてでありますが、議員御指摘のとおり、地域包括ケアシステムの構築において人材育成は重要であると認識しており、今後の高齢化の進展を見据えた国の手引等を踏まえますと、高齢者が要介護に陥らないよう、より効果的な介護予防サービスを創出することや、データ分析を通じた市町村職員の企画立案能力向上に関し、特に市町村への支援のニーズがあるものと受け止めております。 このため県では、新年度において、他県で実績を上げている介護予防サービスのノウハウを県内に普及するための研修や、在宅医療と介護の連携に関するデータ分析の研修などに重点を置きながら、地域包括ケアシステム構築に取り組む市町村を人材育成の面からも支援してまいりたいと考えております。 次に、学校と地域との連携・協働についてでありますが、学校が地域と関わりを持ち、児童生徒の地域への理解と愛着心を高めることは、将来の定住促進や地域づくりの担い手育成の観点からも重要であると認識しております。 県では、今年度から、高校生が専門家の助言を受けながら地域活性化に取り組むモデル事業を実施しており、例えば、阿賀黎明高校では、地域おこし協力隊が高校生と地域とのかけ橋となり、地域資源の発掘や商品開発等の活動を支援しております。 加えて、地域振興局が地域のニーズを踏まえ、高校や市町村等と連携をし、高校生が地域の魅力を再発見し、また、発信する事業を実施している例もあります。 県といたしましては、学校教育を担う教育委員会と、関係部局との連携をこれまで以上に強化し、学校と地域との連携・協働を促進してまいりたいと考えております。 次に、上越地域の諸課題についてお答えします。 まず、保倉川放水路推進に向けた取組方針についてでありますが、関川流域委員会では、複数の概略ルートのうち、西側ルートが優位であると判断するとの意見とともに、今後の進め方として、地域が一体となって放水路の在り方をつくり上げていくことが求められるとの意見も示されております。 県といたしましても、保倉川流域の住民の命と暮らしを守る放水路の推進には、地域のコンセンサスを得ながら進めていくべきと認識しております。 今後も、早期事業着手に向け、国及び上越市と情報共有するなど、引き続き積極的に協力・連携してまいります。 次に、緊急時における道路除雪の連携についてでありますが、議員御指摘のとおり、異常降雪時においては、管理路線にとらわれない除雪機械の柔軟な運用など、管理者間の垣根を越えた取組が重要であると改めて認識したところです。 一方で、エリア除雪については、事前の障害物の把握や道路構造に適した機械配置などの課題があります。 県といたしましては、今冬の除雪対応の振り返り等において課題を整理し、異常降雪時の道路除雪における道路管理者間の連携について協議してまいります。 次に、学校給食への地元食材の利用促進に向けた支援についてでありますが、今年度、新型コロナウイルス感染症の影響で需要が減少した、にいがた和牛と県産水産物を、食育の推進と併せて学校給食に提供しましたが、各学校においては児童生徒の心身の健全な発達のため、限られた予算の中で真摯に取り組んでおられると伺っております。 一方、利用促進に向けた課題として、議員御指摘の費用面だけではなく、地元食材だけでは必要な品目数や数量が調達できないとの声も多くいただいています。 県といたしましては、まずは地元食材の安定した生産、供給に向け、園芸品目の生産拡大と広域的な集出荷体制の構築などを推進することで市場競争力を高め、学校給食での地元食材利用の促進につなげていきたいと考えております。 次に、自動運転の実証についてでありますが、自動運転は、導入・運行コストや走行環境の整備等の課題があるものの、議員御指摘のとおり、過疎地や観光地等での有力な公共交通手段の一つとして、今後の普及拡大が期待されるところです。 そのため、県といたしましては、市町村や交通事業者等に対し、国の実証実験の動向や先進事例・支援策に関する情報を提供するとともに、開発事業者に対し、県内における事業展開を働きかけるなど、実証に向けた取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。 なお、県内の実証の動向につきましては、交通政策局長からお答えいたします。 次に、小木-直江津航路の存続についてでありますが、議員御指摘のとおり、小木-直江津航路への対応は経営上の大きな課題であり、今般、佐渡汽船では、就航船舶をジェットフォイルに変更することにより、収支の改善を図ることとしたところですが、新型コロナウイルス感染症の影響により輸送需要の回復はいまだ見通せず、予断を許さない状況にあると認識しております。 県といたしましては、就航船舶変更後の航路運営をはじめ、佐渡汽船の経営状況を見極めながら、小木-直江津航路の存続に向けた収支改善策等を含め、佐渡航路全体としてどのような対応が必要か、佐渡汽船や地元市、関係者等と鋭意検討してまいりたいと考えています。 次に、えちごトキめき鉄道の鉄道テーマパーク構想についてでありますが、えちごトキめき鉄道においては、直江津駅にある旧国鉄の車両庫などを保全活用し、車両庫内にSL機関車を導入するなど、歴史ある鉄道遺産の整備による観光拠点化を進めているところです。 こうした取組は、駅に多くの人を呼び込み、鉄道利用の促進による交流人口の増加や、来訪者の周遊による中心市街地の活性化にも寄与するものと考えています。 県といたしましては、地元自治体と共に、えちごトキめき鉄道の話題性や注目度の高い様々な取組を積極的に後押しし、交流人口の拡大や地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。   〔知事政策局長小岩徹郎君登壇〕 ◎知事政策局長(小岩徹郎君) お答え申し上げます。 地域づくりサポートチームの成果についてでありますが、昨年度、各地域振興局に設置された地域づくりサポートチームは、積極的に地域に入り、対話を重ねながら、地域の将来ビジョンを実現するための活動を行うものであり、外部人材等を通じた形ではなく、様々な行政分野の知見を有する県職員が、直接地域に入り活動するという特色があると考えております。 この事業は来年度を最終年度とする3か年の取組でありますが、これまでの活動の中で、県職員としての専門性を生かし、農産物の栽培や食品衛生に関する助言を行うなどにより、地域の農産物や加工品の商品化、交流拠点の整備など、地域の主体的な取組を後押しするといった活動が進んでおります。 進捗や取組の状況はチームによって様々でありますが、今後、多くの地域において、将来ビジョンの実現に近づくことができるよう、市町村と連携し、引き続き地域を支援してまいります。   〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕 ◎総務管理部長(笠鳥公一君) お答えをいたします。 政策形成研修の特徴等についてでありますが、県では、社会経済情勢により変化する行政ニーズや、地域の特性に応じた政策を形成する能力を養成・強化するため、昨年度より政策形成研修を実施しております。 この研修の特徴は、少人数のグループで長期間にわたって、課題設定から政策の立案、評価までの一連のプロセスを体系的に学ぶ点や、地域における課題の解決策を検討するため、県職員だけではなく市町村や県内民間企業等の職員も参加している点などにあります。 また、研修の成果につきましては、昨年度からの取組であるため、現時点で具体的に申し上げることはできませんが、研修生からは、異なる自治体や業種の職員との意見交換により、多面的な物の見方や幅広い視野を得られるよい機会になった、などの声があったところです。 一方で、研修を受講した職員が、その成果を発揮できる場を今後どのように確保していくかが課題であると考えております。   〔防災局長熊倉健君登壇〕 ◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。 地域における防災に関わる人材育成についてでありますが、地域防災活動の核となる防災リーダーの育成は、第一義的には市町村が担っておりますが、県では、本年度より、これらの方々に指導・助言する防災シニアリーダーの養成に取り組み、講座を開催したところです。 受講者からは、住民の適切な避難行動につながる情報伝達のノウハウ等の習得に成果があったなどの声が寄せられた一方、課題として、最近の大規模災害や新型コロナウイルス感染症を踏まえた対応についての知識も必要といった声も伺っております。来年度は、シニアリーダーの養成を継続するとともに、新たに県内大学と連携して最新の防災に関する講座等も実施し、地域の防災に関わる人材育成を支援してまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。 看護職員確保の実態についてでありますが、県内の病院を対象とした調査によりますと、募集人数の約9割が年度当初で採用できており、そのほとんどが民間職業紹介事業所を介さないものと聞いているところですが、一方で一部の医療機関からは夜勤が可能な看護職員が不足しているという声も聞いているところです。 なお、民間職業紹介事業所を介した就業については、国の調査等によれば年々増加しているものの、就業後6か月以内の離職率が23.1%と、ナースセンターやハローワーク等を通じた場合の12%を大きく上回っております。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 2点についてお答えいたします。 地域特性を踏まえたIT人材の育成についてでありますが、県では、県内企業のデジタル化の推進に必要なIT人材の確保に向け、IT業務未経験者向けの合同研修などのIT人材確保プロジェクトをはじめ、企業における実践的な職業訓練や高度なIT人材の育成など、段階に応じた支援を幅広く行ってきております。 さらに、新年度においては、非正規社員等を対象としたITスキルアップ訓練などの新たな取組についても、今議会にお諮りしているところです。 県といたしましては、こうした取組を地域で必要とするIT人材の確保につなげていくため、今後も地元の産業界や事業者等のニーズや課題を広く把握した上で、その実施に当たっては、地域バランスも考慮しながら、オンラインも含め各支援事業の具体的な方法を検討してまいります。 次に、商店街における若手リーダー等の育成についてでありますが、中心市街地において、居住人口の減少やネット通販市場の拡大などに伴う売上げの減少に加え、高齢化などによる商店街の担い手不足が大きな課題であると認識しております。 そのため、県では、平成27年度から意欲ある若手商業者グループの特色ある取組を支援することにより、リーダーとなる人材を育成してきたところですが、商業者のみで行われる取組は、新たな視点や発想が生まれにくいといった課題もあるものと認識しております。 そのため、新年度においては、商店街の若手リーダー等が、子育てや高齢者支援といった地域のニーズの高い取組に携わる外部のNPOなどと連携して行う、商店街のにぎわい創出の取組を支援してまいりたいと考えております。   〔土木部長金子法泰君登壇〕 ◎土木部長(金子法泰君) お答えいたします。 建設産業の人材確保・育成についてでありますが、建設産業人材確保・育成緊急対策事業では、これまで、建設関係団体が行う、学生に対する就職合同説明会や若手・女性従事者向けの技術力向上研修などを支援してきました。 本年度においては、学生との交流事業について、若手・女性技術者が主体的に企画に参画するなど、参加者目線での取組も広がっております。今後は、参加団体の拡大やさらなる実施内容の充実が課題と考えております。 県といたしましては、引き続き業界団体の取組を支援するとともに、新潟県建設産業活性化プランに基づき、週休2日をはじめとした労働環境の改善や、ICTによる生産性の向上など産業の魅力向上に業界と連携して取り組み、将来の担い手確保・育成につなげてまいります。   〔交通政策局長田中昌直君登壇〕 ◎交通政策局長(田中昌直君) お答えいたします。 県内の自動運転実証の動向についてでありますが、県内においては、国の制度を活用して、市町村が実証事業の採択に向けた企画提案を行ったり、交通事業者が次年度の事業実施のために検討調査を行うなどの動きが見られたところですが、いずれも新型コロナウイルス感染症の影響等により、実施までには至っていない状況です。 県内では、一昨年の長岡市山古志地区での国による実証以降、取組は行われていないと承知しておりますが、県内市町村には、引き続き次年度での実施を検討したり、自動運転に関心を示す動きもあることから、県といたしましては、こうした動きを後押ししてまいりたいと考えております。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 3点についてお答えいたします。 地域と連携した教育の推進についてでありますが、学校と地域が連携・協働して、持続可能な社会のつくり手を育成するという新学習指導要領の理念に基づいた教育活動を推進することは重要であると認識しております。 現在、小中学校では、地域の人材や企業と連携した教育活動を実施したり、コミュニティースクールを活用しながら、地域と共に歩む学校づくりを進めているところです。 また、高等学校においても、地域と連携・協働した特色化の取組が進められており、阿賀黎明高校では、阿賀町の町民組織、阿賀黎明探究パートナーズと連携し、地域探求活動に取り組んでいます。今後も国の動向を踏まえ、地域におけるコンソーシアム構築など、支援体制づくりの具体化を図ってまいります。 県教育委員会といたしましては、今後も地域と連携した教育活動が推進されるよう、各学校や市町村教育委員会へ働きかけてまいります。 次に、スクール・サポート・スタッフ制度の工夫についてでありますが、スクール・サポート・スタッフの有効活用には、配置校数の拡充と勤務日数の増加が重要であるとの観点から、来年度より、県による直接雇用に加え、雇用に要する経費の市町村への補助を制度化したところであります。 県教育委員会といたしましては、スクール・サポート・スタッフをさらに有効活用するために、国の補助率の引上げ等、国の財政措置を全国都道府県教育長協議会等を通じて、引き続き要望してまいります。 次に、県立特別支援学校の受入れ時間についてでありますが、議員御指摘のとおり、仕事等の関係から、早い登校時間を望む保護者もある一方で、障害の程度によっては遅い登校時間を望む声もあるところです。各学校では、こうした意見を踏まえ、始業時間等の調整に努めるとともに、より早い登校を望む家庭に対しては、始業時間前の受入れや寄宿舎の利用について、個別に相談を受け、対応しております。また、近年では、福祉事業所が行う送迎サービスを利用する家庭も増えてきております。 県教育委員会といたしましては、今後も保護者のニーズを把握した上で、始業・終業時間を設定したり、福祉送迎サービスの情報提供を行うよう、各学校に働きかけてまいります。 ○副議長(佐藤純君) 斎京四郎君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後3時9分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時25分 開議 ○議長(桜井甚一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、中川隆一君の発言を許します。中川隆一君。   〔中川隆一君登壇〕(拍手) ◆中川隆一君 自由民主党の中川隆一でございます。冒頭、昨年12月からの豪雪などの影響でお亡くなりになった方々へ心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。 それでは、通告に従いまして質問に入りたいと思います。 初めに、新型コロナウイルス感染症への対応についてお伺いいたします。 2020年の全国自殺者数は、速報値で2019年の確定値より750人多い2万919人で、リーマンショック後の2009年以来、11年ぶりに前年を上回り、傾向として男性が減少したのに対し、女性が増加するとともに、子供、若者の自殺者が増加し、コロナ禍での生活様式の変化がストレスとなって、心の健康に影響している可能性があることが指摘されております。 女性が増えた原因は、男性に比べ非正規雇用が多いため、失職や休職などによる経済的困窮リスクや、人との接触を伴う医療、福祉、飲食サービスなどの職域が多いことによる感染リスク、またこれらのリスクが高まる中、外出自粛による家事や育児の増加、親子や夫婦間など家族関係の不和等、様々な要因が複雑化・複合化し、ストレスとなることが原因、動機の一因であるとのことであります。 また、文部科学省は、2020年に自殺した小・中・高校生は479人で、前年の339人から大幅に増え、過去最多になったと明らかにしました。児童生徒の自殺の主な原因は、家族におけるしつけ、叱責、学業不振、進路問題等のほかに、新型コロナウイルス感染症拡大で休校となり、家にいることでのストレス増加や芸能人等の自殺の影響も指摘されております。 また、外出自粛や経済・雇用情勢の悪化により、在宅勤務等、家にいる時間が増えたことにより、DVや児童虐待の増加も報告されており、コロナ禍の長期化に伴う雇用状況の悪化や自粛生活などの影響により、全国的に自殺者、DV、児童虐待などが増加しており、本県でも同様の状況であると懸念をしておりますが、本県の現状をお伺いいたします。 これは県民の生命に係る重大な問題であると受け止めており、防止対策のさらなる充実を図る必要があると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症による自粛生活などから人と人との距離が離れ、増加する児童虐待やネグレクトなどに周囲が気づきにくい状況となっている中で、被害児童の変化に気づくことができる距離にいる身近な存在の学校、担任の先生の役割は重要であると考えます。 早期に児童の変化に気づき、被害児童をしっかりと守れるよう、教職員が一段高い意識を持つことが重要と考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 次に、経済対策についてお伺いいたします。 新型コロナウイルス感染症が拡大し、いまだ緊急事態宣言が発出されている都県がありますが、飲食店の営業時間の短縮や外出自粛などは経済に与える影響も大きく、特に飲食関連業種や観光関連業種は壊滅的な打撃を受けています。 本県でも警報を発令し、感染拡大が見られる他都道府県との往来や、ふだん顔を合わせない人との飲み会、食事会等は極力控え、飲食を伴う会合等を実施する際には感染防止対策を徹底するなど、県民に行動制限をお願いしております。 県内も一部の業種を除いてほとんどの業種がそれなりの影響を受けておりますが、特に小規模飲食店等に対する支援が必要と考えます。 本県経済の状況をどのように受け止め、今後どのような経済対策を実施されるのか、知事の所見をお伺いいたします。 昨年行われたGo To トラベルキャンペーンによって、観光客はじめ交流人口が一度は戻りかけましたが、その後、全国一斉停止により再び激減し、本県でもキャンセル数で約4万8,000人、売上損失においては約9億4,600万円にも上り、観光関連産業は大変厳しい状況が続いております。 このような大変厳しい現状を打破するために、新型コロナウイルス感染拡大をしっかりと抑え込みながら、徐々に支援策を打たなくてはならない時期が来ていると考えます。 そこで、県は今月から6月30日までの期間で県民向け宿泊割引キャンペーンを実施予定であり、開始が待たれるところでありますが、開始日については感染状況や県独自の警報との関係から慎重に判断することとしております。開始に当たっては、県独自の警報が解除になったタイミングなど、一定の判断基準が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 ワクチン接種の有効性と安全性についてお伺いいたします。 先月の17日に新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まり、いよいよ本県でも一部の医療機関でワクチン接種が始まりました。 新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていく上でも、新型コロナウイルスワクチン接種は非常に有効な手段なのは言うまでもありません。 一方、ワクチンについては特例承認されるなど、スピード重視の国の姿勢や、副反応のリスクなどに対する県民の不安も解消し切れていない状況と認識しております。 そこで、ワクチン接種の有効性・安全性について県はどのように認識されているのか、お伺いいたします。 新型コロナウイルスワクチン接種について、今ほども県民の不安を解消し切れていないと申しましたが、副反応のリスクに不安等の理由で、比較的症状が軽いと言われている若者など一部の人たちがワクチン接種をせずに、思いのほか接種率が上がらないのではないかということが懸念されます。 もし上がらないようなら、接種率を上げるために、市町村と連携をしてインセンティブを付与することも必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 県は、新型コロナウイルスワクチン接種について、医療従事者向けの優先接種の対象が6万人から7万人規模で、早ければ3月中旬から接種を始める見通しを発表し、ワクチン接種体制構築のため、医療調整本部内に立ち上げていたワクチンチームの体制を強化して、ワクチン接種グループとし、接種対象者の把握、接種体制の調整等を行う医療従事者等接種チームと、市町村接種体制構築に係る知見、手法例、情報の提供、相談体制の構築、副反応、リスクコミュニケーション対応の検討等を行う市町村支援グループとに分け、それぞれ関係機関と調整等を行っております。 医療従事者等の接種の調整主体は県で、住民への接種の調整は市町村が主体となって行うわけですが、その作業量の多さゆえ、一部の市町村においては人員不足で、県に対して職員等の派遣を要望したいとの声が聞かれます。そのような現状体制のままで予定どおりにワクチン接種をスタートができるとお考えでしょうか。 また、県内自治体間の対応に大きな差異が生ずるようなら、県職員等の派遣をすべきと考えますが、市町村から正式に人的資源の派遣要望があった場合、どのように対応されるのか、知事の所見をお伺いいたします。 また、河野太郎行政改革担当大臣が、高齢者が大半を占める離島では、高齢者以外の住民も同時に新型コロナウイルスワクチン接種ができるよう対応するとの報道がございましたが、本県の離島である佐渡島と粟島について、県はどのような方向で調整されるのか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、地域医療構想及び医師確保についてお伺いします。 県は、平成26年6月に成立した、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律において、医療法が一部改正されたことにより、平成29年3月、新潟県地域医療構想を策定しました。 策定の背景には、少子化や高齢化がますます進み、将来の人口構造が大きく変化することが予想され、2025年にはいわゆる団塊の世代が全て75歳以上になり、国民の3人に1人が65歳以上の高齢者に、5人に1人が75歳以上の後期高齢者になることによって、医療や介護を必要とする方が増加し、疾病構造にも変化が生ずることから、それらに対応した医療提供体制の構築が急がれるということであります。 私は、地域医療構想を進める目的は、各圏域における病床数をコントロールし、病床数を削減させることによって医師の派遣を容易にし、将来の医療体制を確保することだと理解しております。 なぜなら、医師の働き方改革と医師確保計画のこれら2つの計画を、地域医療構想と三位一体として捉えると、医師の働き方改革により医師の長時間労働が規制されれば、超過勤務により病床数や病院機能を維持していた病院は、急性期病床を維持していくことが困難になる可能性があります。 そうすると、医師を確保できない病院は再編・統合あるいは病床の転換が必要となり、医療機関が再編・統合されるということにより病床数が削減されれば、医師の派遣を必要とする病院自体が減少するので、結果的に医師少数区域に医師を派遣する余裕ができるというロジックが成立するからであります。 本県はじめ医師少数県は、県民が安心して医療を受けられるよう医師確保の対策を懸命に行っておりますが、一気に確保できるものでもなく、養成するにもそれなりの時間が必要であり、国が示した目標医師数を、医師確保計画の第7次計画終了時である2023年度に確保することは非常に難しい状況にあります。 そうすると、地域医療構想の目標年次である2025年に間に合わない。医師の数が間に合わないなら、間に合うように医療機関を減らして帳尻を合わせればよいというような考えの下、地域医療構想が進められるのであれば、逆に現在の各圏域の医療体制を壊しかねないと考えます。 大切なことは、医療機関を減らすことより、医師の偏在を是正することだと思います。しかしながら、現状と将来の状況を考えたとき、方法論の是非はさておき、地域医療構想の実現の重要性と必要性は十分理解をしております。 そこで、お伺いいたします。 今ほども申し上げましたが、地域医療構想を進めることは大変重要であることは理解をしますが、利益を出さなければ存続ができない民間医療機関に対し、そもそも県は現在ある病床を削減する要請をする権限はなく、推進するに当たっては、あくまで民間医療機関の自主的な対応と、設置されました地域医療構想調整会議での合意形成を基本とするならば、推進は極めて困難であると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、もし新潟県地域医療構想の実現が予定どおりに進まなかった場合、先ほども述べましたが、医師の働き方改革の実施に伴い、医師の長時間労働が規制され、超過勤務により病床数や病院機能を維持していた病院は急性期の病床の維持が困難となり、医師を確保できない病院は再編・統合あるいは病床の転換を迫られるようなことになるなど、地域医療の崩壊につながることが懸念されますが、そうならないために令和3年度はどのように取り組んでいかれるのか、具体策をお伺いいたします。 また、佐渡圏域における病床数は医師・看護師不足により今後減少が予想される一方、2025年に団塊の世代が後期高齢者になることから、医療需要は当面増加していくと推測されるため、佐渡圏域で二次医療を完結させることが困難になることも危惧されます。 新潟県地域医療構想を推進するに当たり、佐渡医療圏に対する人的医療資源の増員が必要と考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 次に、医師確保についてお伺いいたします。 医学部における地域枠・地元出身者枠の設定については、本県も既に行っており、一定の成果を上げております。また、来年度は従来の地域枠に、新たに昭和大学との協定締結により2名設定することとなりましたが、国が示した目標医師数を達成することは困難な状況にあります。 地域枠・地元出身枠のさらなる新設や増員が必要と考えますが、新年度はどのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。 花角知事は、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会の一員として、国に対して要望活動をされているということでお伺いいたします。 正直申し上げて、医師少数県が医師確保計画に基づき医師の偏在是正を実現するためには、県の政策だけでは大変厳しいと考えます。なぜなら、他の医師少数県も医師確保計画策定ガイドラインに沿って医師確保計画を策定しているため、同じように医師確保対策を行っているからであります。 そこで、重要になってくるのが、国への政策提言等の要望活動であると考えています。そもそもこのような医師の偏在が起こった要因の一つに、2004年度の新臨床研修制度が挙げられると思います。この制度は、特定の専門領域に限らず、幅広い分野の専門研修を義務づけるとともに、希望に基づき研修医と研修病院を組み合わせるマッチングシステムを導入しました。 その結果、多くの研修医が都市部の病院を選択するようになってしまったわけで、以前の制度に戻すことが一番得策かと考えます。もしそれが可能でなければ、国に対して都道府県の権限の強化や地方病院勤務の義務化を要望してはいかがか、知事の所見をお伺いいたします。 次に、新潟県総合計画についてお伺いします。 政府は、新型コロナウイルス感染症による地域経済・生活への影響や国民の意識・行動変容など、時代の変化を捉えた新しい地方創生の実現に向け、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略を改訂いたしました。 本県の最上位計画である新潟県総合計画は、人口減少問題を最重要課題として掲げていることから、本県のまち・ひと・しごと創生総合戦略として位置づけられております。 また、本計画には中間目標に対する評価等を踏まえ、見直しを検討する旨記載されていますが、今後どのように対応していくのか、知事の所見をお伺いいたします。 県は、昨年11月に新潟県総合計画に掲げた達成目標のうち、県民の皆様の暮らしに関する意識や満足度などの状況把握をするための県民の意識・満足度アンケートを行い、その調査結果を公表しました。 アンケートの10の項目のうち、子供たちの学力向上や魅力ある学校づくりなど、一人一人を伸ばす教育が行われていると感じる者の割合が、2018年度の現状値31.3%より5.3ポイント低い26.0%で、中間目標の33.0%より7.0ポイント低い状況にあります。 子供たちの学力向上や魅力ある学校づくりは、住んでよしの新潟県を目指す上で最重要課題の一つと考えますが、この現状を踏まえ、最終年度の2024年度に向けてどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いいたします。 教育課題についてお伺いいたします。 県立中等教育学校あり方検討委員会が先月に開催され、これまでの議論の取りまとめが行われました。委員会では、個別の学校の方向性については話し合われず、少子化で生徒数が減少する中でも子供たちの学びを保障する方法を検討してほしいなどの意見があり、報告書は今月下旬に教育長に提出される予定と聞いております。 今回の報告内容が来年度策定の県立高校等再編整備計画、さらには中長期的な視点の下、策定された県立高校の将来構想にどのように反映されるのか、教育長の所見をお伺いいたします。 9月定例会の一般質問で、県立高校では少子化の影響による学校の小規模化に伴い、教員数の確保、部活動の充実、生徒同士が切磋琢磨する機会が確保できないなどの問題が生じていることから、一定の学校の規模が必要と考えており、佐渡市の県立高校の在り方についても検討が必要と考えていると教育長が答弁されました。 現在の佐渡市の子供たちの数を考えれば、佐渡中等教育学校の問題だけではなく、島内の県立高校の在り方についても検討が必要なことは十分理解いたします。今後どのようなスケジュール感で、どのように進めていくのか、教育長の所見をお伺いいたします。 教育委員会によると、本県の令和元年度の不登校の状況は、小学校777人で対前年度76人増、中学校2,003人で対前年度68人増、合わせると義務教育課程で2,780人で対前年度144人増に対し、高等学校では1,059人で対前年度163人減と、義務教育課程の不登校児童生徒数の増加が止まりません。 県と県教育委員会が策定した新潟県版GIGAスクール構想には、不登校等、学びたくても学べない児童生徒の状況や希望に応じて、ICTを活用した遠隔授業や授業動画配信等の学習機会の確保の在り方について検討するとの記載があります。 他の取組に対しては推進します、図ります、実施します等、積極性とスピード感が感じられますが、不登校等の児童生徒に対する学習機会の確保については検討するということで、取り組むスピード感が1段も2段も遅いように思われます。 昨年9月の一般質問で、不登校児童生徒の学習支援、教育機会の確保の対策として、オンライン授業を積極的に活用すべきと提案いたしました。教育長答弁で、オンライン授業を実施したところ、不登校児童生徒の4分の3が参加できた他県事例があるとのことであり、その成果と効果については確認されていると思います。 特に不登校児童生徒の多い義務教育課程において、復学への取組と並行して、学力維持などの観点から、オンライン授業について、検討するのではなく、積極的に推進すべきと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。 再生可能・次世代エネルギー導入推進についてお伺いします。 県は、佐渡や粟島がエネルギー供給の大部分を火力発電に依存している状況や、電力系統が小さい状況を鑑み、環境負荷の低減やエネルギー供給源の多様化等を目的とした再生可能エネルギー、次世代エネルギー関連の取組や事業を進める構想、いわゆる新潟県自然エネルギーの島構想をこの年度末までに策定するとしております。 また、現在、村上市・胎内市沖における洋上風力発電の導入可能性調査等を行い、再生可能エネルギー、次世代エネルギー導入に向けて積極的に取り組んでおられますが、経済産業省は昨年の12月に、東京電力福島第一原発事故からの復興の象徴と位置づけ、600億円を投じて福島県沖に設置した浮体式洋上風力発電施設を来年度に全て撤去することを発表しました。 浮体式の洋上風力発電施設の安全性・信頼性・経済性などを検証する実証実験のため、民間企業等への委託により設置したのですが、実証終了に当たり設備の払下げを検討したところ、想定したよりも稼働率が低く、長期的に採算が合わないおそれがあるとして、来年度に全て撤去するとのことであります。 このことが、本県が進めている新潟県自然エネルギーの島構想や村上市・胎内市沖における洋上風力発電など、再生可能・次世代エネルギーの活用促進の取組にどのような影響を与えるのか、知事の所見をお伺いいたします。 県では、令和2年9月に表明した、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、地球温暖化対策等に取り組むとともに、再生可能・次世代エネルギーの導入を推進し、環境と経済の好循環に向けた取組を進めるとしていますが、本県は洋上風力発電を設置できる広い海洋や、二酸化炭素を吸収する森林などを有しており、このような本県の強みを生かした取組を進めることが実現に大きく貢献すると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 最後になりますが、県政の諸課題について3問ほどお伺いします。 昨年、佐渡金銀山の世界遺産国内推薦については、見送りという大変残念な結果に終わってしまいました。今年こそは、コロナ禍で疲弊し切っている本県にとって、県民の悲願である国内推薦決定は、観光業界だけでなく、本県経済にとって明るい希望になると信じてやみません。 ぜひとも万全を期して挑みたいわけですが、推薦書案については、昨年からさらにブラッシュアップされたものを提出すると伺っておりますが、知事の意気込みをお伺いいたします。 また、佐渡島の金山が本年7月に国内推薦候補に選定されれば、最短で令和5年に世界遺産登録される可能性が高く、本県はじめ佐渡への観光客の増加が見込めることから、佐渡-新潟航空路の早期再開が待たれるところであります。 そこで、新潟空港を拠点に、新潟と地方を結ぶトキエア就航が期待されるところですが、トキエア就航実現に向けた現在の状況をお伺いいたします。 県は、先月、新年度からの広報監を公募されました。広報監は平成17年度に創設されたポストで、任期は3年であり、職務内容は広報活動への指導・助言や報道機関との総合調整を行う職とのことですが、PRが決して得意ではない本県にとって大変重要なポストであります。 新型コロナウイルスの感染拡大を契機として人や企業の地方分散の流れが生じつつある今、新潟県が選ばれる地域となるためにも、また国内外の観光客の誘致をはじめ交流人口の拡大を図るためにも、その手腕が期待されるものであり、確実に成果を上げていただかなければなりません。そういう意味で、これまでの広報監の取組実績とそれによる効果について、知事の所見をお伺いいたします。 以上で一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 中川議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、新型コロナウイルス感染症の影響による自殺者やDV、児童虐待についてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響による雇用状況の悪化や自粛生活の長期化など、県民の不安やストレスが高まりやすい状況であると認識しており、自殺やDV、児童虐待などの防止対策の充実が必要と考えています。 そのため、自殺防止対策については、専用窓口を設置して相談に応じるとともに、支援を必要とする方が適切な支援につながるよう、女性相談や育児相談などの様々な関係機関と連携を図り、相談体制を強化してまいります。 また、DV・児童虐待防止対策についても、さらなる相談窓口の周知や、民間団体とも連携した地域での見守りネットワークの強化など丁寧な対応に努めてまいります。 なお、本県の現状については、福祉保健部長からお答えいたします。 次に、本県経済の現状と今後の経済対策についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食業、宿泊業などが需要を喪失するとともに、製造業においても営業活動の制限などから受注が減少するなど、幅広い業種で影響が生じております。 県といたしましては、制度融資などによるセーフティーネット対策に万全を期すとともに、事業継続応援金の要件緩和や新たなチャレンジへの支援などにより、事業の継続と雇用の維持を図ってまいります。 また、今年度中に策定する県内産業デジタル化構想を基に、県内産業のデジタル・トランスフォーメーションを強力に推進し、より付加価値の高い産業構造への転換につなげてまいりたいと思います。 次に、県民宿泊割引キャンペーン開始の判断基準についてでありますが、議員御指摘のとおり、感染拡大の防止に十分配慮しながら、観光関連事業者の支援策を講じていきたいと考えております。 県民向け宿泊割引キャンペーンの開始時期は、感染状況を見極めながら、専門家の御意見なども踏まえて、今回の観光需要喚起策が県民に理解を得られ、より多くの方に利用いただけるよう、適切に判断してまいりたいと思います。 次に、ワクチン接種へのインセンティブの付与についてでありますが、新型コロナウイルスワクチンの有効性については、最新の知見においても、非常に高いものと認識しており、接種により発症と重症化を防ぐことが期待されるため、できるだけ多くの方に接種いただくことが重要と考えています。 接種率を上げるために何らかのインセンティブを付与することも一つの手段ではありますが、県民の皆様が安心して接種できるよう、まずはメリット、デメリットの正しい情報、ワクチンの有効性や安全性等について、様々な媒体やマスコミを活用した啓発を行ってまいりたいと考えております。 次に、ワクチン接種における市町村への支援についてでありますが、県では、医療調整本部内にワクチン接種グループを立ち上げ、市町村と定期的なウェブ上での情報交換を行い、課題に対する相談に応じるとともに、市町村が行う相談体制構築への支援や、副反応に対応する体制の構築、ワクチンの有効性・安全性についての情報共有等の検討などを行っているところです。 加えて、医師・看護師の確保については、様々な関係団体に協力をお願いしたところであり、限られた医療体制でも実施可能な運営方法を提示した上で、3月5日には弥彦村において模擬訓練を行うこととしており、その内容について市町村や関係団体等と共有し、連携を図ってまいります。 県といたしましては、市町村を支援することにより、国のワクチン供給スケジュールを踏まえて、円滑にワクチン接種をスタートできるよう取り組んでまいります。 また、現在のところ、市町村から具体的な職員派遣の要望は伺っておりませんが、要望があった場合には、要望の詳細をお聞きしながら、丁寧に対応してまいります。 次に、離島におけるワクチン接種体制についてでありますが、現在、ワクチンの供給スケジュールや接種方法等について、国から順次通知等が示されているところであります。その中で高齢者の人口がおおむね500人未満の離島や市町村については、ワクチンの供給が得られた場合に、接種順位にかかわらず、全ての対象者に接種しても差し支えないとされております。本県においては、粟島浦村がこの条件に合致するため、具体的な進め方について関係者と調整してまいります。 なお、佐渡市についてはこの条件に該当しませんが、今後も最新の情報を注視しながら、円滑に接種が行われるよう、相談に応じるなど、引き続き支援を行ってまいります。 次に、地域医療構想及び医師確保についてお答えします。 まず、地域医療構想の推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、一部の医療機関から、機能再編がもたらす経営への影響が見通せないとの御意見や、将来の医療提供体制の再編に関する合意形成は容易ではないという御意見も頂いております。 一方で、将来の人口構造の変化に伴う医療需要の変化や医師の働き方改革に対応できる、持続的な医療提供体制を構築するためには、各医療機関の役割分担の在り方について議論をし、合意形成を図っていくことが極めて重要と考えております。 このため、まず本県全体としての病院の機能や役割など大枠の方向性を年度内に取りまとめた上で、次年度以降、各圏域において、将来的な人口動向や医療需要などのデータをお示しするとともに、機能再編に伴う経営上の課題の解決方法を模索するなど、各圏域の実情を考慮しながら具体的かつ丁寧な議論を重ねていくことにより、関係者間の合意形成を図ってまいりたいと考えております。 また、地域医療構想の推進に当たっては、機能再編のインセンティブ形成も重要であることから、病床の機能分化・連携などに取り組む医療機関に対し、地域医療介護総合確保基金等を活用しながら必要な財政支援を行うなどにより、円滑に進むよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、佐渡圏域における人的資源についてでありますが、将来にわたって県民が安心して安全に暮らせる県づくりを進めていくためには、将来的な人口動向や医療需要等を踏まえた、持続可能な医療提供体制を確保していく必要があるものと考えております。 そのため、県といたしましては、今後の医療提供体制について年度内に大枠の方向性を取りまとめるとともに、次年度以降、佐渡圏域を含め各圏域において、将来的な人口動向や医療需要などのデータをお示しし、人的資源の確保も含めた具体的な議論を行ってまいりたいと考えております。 なお、人的支援については、地域枠など修学資金貸与医師を佐渡圏域をはじめとした医師不足地域の病院に配置してきたところであり、引き続き必要な地域に対する支援を行ってまいります。 次に、地域枠などの拡大に向けた取組についてでありますが、議員御指摘のとおり、医師不足解消に向けて、医学部の地域枠は、定着率が高く有効な施策と考えており、新年度は新設・拡充を行い、今年度の26名から7名増の33名としたところであります。 県といたしましては、今後も、大学と連携して地域枠の大幅な拡大に向けた取組を行うなど、養成段階からの医師確保の取組を一層強化してまいります。 次に、臨床研修に関する国への要望についてでありますが、昨年8月に、本県など12の医師少数県による、地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会として、国に対し、臨床研修医の都市部への集中を是正する抜本的な対策や、地域の医療機関における研修期間の拡大などの政策提言を行ったところです。 これらの働きかけなどにより、首都圏などの募集定員が減少となったほか、地域での研修期間の拡大などに向けて、国において検討を進めていくこととされたところです。 県といたしましては、今後も、知事の会などを十分に活用しつつ、臨床研修制度の見直しをはじめ実効性のある偏在対策につながる抜本的な制度改革の実現について、タイミングを失することなく国に働きかけてまいります。 次に、新潟県総合計画についてお答えします。 新潟県総合計画の見直しについてでありますが、来年度前半を目途に、有識者による外部評価を取り入れた中間目標に対する総合的な評価を実施することとしており、その評価結果や、今後の新型コロナウイルス感染症の状況と社会経済に与えた影響等を見極めながら、現在の計画との関係を整理しつつ、対応の必要性や時期について検討してまいりたいと考えております。 次に、再生可能・次世代エネルギー導入推進についてお答えします。 本県の強みを生かした脱炭素への取組についてでありますが、脱炭素に向けては、議員御指摘のとおり、長い海岸線や豊かな森林といった本県の特性を生かす取組が重要であり、洋上風力発電等の再生可能エネルギーの導入促進、森林整備や新潟県カーボン・オフセット制度など吸収源対策に取り組んでいるところです。 さらに、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを実現するため、新年度において、こうした点も含め、本県の特性や課題等を踏まえつつ、関係者との合意形成を図りながら、脱炭素社会構築に向けた具体的な戦略を検討してまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えします。 まず、佐渡島の金山の世界遺産国内推薦についてでありますが、現在、国内外の専門家や文化庁の指導・助言をいただきながら、推薦書案にさらに磨きをかけ、今月末に文化庁へ万全な形で提出できるよう取り組んでおります。 県といたしましては、来年度こそ国内推薦が得られるよう、地元佐渡市や関係者の皆様と共に、全力で取り組んでまいります。 次に、広報監の取組実績と効果についてでありますが、広報監は、民間の専門的知識や実践経験、発想力を生かした効果的な新潟のPRを行う職として、平成17年度に創設したものです。 これまで、5名の方々が着任し、豊富な人脈を生かした効果的なパブリシティー活動による首都圏での情報発信機能の強化や、研修を通じた職員のノウハウやスキルの向上などを図ってきたところです。 加えて、平成30年度策定の戦略的広報基本方針を踏まえ、広報監を中心として、ターゲットに伝わる広報を推進することで、全庁一体となった部局横断的な広報の取組の進展や、数多くのメディアへの露出獲得などにつながったものと認識しております。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 3点お答え申し上げます。 新型コロナウイルス感染症の影響による自殺者やDV、児童虐待の現状についてでありますが、令和2年の本県の自殺者数は、厚生労働省が発表している暫定値によると424人で、前年より6人増加しております。男女別で見ると、男性は4人減少していますが、女性は10人増加しており、また、若年層については、20代において男女とも増加しております。 また、DV相談件数については、5月以降は前年度比で若干の増加となっております。 一方で、児童虐待相談対応件数については、令和2年度上半期において、前年度比で18%減少しており、特に5月までの間は学校等の休校や外出自粛が継続した中で、子供の見守り機会が減少したことが要因の一つであると考えております。 その後、7月以降も前年度比で減少している傾向は続いており、その動向を注視してまいります。 次に、新型コロナウイルスワクチン接種の有効性・安全性についてでありますが、特例承認とは、健康等に重大な影響を与えるおそれがある疾病に対し、緊急に使用する場合に行われるものですが、本ワクチンの承認審査においては、日本人のデータだけでなく、米国の臨床試験で得られたデータなども活用し、有効性・安全性について確認されていると承知しています。 米国で行われた数万人規模の臨床試験において、ワクチンの有効性として、発症を95%減らす効果があるとされており、また米国で実際に接種した約1,000万人のデータによると、蕁麻疹に息苦しさが加わるなどのアナフィラキシーが起きる頻度は100万回に5回程度であり、適切な治療により全てが回復されていると報告されています。 県といたしましては、ワクチン接種が円滑かつ迅速に実施されるよう、マニュアル作成などにより市町村の支援を行うとともに、県民の皆様が安心して接種できるよう、メリット、デメリットの正しい情報、ワクチンの有効性や安全性等について様々な媒体やマスコミを活用した啓発を行ってまいりたいと考えております。 次に、地域医療構想の実現に向けた取組の進め方についてでありますが、医師の働き方改革等を踏まえ、県といたしましては、限られた医療資源の一定程度の集約による医療機能の充実・強化を視野に入れた医療提供体制の構築が必要であると考えており、現在、今後の医療提供体制について、年度内に大枠の方向性を取りまとめるよう準備を進めているところです。 令和3年度につきましては、その大枠の方向性を踏まえ、各圏域において、将来的な人口動向や医療需要等のデータをお示ししながら、市町村を含む関係者と具体的な議論を行ってまいりたいと考えております。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) お答えいたします。 福島県沖浮体式洋上風力発電施設の撤去についてでありますが、この施設は、今後の普及が期待されるものの、着床式と比べコストが大幅に高いと言われる浮体式洋上風力発電の、信頼性・経済性などの検証を行うことを目的として国が設置したものであります。 このたび実証が終了し、国は民間事業者への施設の払下げを検討したものの、国が示した条件を満たす事業者が存在しないとして、撤去を決めたものと承知しており、本県の再生可能・次世代エネルギーの導入の取組に特段の影響を及ぼすことはないものと考えております。   〔交通政策局長田中昌直君登壇〕 ◎交通政策局長(田中昌直君) お答えいたします。 トキエアの就航実現に向けた現状についてでありますが、トキエアは、新型コロナウイルス感染症流行下における非常に厳しい航空情勢においても、県外路線は令和4年7月、佐渡路線は令和5年12月の就航に向け、航空運送事業許可申請や航空機材導入の準備、資金調達等に取り組んでいると承知しております。 県といたしましては、佐渡空港における新型機材受入れに必要な滑走路等の整備内容について、今年度の調査に引き続き、来年度は必要な設計等を実施するなど、就航に備えた対応を行っていくほか、事業者の資金調達において、企業や金融機関に対し、県の支援姿勢をアピールするなどの協力を行っており、引き続き、事業者との意思疎通を図りながら、事業の進捗に応じた対応をしてまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 5点についてお答えいたします。 児童虐待の早期発見に向けた教職員の意識の向上についてでありますが、議員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響で児童虐待が発見しづらい状況になっており、学校は、今までにも増して、虐待防止のための重要な役割が期待されているものと認識しております。 県教育委員会といたしましては、昨年6月に改訂された学校・教育委員会等向け虐待対応の手引きを基に、学校生活の中で児童の表情や言動の変化、服装や身体の状況を観察して、虐待が疑われる場合は迅速に児童相談所や警察と連携し、適切な対応を行うよう各学校に指導しております。 今後も、管理職をはじめ様々な職種の研修機会を捉え、虐待防止への意識を高めてまいります。 次に、子供たちの学力向上や魅力ある学校づくりについてでありますが、議員御指摘の県民アンケート結果における満足度の低下については、県教育委員会として重く受け止めております。 一方、小中学生の満足度については、令和元年度において、授業が分かると回答した割合が8割以上で、全国平均を上回る結果となっており、高校生においては、進路実現に学校は役立っていると回答した生徒の割合は約7割であり、年々上昇してきております。 県教育委員会といたしましては、学力向上の取組や地域と協働した学校の特色化を一層進めるとともに、保護者へは各学校のホームページ等を通じて、教育広報紙「かけはし」を周知するなど、一人一人を伸ばす教育への理解や関心がより深まるよう努めてまいります。 次に、県立中等教育学校あり方検討委員会の報告内容の反映についてでありますが、第4回の委員会では、中高一貫教育の将来的な在り方について、地元自治体との意見交換を継続して行い、県教育委員会と地元自治体との間でビジョンを共有するべきとの意見も出されました。今後の県立高校等再編整備計画については、3月に提出される報告書の提言や、地元との調整も踏まえ、策定してまいります。 また、県立高校の将来構想についても、見直しの段階で、国の動向や、それぞれの地域の生徒数の変化などに加え、報告書の提言も踏まえながら、検討を進めてまいります。 次に、佐渡市内の高校等再編整備についてでありますが、県立中等教育学校あり方検討委員会における議論の中でも、高校の配置や地域の伝統校との関係も含め、地元自治体と意見交換を行うべきとの意見がありました。 また、佐渡市においても、3月にコンソーシアムを設立して、佐渡中等教育学校を含む県立高校等に対し、特色化の支援等についての検討が進められると聞いております。 こうしたことから、生徒にとってよりよい教育環境の整備に向け、当面は佐渡市との間で、高校等の特色化や配置に関する意見交換を行う期間が必要と考えており、その結果を踏まえて、佐渡市内の高校再編整備について検討してまいります。 次に、不登校児童生徒に対するオンライン授業の推進についてでありますが、各学校では、不登校児童生徒への支援として、市町村の適応指導教室等における学習支援やスクールカウンセラー等による心のケアを通して、段階的な復帰に向けた取組を行っておりますが、不登校児童生徒の学習の遅れを軽減し、学校とのつながりを確保するには、オンライン授業も有効な方策であると認識しております。 現在、多くの市町村で、学校と家庭等をつないだオンライン授業の試行や検討が進められていることから、県教育委員会では、学習支援動画やICTを活用した授業モデルの充実をさらに図り、市町村の支援に努めてまいります。 ○議長(桜井甚一君) 中川隆一君の質問は終わりました。 次に、小山大志君の発言を許します。小山大志君。   〔小山大志君登壇〕(拍手) ◆小山大志君 自由民主党、十日町市中魚沼郡選出の小山大志です。 2011年3月11日に東日本大震災、そして翌日の12日には長野県と隣接する新潟県十日町市と津南町を中心に甚大な被害を受けた長野県北部地震より、あと1週間後に10年を迎えることになります。 発災後に、長野県北部地震の被災者への災害支援とともに、仲間のいる岩手県大船渡市に物資の支援と炊き出し、物資が足りていなかった宮城県気仙沼市への物資輸送と、仲間と共に数日寝ずに対応していた記憶が私自身よみがえります。 また、この冬においては、新潟県内は降雪により各地で大きな混乱が生じました。高速道路では約1,000台もの車が立ち往生を余儀なくされたり、鉄道の運休、連続降雪による倒木の影響等で停電の発生、家屋の倒壊や、流雪溝があふれて床上・床下浸水が発生するなど、多岐にわたっております。 災害はいつ起こるか分かりません。あのときこうしていれば、地域間でももっと連携できていたら、事実と異なるたられば的な後悔を教訓に、民間で能動的に取り組んでいる方にさらなる支援はもちろん、現行の仕組み、条例の在り方を検討し、県民の生活が脅かされることのないように県政に向かってまいりたいと思います。 それでは、通告に従いまして、5項目について一般質問をいたします。 まずは、経済対策について伺います。 令和3年2月2日時点における民間調査会社の発表によると、COVID-19の感染拡大に関連した経営破綻が、最初に発生した令和2年2月からこの1年で、経営破綻は1,000件に達したとのことです。破綻件数の推移を見ると、秋以降に増加し、9月から12月は毎月100件を超えております。 また、業種別では飲食業の182件が最多となっています。そして、百貨店の休業や外出自粛による需要縮小により影響を受けたアパレル関連の製造・販売が91件、事業計画の見直しを余儀なくされた建設業が83件、旅行需要の縮小や移動自粛による影響が大きい宿泊業が62件と続いています。 そのうち負債額が判明しているのは980件。最多が1億円以上5億円未満で、338件と34.4%を占めています。そして、1億円未満が515件と約5割を占めた一方、100億円以上の大型倒産も5件発生しました。 日本国内で見ると、新型コロナウイルス関連破綻は47都道府県全てで発生しており、都道府県単位で示すと、最多が東京都の247件、最少は山梨県の1件。新潟県においては、2月17日時点で12件の新型コロナウイルス関連破綻が発生しているとのことでありますが、この数字はあくまで経営破綻の件数であり、廃業や休業等の件数を含めると、本県経済は数字以上に悪化していると考えられます。 新型コロナウイルスによる県内企業への影響について、県としてどのように受け止めているのか、所見を伺います。 また、先ほど説明したとおり、全国的に飲食業の次に影響を受けている、アパレル関連業種の経営破綻も相次いでいます。新潟県においては、アパレル関連業種の経営破綻は、本県着物産業の衰退にもつながりかねないと懸念いたします。 私の地元である十日町市においては、織り、染め、加工、メンテナンスなど、着物の工場がそろう着物の総合産地となりますが、十日町市内の商工団体が昨年10月に行った新型コロナウイルスの影響調査によると、織物関連の現状の生産、売上げにおいて前年対比で減少と答えたのは94.7%、今後の見通しにおいても100%がマイナスと回答しております。 私自身も地元の織物組合に最新の実情を調査したところ、生産・販売統計累計額における昨年12月期においては、前年同月比89%まで持ち直したが、今後の見通しにおいては、予測したとおり、年が明けて令和3年1月期では前年同月比で50%台に落ち込む結果となり、これからもかなり厳しいとお話をいただきました。 アパレルに関しては、日用衣料品という枠に限らず、新潟県の文化である着物等に対する支援策をより強化しないと、和装に伴う文化そのものが衰退してしまうおそれがありますが、今後、県としてどのように支援を行っていくのか伺います。 私からの提案ですが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛や消費減退、イベント等の中止・延期などにより落ち込んだ県内経済の回復を図るため、県内の事業者等で構成される団体による、消費喚起や需要拡大に資する取組を支援する「消費喚起・需要拡大プロジェクト」応援事業を令和2年度事業として行っておりますが、まだ全ての事業報告がされていない中でも申請200件。うち採択された105件の一つであるアパレル関係に準ずる事業において、採択された補助金額と実績として報告された成果額が1,000%を超える実績があったと伺っています。 事業を行った関係者によると、新潟県の御指導を含め関わっていただいていることもあり、参加者からは安心できるとの声も聞こえ、金銭ベースの費用対効果はもちろん、コロナ禍でのイベント開催に、お客様の満足度もとても高かったとのことです。要は売手よし、買手よし、新潟県よしの三方よしということです。 県の事業としてきっかけをつくっているわけですから、成功事例を共有し、短期間でより多くの事業者が成果を出して、やりがいの創出と景気の底上げを図るべく、新型コロナウイルス感染症の中で伸び悩んでいる事業者と、手を取り合い継続していくことも一つの手段かと考えます。 次に、花角知事より、昨年12月23日、年末最後の記者会見において、昨年度、民間スタートアップ拠点を4つ支援させていただきながらできましたけれども、さらに今年度4つ、県内合計8か所で民間のスタートアップ拠点が立ち上がっておりまして、その中でも、もう既に芽が幾つか出始めているというお話がございました。 県内における起業の活性化を目的に、メンターまたはコンシェルジュを配置し、起業・創業の相談対応や支援機関の紹介等を行うほか、コワーキングスペースやレンタルオフィス等の起業スペースなど、多様な利用者が交流する場を創出するスタートアップ拠点を運営する、スタートアップ拠点支援事業について、令和2年度においては4拠点が新規で追加され、現在8つの拠点を整備していますが、これまで整備した拠点の具体的な成果と県としての評価について伺います。 次に、新潟県は昨年11月に、公益財団法人にいがた産業創造機構、関東経済産業局と共同で、J-Startupプログラムの地域版であるJ-Startup NIIGATAを開始し、官民連携による集中支援を実施することで、スタートアップ企業の飛躍的な成長及びスタートアップ・エコシステムの強化を図るとのことですが、選定委員会の審査を経て、今後は20社から25社程度をJ-Startup NIIGATA企業として選定するとしていますが、現在の選定状況を伺うとともに、選定企業への期待について、知事の所見を伺います。 新潟ベンチャー協会のように、若手経営者の活動的な方々が集まり、挑戦する人たちを支えていこうという動きが生まれ、特にIT関係の企業は、新潟市の駅周辺等で集積が始まっていますが、今後もさらに多くの企業が進出を考えていると思います。 IT関係企業の集積を目指す上で、県も支援制度を行っていますが、そうした挑戦する動きが、新潟市以外の地域やあらゆる業種において広がることが新潟県全体の経済成長につながると思いますので、さらなる推進をお願いいたします。 続いて、鳥獣被害対策について伺います。 新潟県内で昨年12月中旬以降、イノシシに襲われる方が相次ぎ、今年度最初の人身被害は昨年12月18日、十日町市で発生し、男性が自宅前で頭などをかまれ、重傷を負う事案がありました。その後、妙高、糸魚川、柏崎、上越各市で計7人が襲われました。負傷者においては、1月末時点において8人と過去10年間で最多となっています。 大半は大雪の直後に発生しているとのことですが、被害の背景には大雪で居場所がなくなり、除雪が行われているところに出てきたと見られるとの指摘がありますが、イノシシに対する県のこれまでの対策について伺います。 次に、イノシシによる農作物被害も深刻化しており、令和元年度の被害額は年間5,100万円と、平成27年度の1,100万円から5倍近く急増しており、主に稲が被害を受けています。 イノシシは、根にでん粉質を多く含む稲を好んで食べ、さらに体の寄生虫を落とすため、水田で泥水を浴びる性質があります。これをやられた水田は獣臭さが残るため、米を出荷できなくなるとのことです。 最近は新潟市中央区の県庁近くなど都市部にも出没するようになり、人身・農作物被害は今後、確実に増えていくと見られます。 また、強い伝染力と高い致死率が特徴の豚などの伝染病、豚熱、CSFに感染したイノシシも見つかっており、感染リスクの高まりも懸念されますが、そのような環境にも慣れたイノシシは人の居住地近くにすみ、稲などの農作物を食べることが当たり前になっているとのことで、その増加が人身・農作物被害の増大に直結すると考えられます。 その抜本的な対応策として、農繁期においては徹底的に捕獲することが大切との地元猟友会の声もありますが、県として農繁期における鳥獣被害への対応策について伺います。 次に、環境省が実施した第2回自然環境基礎調査や、第6回自然環境基礎調査のデータに基づき、新潟県内におけるイノシシの分布を見ると、1978年に行われた第2回調査ではイノシシは確認されていません。積雪の多い新潟県では、近年になるまでイノシシは生息していないとのことです。 しかし、2003年に行われた第6回調査では、上越市と妙高市、糸魚川市など、中越地方の西部まで確認されるようになっています。 また、平成24年度に実施したイノシシ生息状況調査で狩猟者、農家から聞き取りにより得られた情報では、第6回調査に比べて生息状況は明らかに広がっており、阿賀町から村上市の山間部、平野にかけて生息情報が得られています。 上越地域から中越地域で生息情報が得られた地域はさらに広がり、平成27年度に実施したイノシシ生息状況調査では、一部地域の狩猟者から聞き取りにより得られた情報によると、上越地域及び中越地域の米山山系を中心に生息数が多く、中越地域から県北部まで幅広い範囲で生息情報が得られています。 そのような調査状況を見ると、県内のイノシシの生息数は年々増えていると考えられますが、県内のイノシシ捕獲数としては、令和元年度においては2,953頭であり、過去10年間で最多で、これまでも右肩上がりとのことです。 専門家は、今後も生息数が増えていけば、今後、年間3万頭程度を捕獲する必要が出てくるという見解を述べています。捕獲数だけで3万頭といえば、県内に県民の生活を脅かすイノシシのまちが既にできていると言っても過言ではない状況です。 県として、捕獲が必要なイノシシの数をどのように考えているのか伺うとともに、今後の取組方針について伺います。 次に、平成30年度の鳥獣関係統計報告書によると、年齢別狩猟免状交付状況は全体4,097名のうち、60歳以上が2,590名と63%に及び、高齢化が進んでおり、10年先を見据えると、若い世代から狩猟に携わる人材を確保することが急務です。若い世代の人材確保に向けた支援が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。 昨年の11月25日に、私もこのたび、狩猟免許を取得しました。取得に至るまでの過程や、取得後から現場に出るまでの過程等の経験を踏まえ、免許取得だけで終わることなく、多くの若い世代の方から携わっていただけるように、これからは現場の声を直接聞きながら、私も進言していきたいと思います。 続いて、教育問題について伺います。 新潟県教育委員会が去年6月に、受検者数の定員割れが続いていることを理由に、佐渡と津南の2校の中等教育学校の募集停止を検討してから、地元の強い反発を受けて撤回し、中高一貫校である新潟県立中等教育学校の今後の在り方を検討する委員会を設置しました。 構成員として、新潟県内の校長会の会長や有識者らが参加し、去年9月から4回にわたって県立中等教育学校の実績や課題をまとめ、今後の学校の在り方を検討しております。 2月9日に開催された最終会議では、子供たちの学びを保障する方法を検討してほしいなどとする県への提言が取りまとめられたと報道がありました。正式な提言は今年度中と伺っておりますが、当日の会議ではどのような意見が出されたのか伺います。 次に、ICTの活用に向けて、今年度から県立教育センターを中心に、授業等で活用できる学習支援動画を作成し、県内の小中学校において動画を活用した授業づくりを支援しています。 実際に村上市立朝日中学校では、タブレット端末を活用した授業を行い、参加した生徒の91.2%が学習内容がよく分かったと回答しており、詳細理由として、自分のペースでできた、大事なところを止めながら繰り返し見直すこともできたとのことです。 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、ICT活用は注目を浴びていますし、今後の教育の変化に対するインパクトもある中、一定の成果が出たと感じます。 県として今後も、このようなICTを活用した取組への支援を拡大していくべきと考えますが、現時点における小中学校においての実施状況や課題、今後の展開について所見を伺います。 次に、令和3年度の新潟県立中等教育学校入学者選抜志願状況について、全体の募集定員440人に対し志願者数は517人、倍率は1.17倍とのことでした。そのうち津南中等教育学校は、募集定員80人に対し志願者数が73人で、倍率は0.91倍、昨年の令和2年度では46名、0.57倍。佐渡中等教育学校は、募集定員40名に対し志願者数が53人で、倍率は1.32倍、昨年の令和2年度では26名の0.65倍と軒並み上昇していますが、その要因について、県としてはどのように分析しているのか伺うとともに、さらなる志願者増に向けた取組を検討しているのか伺います。 次に、長い人生において、成人に至るまでの間で自立につなげる教育環境が大切だと考えます。すなわち、日本においては公の学びの場として、小学校と中学校、それから中学校と高等学校が連携していくことで、一人一人の生徒がよりよい成長につながっていくと考えます。 その上で、少子化が加速している自治体の教育行政においては、県と市町村が連携しながら、早期に小・中・高の一貫した教育行政課題に取り組む環境を整備していくことが重要と考えます。そのためには、県から市町村教育委員会への職員派遣など、割愛人事による県と市町村間の人事交流を積極的に進めるべきと考えますが、教育行政に係る割愛人事の現状と今後の方針について伺います。 続いて、地域医療について伺います。 県立病院の経営改善に向けて有識者が議論する、県立病院経営委員会の会合が2月5日、県庁で開かれ、県立の僻地4病院については、県は1月下旬までに病院の所在自治体をそれぞれ4回ずつ訪問し、意見交換を行い、地元市町主体での運営を提案したものの、地元市町からは、引き続き県立経営でお願いしたいといった意見が出るなど、明確な進展は見られなかったとのことでありますが、現時点における県立4病院に関する地元市町との協議の進展状況について伺います。 次に、県立僻地4病院の地元住民に対しては、県の財政難で病院が見直されるのではなく、地域医療を守るために、地域の実情を踏まえた上で機能・規模を検討していることを含めて強く発信するべきと考えます。県として今後どのように地域住民に理解していただくのか、所見を伺います。 次に、新潟県は本年1月に知事も参加し、にいがたヘルスケアICTフォーラムを開催しました。このフォーラムは、新潟県のイノベーション創出事業に採択された「ヘルスケアICT立県」実現プロジェクトのキックオフフォーラムとし、採択された民間事業者と共催事業とのことで、私もオンラインで視聴いたしました。 知事は、その会の中で、ICTを活用していく中で持続可能な質の高い医療を提供し、またICT産業が新潟に集結していくという環境をつくり出していきたいと発言されています。 知事は、本県における医療分野でのICT活用に関し、どのような効果を期待し、またその実現に向けて今後どのような取組を行っていくのか伺います。 次に、私の地元である十日町市は、令和元年10月1日から寄附講座という、新潟大学に寄附を行い、それを原資として十日町市の課題や求める事項について、大学側から研究・検討に取り組んでもらう契約を新潟大学としております。契約期間は、令和4年9月までの3年間です。 目的は、今後の高齢化社会を見据え、市民がこの地で不安なく暮らせるよう、病院や施設依存ではなく、医療・介護・福祉のサービスを切れ目なく提供できる体制の検討と、地域包括ケアシステムの構築に向け、新潟大学と十日町市に所在を置く医療福祉総合センターを拠点としながら、中山間地域である妻有地域の医療と介護を地域で支える、出向くケアと医療の仕組みづくりを進めております。 一方で、妻有地域をはじめとする中山間地域など、短期間で医師確保がままならない条件不利地域においては、先ほど質問した医療分野のICT活用も重要な要素であると考えます。 県としても、出向くケアと医療の仕組みと医療分野でのICTの積極的な連携を進めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 早期に地域医療の確保に向けての体制づくりが望まれる中、私としては、これまで一般質問でも発言しましたが、地域医療連携推進法人等の制度を生かし、様々な医療機関が連携をして、新たな組織体制の仕組みの下で、知事が提唱するヘルスケアICTを取り入れることが中山間地域、高齢化地域、豪雪地でも、地域住民にとって最善の医療提供が図られる可能性もあるのではないかと考えます。 連携推進法人等の組織体制においては、県として、制度の活用を検討する医療機関等に対し、制度の内容や認定事例等に関する情報提供のほか、必要に応じて助言を行ってまいりたいと考えておりますとの答弁も頂いておりますので、声が上がりましたら積極的に情報提供等をお願いいたします。 次に、十日町市・津南町圏域の精神医療提供体制の在り方について、約2年前になりますが、中条第二病院の患者の皆様をはじめ、御家族の方々のみならず、多くの関係者や住民に広がり、精神医療確保に関する地元の議会での意見書採択や住民運動などが行われました。 その上で、県がおととし開催した精神医療提供体制のあり方検討会では、十日町市長及び津南町長が、中条第二病院の閉院による患者動向と豪雪地域の特性を踏まえた精神医療体制の整備について意見を述べました。 それを受けて、同検討会が、今後は在宅医療を担う多職種の協働を推進し、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めていくなどの検討結果を取りまとめました。 それから約1年が経過しました。昨年の10月時点になりますが、これまでに地元の方から精神医療提供に対する不安や改善等の要望について、私のところには、今の環境をなくさないでください、守ってくださいといった関係者の方からの要望がありましたが、県に対して地元関係者等から十日町・津南地域の精神医療体制について要望等はあったのか伺うとともに、検討会で示された取組の進捗状況について伺います。 次に、医師の確保対策について、新潟県は大学と連携をして、地域枠の拡大に向けた取組や、自治医科大学卒業医師の配置やドクターバンクなどにより、県外医師の招聘などに取り組んでいる現状ですが、医師不足の本県においては、首都圏など県外からのさらなる医師誘致が重要になると考えます。 これまでのドクターバンクをはじめとした県外医師の誘致の実績を伺うとともに、今後、病院や市町村とも連携を図りながら県外医師の誘致に取り組むことも必要と考えますが、所見を伺います。 最後に、移住・定住施策について伺います。 総務省が令和3年1月に公表した2020年の住民基本台帳人口移動報告では、県外から新潟への転入は2万2,186人、転出が2万7,957人で、5,771人の転出超過でした。 また、東京と県内との移動を見てみると、昨年6月までの半年では2,321人の転出超過だったものの、夏以降は転入者が増加し、7月から12月の半年では52人の転入超過になったということです。 県は、昨年10月から、首都圏から県内へ移住し、テレワークをする人などを対象に応援金を支払う、新潟県テレワーカー・フリーランス移住応援金を創設し、2月17日時点で17世帯、29人がこの制度を利用したということでありますが、予算枠として20%ほどしか使っていません。県としてこの現状をどのように受け止めているのか伺うとともに、今後、テレワークなど多様な働き方による移住を促進するため、どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。 次に、新潟県へのU・Iターンの移住を検討している方に対して、県や市町村は施策に力を入れている現状ですが、県外からの移住者について、県が調査を開始した平成26年度において186組、356名だった移住者数が、令和元年度においては1,375組、1,901名と、5年間で人数では約5.3倍増と一定の成果が出ているように思われます。 しかし、この数値については市町村担当課で把握できる数の集計であり、全数調査ではないことから、前年比や他県等との比較をすることにはなじまないということであります。 令和3年度予算においても、移住推進への施策に県をはじめ市町村も力を入れているからこそ、今後、ターゲットを明確にして移住施策を進めて、県内の移住者数を確実に把握し、経年比較や他県比較を行うことが必要と考えます。 そのためには、市町村とも連携をし、県内統一の基準での移住者の把握方法について検討を行うべきと考えますが、所見を伺います。 今後、新型コロナウイルスの影響もあり、全国的に首都圏からの移住施策に力を入れると考えます。令和2年度の県が行うU・Iターン実現トータルサポート事業においても、県内30市町村のうち、多いか少ないかは別として、18市町村と連携をしている実情と伺っております。 ぜひ、全ての市町村と新潟県がワンチームで連携して、人口減少対策に取り組めるように事業推進することをお願いして、私の一般質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事花角英世君登壇〕 ◎知事(花角英世君) 小山大志議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、新型コロナウイルスによる県内企業への影響についてでありますが、新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食業、宿泊業などが需要を喪失するとともに、製造業においても営業活動の制限などから受注が減少するなど、幅広い業種で影響が生じております。 民間調査会社によると、多くの県内事業者において、売上げが前年を下回る状況が続いており、依然として影響が継続しているものと認識しております。 県といたしましては、引き続き、県内経済の状況把握に努めながら、資金繰り支援をはじめとしたセーフティーネット対策に万全を期すとともに、新たなチャレンジへの支援などにより、県内経済の回復につなげてまいりたいと考えております。 次に、着物産業への支援についてでありますが、本県着物産業は、ライフスタイルの変化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により営業活動が制約され、受注が減少するなど、大変厳しい状況にあると認識しております。 県では、これまで、資金繰りや販路開拓支援のほか、県内の着物事業者が実施する需要喚起の取組などへの支援を進めてきたところですが、中長期的には、素材としての可能性を広げ、着物のよさを知ってもらう機会を創出するなど、将来的な需要の掘り起こしが重要であると考えています。 新年度においては、異業種や観光との連携による新たな商品開発や魅力発信などを後押しすることにより、着物産業の再生に向けた取組を進めてまいります。 次に、スタートアップ拠点の成果と評価についてでありますが、令和元年度からこれまでに整備された8拠点における創業件数は、45件に上っております。先輩経営者や県内外で活躍する起業家がメンターとなり、起業を目指す若者等を育成し、創業につなげる好循環が生まれつつあるものと考えております。 これは、新型コロナウイルス感染症の影響で対面による活動が難しい中でも、オンライン上で容易に起業家へ伴走支援できる仕組みや、各拠点のネットワーク化により、起業に必要な支援をタイムリーに提供できる支援体制が整備されたことによるものと考えております。 今後は、オンラインでも対面に近いコミュニケーションが取れる仕組みの導入や、大学等の高等教育機関と連携した起業家の人材育成などにも取り組み、引き続き、成長性の高い起業家の輩出を官民連携で推進してまいります。 次に、J-Startup NIIGATA選定企業への期待についてでありますが、経済産業省が昨年より開始した地域版J-Startupプログラムは、地域に根差した有望ベンチャー企業を選定し、公的機関と民間企業が連携して集中支援を実施することで、選定企業の飛躍的な成長を図ることを目的としており、新潟は全国で4番目の地域として始動したところです。 県といたしましては、本プログラムを通して選定企業が大きく成長を遂げるとともに、起業を目指す若者たちの目標となることを期待しております。 なお、企業選定の進捗状況については、産業労働部長からお答えいたします。 次に、鳥獣被害対策についてお答えします。 狩猟に携わる人材確保についてでありますが、野生鳥獣による被害が増加する中、議員御指摘のとおり、捕獲の担い手となる狩猟者の高齢化が進んでいることから、若い世代の人材を確保するとともに、有害鳥獣捕獲の体制を整備・強化していくことが喫緊の課題であると認識しております。 県といたしましては、市町村や関係機関と連携しながら、わなの狩猟免許の取得を推進するなど、狩猟に携わる人材の裾野の拡大に取り組み、組織的かつ広域的な狩猟者の確保を進めてまいりたいと考えております。 次に、地域医療についてお答えします。 まず、本県における医療分野でのICT活用についてでありますが、時間や距離の制約を乗り越えられるICTの活用は、医師不足が深刻であり、僻地や離島を抱える本県にとって、地域の医療課題を解決する有効な手段になるものと期待しております。 県では、新潟県アフターコロナを見据えたイノベーション創出支援事業において、地域の医療課題をICTで解決する「ヘルスケアICT立県」実現プロジェクトを事業採択したところであり、今後、採択事業者と協力しながら、地域課題に根差したオンラインサービスの開発や、ヘルスケアICTの人材育成などに取り組んでまいります。 こうした取組を通じ、持続可能な医療提供体制を確立するとともに、力のある若い人材や企業を県内に集積し、地域の医療ニーズに対応するヘルスケアICTを継続的に創出できる土壌をつくることによって、地域経済の活性化にもつなげてまいりたいと考えております。 次に、出向くケアと医療の仕組みとICTの連携についてでありますが、県民が住み慣れた地域で自分らしい生活ができるよう、地域包括ケアシステムの構築が求められている中で、在宅医療提供体制の充実は重要であると考えております。 在宅医療に関しては、医療・介護に携わる多職種間の連携や情報共有、医療スタッフ等の負担軽減などの課題もあり、議員御指摘のとおり、ICTの活用は、こうした課題を克服するための有効な手段になるものと認識しております。 このため、県では、病院、診療所、介護事業者等が連携をし、ICT技術を活用した患者・利用者情報を共有する地域医療連携ネットワークの構築を支援してきており、十日町市を含む魚沼地域においても、うおぬま・米ねっとが整備され、多くの医療機関と介護事業所等が参加し、在宅の医療現場の負担が軽減されてきたところです。 これに加え、今後は「ヘルスケアICT立県」実現プロジェクトにおいても、在宅医療の推進につながる取組を進めてまいりたいと考えております。   〔県民生活・環境部長村山雅彦君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(村山雅彦君) お答えいたします。 捕獲が必要なイノシシの数についての考えと今後の取組方針についてでありますが、県のイノシシ管理計画では、生息域を拡大させず、生息数を現状より減少させることを目標としていることから、近年では、3,000頭近くまで捕獲数を増やしているところです。 しかしながら、農作物被害が年々増加していることなどから、生息数の減少までには至っていないものと考えております。 今後は、専門家の意見を踏まえ、より正確な生息状況の調査や捕獲数に応じた生息数の変化の予測を行い、新たに捕獲数の目標を設定することについて検討を進めるとともに、ICT技術の活用などによる効果的な捕獲や、銃に加えて、わな捕獲の担い手育成を強化し、目標の達成に向けて取り組んでまいります。   〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕 ◎福祉保健部長(松本晴樹君) 2点お答え申し上げます。 十日町・津南地域における精神医療体制についてでありますが、地元関係者からの要望はありませんが、新潟県精神障害者家族会連合会から要望を受けており、精神医療提供体制のあり方検討会でも示されたとおり、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向け取り組んでおります。 具体的には、県において、十日町市内のクリニックにアウトリーチ支援事業を委託し、在宅患者に対する多職種による早期介入の支援を行うとともに、自立支援協議会圏域部会などにおいて、市町村や関係機関と共に、体制構築に向けた検討を進めております。 十日町市においては、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターが設置され、また、緊急時の受入れを行う地域生活支援拠点の整備に向けた検討も進んでいるところです。 次に、県外からの医師の招聘についてでありますが、県では、県のドクターバンクにより、これまでに8名の医師を招聘してきたほか、県外医学生への働きかけ等により、県外大学出身の臨床研修医を年40名程度、県外で臨床研修後に本県で専攻医となる医師を年20人程度確保しております。 このほか、民間医師紹介事業者活用時の手数料に対する支援や若手医師確保のための留学研修支援、指導医派遣を行う医療機関に対する支援など、様々な取組により、県外医師の招聘を行っているところです。 また、県内市町村においても、医学生向けの修学資金を貸与するなど、独自に医師確保の取組を行っていると承知しております。 県といたしましては、今後も、病院や市町村とも連携を図りながら、臨床研修医の確保や県外からの医師の招聘を進めるほか、医師不足地域に修学資金貸与医師を配置することなどにより、医師の確保、偏在解消に取り組んでまいります。   〔産業労働部長橋本一浩君登壇〕 ◎産業労働部長(橋本一浩君) 3点についてお答えいたします。 J-Startup NIIGATAにおける企業選定状況についてでありますが、現在、関係機関へのヒアリングも踏まえて候補企業を選定し、外部委員による審査を進めているところです。今後、年度内を目途に審査を終え、最終的に20社程度を選定することとしております。 また、並行して選定企業を支援する側のサポーターの募集を行っており、選定企業と併せて公表を予定しております。 次に、テレワーク等による移住の促進についてでありますが、本県のテレワーカー・フリーランス移住応援金については、利用件数は当初の想定よりも少ない状況ではありますが、県内広く移住先として選ばれ、利用者からは、この制度が移住の後押しとなったといった声を頂いております。 国や他県に先駆けて、テレワーカー等を対象とした応援金を創設したことで、本県で新しいライフスタイルや働き方を実現することの魅力を訴求することが一定程度できたものと受け止めております。 新年度においては、国の移住支援金制度の支給対象に、新たにテレワーカーが追加されることとなったことから、国の制度も活用しながら、市町村と連携してテレワーク移住を後押ししていくとともに、移住事例の発信など、今年度の成果を生かした取組を行うことにより、さらなるU・Iターンの促進を図ってまいります。 次に、移住者把握調査についてでありますが、議員御指摘のとおり、移住施策の企画立案やその効果分析を行う上で、県内への移住者数を把握し、経年比較や他県比較を行っていくことは、重要であると考えておりますが、現状において、移住者について全国一律の明確な定義がなく、全国的に統一された調査の仕組みもないことから、比較が困難な状況にあります。 このため、県といたしましては、人の移動に関する全国的に統一された調査の仕組みづくりを検討するよう、全国知事会を通じて国に対し要望しているところです。 また、県で独自に行っている移住者把握調査については、より正確な把握が可能となるよう、市町村と研究してまいりたいと考えております。   〔農林水産部長山田治之君登壇〕 ◎農林水産部長(山田治之君) 2点についてお答えいたします。 イノシシに対するこれまでの対策についてでありますが、今年度、県内においては、12月の降雪以降、平成29年度以来3年ぶりとなるイノシシによる人身被害が相次いで発生しております。被害に遭われた方々には心よりお見舞いを申し上げます。 専門家によりますと、イノシシは雪を避ける習性があるため、この冬の大雪で雪の少ない場所を求めて、除雪された道路等を通り、市街地に出没しているとのことです。 こうした状況から、県では、イノシシに近づかないこと、イノシシを刺激しないこと、餌となるものを放置しないことの3点について、関係機関と一体となって県民の皆様に呼びかけております。 また、大雪となった際、イノシシは除雪された道に移動するとの知見が得られたことから、来シーズンに向け、より効果的な注意喚起の手法を検討していくとともに、イノシシを寄せつけない対策や捕獲する対策を強化してまいりたいと考えております。 次に、農繁期における鳥獣被害対策についてでありますが、近年、イノシシの農作物被害は、これまで被害が少なかった地域でも急増していることから、冬季の狩猟期における有害鳥獣捕獲だけではなく、議員御指摘のとおり、農繁期においても捕獲を強化する必要があると考えております。 県といたしましては、電気柵を活用した被害防除や、不要な農作物の撤去などの、イノシシを寄せつけない対策を進めるとともに、わな捕獲の担い手育成や捕獲技術の向上を図る研修を拡充するなど、市町村や関係団体と連携しながら被害防止に向けて、組織的かつ広域的な展開を進めてまいりたいと考えております。   〔病院局長藤山育郎君登壇〕 ◎病院局長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 いわゆる僻地病院の市町村主体の運営に向けた協議の状況についてでありますが、これまで市町村主体の運営に向けて、個別病院の課題に対応した詳細なデータや情報などを地元市町に提供し、4回にわたり意見交換を重ねてまいりましたが、議員御指摘のとおり、地元市町からは引き続き県立県営でお願いしたいという意向が示されております。 一方で、訪問当初は、県立病院のことは県に任せるという状況でしたが、回を重ねるにつれ、持続可能な医療提供体制を確保していくためには、県と一緒に考える必要があるというように状況が変化してきたようにも感じているところです。 今後とも、丁寧に意見交換を重ね、地元の理解と協力を得られるよう、着実に取組を進めてまいります。 次に、いわゆる僻地病院の市町村主体の運営に向けた地域住民の理解についてでありますが、県立病院の役割・在り方の見直しは、危機的な経営状況も一つの契機として、人口減少や医師不足など厳しい医療環境の下、持続可能な医療提供体制を確保していくために行うものであり、地域住民から見直しの考え方や医療を取り巻く状況等について正しく理解していただくことは重要と考えております。 また、先月開催した県立病院経営委員会から、市町村主体の運営のメリットは、自ら経営や人員配置ができることや、医療介護連携、在宅医療の小回りが利くこと、県立ではできないことができるようになり、これまでよりよくなるということを県民にきちんと伝えるべきとの助言もいただいたところであります。 引き続き、地元市町と協議、調整を進めながら、適切なタイミングで、住民説明会など様々な手法により地域住民の理解促進を図ってまいります。   〔教育長稲荷善之君登壇〕 ◎教育長(稲荷善之君) 4点についてお答えいたします。 県立中等教育学校あり方検討委員会における主な意見についてでありますが、第4回の委員会では、前回までの検討結果を取りまとめるとともに、委員会としての提言に関して議論が行われました。 提言の内容については、より一層の学習面の充実や、ICTを活用した教育の推進など、さらなる特色化を図るべきとの意見や、地域によって人口規模や交通事情など状況が異なるため、地元自治体と協議しながら、地域の状況に応じた対応を検討すべきという意見が出されました。 また、地域によっては、地方創生を進める上で学校は重要な役割を担っており、地元自治体からの支援も含め、地域と協働して中等教育学校の志願者数増加に取り組むべきとの意見もありました。 検討委員会の報告書は3月下旬に提出される予定であり、その提言を踏まえ、今後の対応について検討してまいります。 次に、ICTを活用した取組への支援の状況と今後の展開についてでありますが、学習支援動画は、小中学校全学年を通じて、2月時点で1,800本以上作成し、小学校で6割、中学校で4割を超える学校から授業で活用されており、通算では5万回以上のアクセスがあります。 今後は、タブレット端末と学習支援動画等のデジタル教材を授業で効果的に活用するための教員の指導力向上が課題であると考えております。 県教育委員会といたしましては、ICT活用指導力向上研修の拡充をはじめ、教育支援システムを通じたデジタル教材の提供と授業での活用方法の例示などを行い、ICTを活用した授業づくりを支援してまいります。 次に、津南中等教育学校と佐渡中等教育学校の志願倍率の上昇についてでありますが、両校の学校説明会等において、6年間を見通した特徴ある教育課程や大学等への進路実績をはじめ、ICTを活用したオンライン授業や動画配信、地域と連携した探求学習など、学校の特色ある取組に関する理解が進んだものと考えております。 さらに、津南町では通学費補助や学校を支援する会の設立、佐渡市では学校のPRなどの活動があり、これらが今回の志願倍率上昇に影響を与えたものと認識しております。 県立中等教育学校あり方検討委員会の報告書が3月下旬に提出される予定であり、その提言を踏まえ、今後の志願者増加に向けた取組について検討してまいります。 次に、教育行政に係る割愛人事の現状と今後の方針についてでありますが、割愛人事による県と市町村間の人事交流につきましては、これまでも各市町村教育委員会の要望を踏まえて行っており、今年度の割愛人事の数は、新潟市を除き、100名となっております。 今後も、県教育委員会では、市町村の教育課題とその解決に必要とする人材についての考え方を十分聞きながら、市町村からの割愛人事の要望に応えてまいります。 ○議長(桜井甚一君) 小山大志君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(桜井甚一君) これにて本日の一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(桜井甚一君) お諮りいたします。 次会は、明3月4日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(桜井甚一君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(桜井甚一君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時11分散会...